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2016年5月

2016年5月30日 (月)

小樽で企画展を2つみる

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 小樽市総合博物館の本館(手宮)で、4月末から7月3日までの間、企画展「名前の博物誌」が開催されている。先日、こっそりとお邪魔し、展示を拝見してきた。
 
 
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 生物の名前には、世界共通の学名と、その地域だけで通用する名前(日本なら和名)がある。また、それらの名前にはさまざまな由来があるし、学名の決め方には厳格なルールもある。
 そうした内容が、標本や写真と共に丁寧に解説されている。
 
 
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 ものすごい勢いで植物採集をしていたフランス人宣教師フォーリーが採集した標本に基づき新種発表された「オタルスゲ」。このような名前のルーツについて、「猿にちなんだ名前」や「地名のついた名前」「勘違いによる名前」など、いくつかのトピックごとに展示されている。コンパクトで美しく展示されており、とてもわかりやすい。なかには、私も知らなかった植物名のルーツがあったし、とても勉強になった。
 
 
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 こちらは生物名の仕組みについて。学名に使われるギリシア語やラテン語の事例もあり、親しみやすく解説されている。
 
 
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 学名の父リンネと、そのリンネに献名されたリンネソウ。
 
 
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 こちらは命名規約と新種発表の実際について解説されたコーナー。学芸員の山本さんが実際に新種発表したときの論文を事例に説明されている。
 
 学名の展示は、いつか私も手がけたいと思いつつ、まだ取り組んだ事が無い。やはりこれは面白いなと実感したので、今回の展示を参考に、十勝でも近く開催してみたい。
 
 
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 もうひとつ、市立小樽文学館で開催中の特別展「早川三代治展:インターナショナルな知的表現者」も見学する。
 こちらは5月21日(土)から始まったばかりで、この日も新聞の取材などが来ていた。開催期間は7月24日(日)まで。
 
 早川三代治は、経済学者としての名前は知っていたものの、文学者としての側面は全く知らなかった。今回、彼が有島武郎の影響を強く受け、有島をテーマにした戯曲の構想も練っていたという話を聞き、このあとニセコの有島記念館へ出向く事もあって、一度その功績を学んでおこうと思ったもの。
 
 実際に見学してみると、小樽市総合博物館運河館で少しずつ活字化のはかられている『稲垣日誌』にその名が登場したりと、有島も含め、後志地方らしい資料との結びつきがある人物だなあという点が特に面白かった。さまざまな人物と親交があり、彼らから届いた手紙や葉書が公開されていたのも興味深かった。
 
 よその館の企画展は、自分の仕事を進める上でもこのうえない教材になり、大いに影響を受ける。最近あまり他館の企画展を精力的に巡っていないが、きちんと時間をつくって学ばなければなあと痛感したのであった。
 
 小樽文学館 http://otarubungakusha.com/yakata
 
 

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2016年5月14日 (土)

音別でお花見

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道東にも桜の季節がやって来た。
 
 
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釧路市音別町の桜の名所「音別町憩いの森」に、夫婦揃って休館日で休みだった5月9日(月)、お花見に出かけた。
 
 
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なるほど美しい。音別の憩いの森は初めて来たが、確かに桜の名所らしく、他にも何組もお花見の人たちが来ていた。
 
 
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無論、我々は桜以外のお花見もする。
写真はシソ科のカキドオシ。
 
 
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エゾヒメアマナ。
 
 
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エゾノイワハタザオ。
 
 
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エゾネコノメソウ。釧路管内にはあるが十勝に記録が無い。しかし、音別にもあるんだったら、浦幌町直別あたりにはありそうな気がする。今後の課題。
 
 
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中央左の緑色っぽいのがチシマネコノメソウ。中央右の黄色っぽいのがツルネコノメソウ。ネコノメソウ類は3種を確認した。
 
 
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センボンヤリ春型。
 
他にもミヤマスミレやキタコブシ、フデリンドウなど、春の植物をいろいろと記録。
 
この後、13日にあらためて私だけで調査に来たところ、アズマスゲやタチツボスミレ、レンプクソウなどの開花も確認した。全体のリストは末尾のとおり。なお、野鳥もウグイス、ツツドリのさえずりを今期初確認。またイカルが3〜4羽飛来しているのを目視したが、これも今季初確認。
 
