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2016年8月11日 (木)

鳥居を比べてみた

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 前から一度やってみたかったのが、地域の神社にある「鳥居のかたち」の分類。学芸員は、なにかにつけてモノを分類したがる傾向にあるが、もともと鳥居には分類体系があり、その種類は細かく分類すれば60種類にも及ぶと言う。そこまでいかなくても、代表的な14分類群があり、突き詰めると上位分類で2種に大別されるらしい。
 
 当館では初代学芸員の後藤さんが、かつて「近世社寺調査」の一環で町内の神社をひととおり調べた記録がある。鳥居についても簡単に言及されていたが、今回、「浦幌神社の120年」展を開催するにあたって再度町内の全神社を巡り、記録写真などを撮っている。そこで鳥居の形にあらためて着目してみた。
 
 写真は活平神社の鳥居。浦幌でもっとも多いタイプの簡素なもの。2本の柱の天に「笠木」を渡し、その下で「貫」が柱を結んでいる。全てが丸太状で、「貫」は2本の柱の両側に突き出さない。
 「白木鳥居」もしくは「御霊鳥居」と呼ばれるタイプと思われる。
 
   
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 こちらは常室神社の鳥居。活平神社に似ているが、笠木と貫の間に神社名を書いた「神額」がかかっている。ただし、この神額は笠木に打ち付けてあるだけで、この裏に笠木と貫を補強する「額束」は無い点に注意する必要がある。
 「額束」の有無は、鳥居の分類上けっこう重要らしく、もし「額束」があれば「宗忠鳥居」(むねただとりい)に同定されるらしいが、無いので活平神社と同じ「白木鳥居(御霊鳥居)」。
 
 
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 川流布神社の鳥居。「貫」が柱の外に突き出しているのがわかる。また、「笠木」が丸太なのに対して「貫」は平板である。「額束」は無く「神額」が打ち付けられているのみ。
 「鹿島鳥居」に同定された。
 
 
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  川上神社の鳥居。川流布神社の形に近いが、笠木の小口が斜めにカットされているのがわかる。 
 分類的には「鹿島鳥居」の種内分類群らしい。ただし、本来、「鹿島鳥居」は「笠木」は丸太だが「貫」は平板らしいのだが、川上神社の鳥居は「貫」も丸太である。
 という訳で、「鹿島鳥居sp.?」くらいしにか同定できない。どなたか、「アノテーションラベル」(植物標本を再同定した時に貼るラベル)を貼って欲しい。
 
 
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 これまでの鳥居が、大分類では「神明鳥居」に含まれるのに対し、浦幌で唯一、「笠木」の下に「島木」のある「明神鳥居」に含まれる鳥居を持つ、留真神社。
 
 「島木」の存在の他、「貫」が柱の両側に突き出ており、さらに「貫」と柱の交点には「くさび」も見える。そして「神額」はかかっていないが「額束」がある。
 
 さらに、「笠木」の小口が斜めにカットされているのに対し、その下の「島木」の小口は垂直である。これが検索表の末端部分で、「春日鳥居」に同定される(島木の小口が斜めだったら「八幡鳥居」)。
 
 鳥居の分類方法はいくつか学説があるらしく、「検索表」も何種か呈示されている。それらを比較・参照しながら再同定を楽しむのも面白い。
 
 

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