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2016年8月 5日 (金)

「さおばかり(桿秤)」の製造元を調べる

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 先日、町の方から桿秤(さおばかり)一式を寄贈頂いた。実はこのタイプの桿秤は既にいくつも収蔵している。それにも関わらず再び受け入れたのは、持ち主などの来歴がはっきりわかっていたから。同種の秤の多くは来歴が不明だったので、こうした情報のはっきりした資料の受入は歓迎である。
 
 錘〔おもり〕に見慣れた「徳島」の表記とマークがある。実は同じマークの付いた錘というか分銅を、十勝ではよく見かける。その度に「また徳島か。なんで徳島なんだろう?」と思っていた。
 
 そこで、休日を利用し、十勝でやたらと見かける「徳島」印の桿秤の錘(分銅)について調べてみた。勤務日は来客対応や事務や展示作業で、調べ物ができず、じっくりものを調べるのはどうしても休日になってしまうという、全国の学芸員共通の悩みがここにもある。
 
 まず、徳島県の老舗の秤メーカーを調べる。「日本計量新報社」という業界団体があり、ホームページで「日本はかり工業会」加盟企業を一覧として公開している。ここで調べると、徳島県には、1913(大正2)年創業の「井内衡機株式会社」がある事がわかる。
 
 会社のサイトを見てみると、1913(大正2)年に四代目井内太平氏が「井内衡器製作所」(今とは「器」「機」の表記違いがある)を起ち上げたのが最初とされる。そこで井内太平氏を調べてみると、1863(文久3)年の生まれ、反物商を継いだ後、上記の会社を設立するといった、四国の著名な実業家である事がわかった。
http://iuchi-scale.jp/company.html 井内衡機のサイト
 
 井内太平氏そのものも興味深いが、博物館として大事なのは、寄贈資料がこのメーカー製造のものかどうかの同定である。そこで次に、分銅の「徳島」表記の下に描かれているマーク(印)に着目し、このマークが井内のものかを確認する。
 
 確認するためのツールは、これも最近はインターネット上に公開されている「特定計量器製造事業者による届出記号一覧」である。これは、秤のような計量器を製造しているメーカーが商品に付けている記号を一覧にしたもので、経済産業省が公開している。
 
 一覧を見ていくと、あった。
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 分銅に着いているのと同じ記号である。企業名は「徳島県 井内衡機株式会社」とあり、推察が正しかった事がわかる。
 
 とりあえず、これで「資料カード」の製造元情報の欄に記入ができる。あとは、このメーカーの分銅がなぜたくさん見つかるのかを調べる必要があるが、これは少し時間がかかるだろう。
 
 こうした作業のひとつひとつが、博物館資料の価値を高めていくのである。他のマークの付いた分銅も、同様の作業でひとつひとつ潰して行こうと思う。
 
 
 
 

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