音別は、失礼ながら地味な町で、あまり調査記録が無い。これから3年くらい通って、まずは憩いの森のフロラでも作ろうかと思う。
 
<確認植物リスト 5月9日、補足調査5月13日> Fl:開花 Fb:花芽確認 Fr:結実確認 
エゾヤマザクラ Fl
フデリンドウ Fb〜Fl
コテングクワガタ Fl
キタコブシ Fl
セイヨウタンポポ Fl
シラカンバ Fl
ヤチダモ Fl
ミヤマスミレ Fl
エゾネコノメソウ Fl
チシマネコノメソウ Fl
ツルネコノメソウ Fl
エゾヒメアマナ Fl
センボンヤリ Fl
カキドオシ Fl
エゾエンゴサク Fl〜Fr
セントウソウ Fb〜Fl
アオスゲ Fl
アズマスゲ Fl〜Fr
マイヅルソウ Fb
ハコベ Fl
アキタブキ Fl〜Fr
ハルザキヤマガラシ Fb
キジムシロ Fb〜Fl
ヤマブキショウマ Fb
タガネソウ Fb
シロイヌナズナ Fl
ナズナ Fl
ミミナグサ Fl
エゾノイワハタザオ Vl
オオバナノエンレイソウ Fl
ニリンソウ Fl
タチツボスミレ Fl
レンプクソウ Fl
 
 
 
 

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2016年5月 8日 (日)

ガンコウランの花を探す

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 ガンコウランの花を毎年見に行くのだが、どうもタイミングが悪くて、しっかりとした状態の花をまだ記録できていない。今年も出遅れたようで、昨日の段階で既に雌花は終わったばかりのようだった。よく見るとまだ3枚の花被が白っぽく残っていたのが慰めか。
 
 
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 こちらは雄花。花粉を放出してカラカラになった葯をつけた雄しべが見える。
 が、あとで顕微鏡で見てみると、まだ開いていない葯が葉腋の根元にあるようだ。ひょっとすると、ここ数日の「暑いくらいに暖かい」→「寒い(雪)」→「暖かい」→「寒い(雨)」の繰り返しで、開花が停滞しているのか。ならばまだチャンスはありそう。
 
 という事で、来週に期待している。
 
 

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2016年5月 1日 (日)

教会・メーデー・献血・路線バスな一日

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ゴールデンウィークが始まるが、博物館は稼ぎ時なので、一般の休日のうちお休みなのは今日5月1日(日)だけである。だが、今日は久々に教会へ行ける。さっそく汽車で釧路へ向かう。

今朝の釧路行き始発2521Dは国鉄色の朱色に塗られたキハ40 1749で、さいさきも良い。日曜日のため、浦幌到着時の乗客なし、浦幌からの乗車も私のみ。

 

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昨日のウラホロイチゲ観察会は、晴れはしたものの暴風で寒かった。今日は風もないよく晴れた日で、車窓も穏やか。行事の無い日が良い天気なのは今年度も変わらないらしい。

上厚内の峠を越える築堤から、まだ葉を展開していない樹々を眺めていると、カツラの赤い枝先がよく目立つ。ゆっくり登るし築堤なので視線が高いから、まるで新芽のひとり車窓観察会のようだ。この贅沢なことよ。

 

 

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厚内の旧斉藤牧場事務所。文化財級なのに全くなんの指定もされないまま朽ち果てようとしており、いつも悔しい思いをしている。いろいろ難しい問題があるらしく、手を付けないまま年月を経て、どんどん風化が進んでいるのだ。

学芸員としては、これこそなんとかしたい課題である。寝た子を起こす事になりかねないが、今年は所有者に会ってみたいと考えている。

 

 

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厚内では二本の列車と交換。
次の直別で1人、音別で3人、白糠で2人、新大楽毛で1人の乗車があって定時釧路着。もうすぐロザリオの祈りが始まる。

 

 

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冬の間と違って、春から秋にかけては日曜日に行事や調査が多く入り、教会へは月に一度行けるかどうか。復活祭に入った頃に行って以来の一ヶ月ぶりの教会は、いつの間にか復活祭第6主日、つまり復活典礼の最終のミサになっていた。

端午の節句が近いので、司祭が祝福した飴を子供達に配る。鯉のぼりの袋に入っているのが可愛らしい。カトリック教会は比較的日本の年中行事に寛容だ。

 

 

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教会のあとは途中からメーデーに参加する。既に集会は終わったらしく、デモの出発準備が進められていた。

 

 

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北大通を釧路駅前までデモに加わる。野党統一候補が話題だった北海道だが、メーデーはまだ連合系と全労連系で別れて開催している。合同しても大した人数にならない昨今、メーデーもはやく合同開催が実現すると良いなと思う。駅前でデモから離脱。

 

 

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メーデーのあとは、新しくなったばかりの阿寒バス・くしろバス1日フリー乗車券を使ってみる。600円で乗り放題。以前は日曜日だけだったが、今度から土曜日も使えるようになった。

さあ、午後は釧路の路線バスをとことん乗り回ろう!

まずはイオンの釧路町店へ行って、昼食に餃子でも食べようと、やって来た101番イオン釧路線に乗る。が、連休のお昼時なせいか、ものすごい混んでいて諦める。222番たんちょう線に乗り換え、イオン昭和店の方へ行ってみる。

 

 

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イオン昭和店内には、献血ルームがある。十勝はなかなか献血しづらい(常設の献血ルームが無い)。

献血を終えて一休みしていると、初めてらしく真剣に説明を聞いている16歳や、恐る恐るの彼女を連れてやってきたカップルなどの姿が目に入る。若いこういう人達の事を格好いいと言うのだと思う。

 

 

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献血ルームのすぐ外ではリコーダーのミニコンサートが開かれていた。なんだか大きいのからずいぶん小さなものまであり、それぞれ個性的な音を出して面白い。

店内には暖かな日差しが差し込み、人々はゆったりと過ごしていて、穏やかな休日という空気が溢れていた。

 

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再び路線バスに乗る。今度は77番イオン昭和線。鶴見橋、産業道路を経由していったん釧路駅前へ戻り、18番の千代の浦、望洋住宅まわりの白樺台行きに乗り換える。全く予定を決めておらず、バスの中や降りてから、時刻表頼りに次のバスを決めている。
 

車中で小学生の女の子2人連れが
「春採湖の近くに青い水の池があるんだよ、知ってる?」
と話しているのが聞こえ、気になって仕方が無い。いったいそれはどこだろう?と聞き耳を立てていたが、よく分からないうちに2人とも桜ケ岡通で元気良く降りて行ってしまった。

あとで帰宅してから妻に聞くと、春採湖の近くにトンボ池とかいう小さな池があるらしい。

 

 

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終点の白樺台は、予想していた場所とは別のところに着いた。高台から眼下に昔の公営住宅群、さらには桂恋、益浦、興津地区や紫雲台墓地、太平洋炭鉱の施設などが見える。さっきまでいた釧路川流域低地とは全く異なる景観で、釧路という町の広さ、多様さを感じる。

 

 

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かつての白樺台バス停は、眼下の旧公営住宅群にあった。これも帰宅してから調べて知ったのだが、住宅群が高台へ移っている実情と路線バス停留所との乖離について、地域から要望があったらしい。これを受けて、昨年10月のダイヤ改正で移設したそうだ。

地域の実情に合わせたこうした細かな対応は、鉄道ではできない路線バスの利点であり、喜ばしい。バスが地域の足として期待されているんだなという事も実感できる。

 

 

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このあたりのフェノロジーは、草本は変わらないが木本は西部より遅い。街路樹のナナカマドは新芽が開いてきたが、シラカバはまだ枝先が赤くなってきたばかりのよう。

 

 

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この先の昆布森までバス路線があり、有名な難読地名地区を通過するので行ってみたかったが、時間が遅くなってきたので引き返す。共に釧路駅前行である17番バスの白樺線と53番晴海線が同時発車で、少し考えたのち、17番バスの方へ乗る。17番にはさらに系統が3つあるが、土日は「系統2」と呼ばれる桜ヶ岡・コーチャンフォー前・市立病院経由の路線のみが動いている。

2台の後ろには10分後に発車する18番バスも待機しており、白樺台がにわかにバスターミナルっぽい雰囲気を醸し出している。

 

  

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同時発車後、しばらくは53番と一緒に走っていたが、白樺ターミナルで53番は左折、こちらは右折し、桜ヶ岡のスカイロードを登ったかと思えば、春採湖畔まで一気に下り、再び市立病院の丘を登るという釧路特有の高低差を堪能する。

 

釧路市立博物館のある市立病院前で17番のバスを降りると、ドクターヘリが病院屋上から飛び立って行くのが見えた。ここで今日のバス乗り歩きは終了する。

 

 

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さて、今回釧路市内のバスを乗り歩くのに初めて使ってみた「くしろバス・阿寒バス一日フリー乗車券」だが、課題をひとつあげるとすれば、路線図が無い事である。

実は、くしろバスはポケットサイズの時刻表を無料配付している。写真のとおり、フリー乗車券はこの時刻表にすっぽりと納まるサイズで、これが良い。実際、私は今回、ずっと時刻表に乗車券を挟んでいた。時刻表には全路線の時刻が主要停留所で示されている。

ただ、ここまで立派な時刻表を作っているのに、この中には全く路線図が無いのである。そもそも釧路市内では、バスの路線図というものをまず見ない。私が知る限り、駅前バスターミナルにある大型の掲示板のみで、あとはホームページで見るしかない。

 

これがバスの使いづらいところだ。だいたい、鉄道と違って路線バスの経路というのは、ふだん使っていない人にはよくわからないものである。

せっかく一日乗車券を発売するのならば、使い勝手の良い路線図を併せて配るべきだろう。まずはこの時刻表にきちんと路線図を掲載すべきで、そうすれば時刻表片手にフリー乗車券を使いやすくなる。

 

という意見をくしろバス・阿寒バス双方に今度出そうと思う。

 

 

 

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