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2015年12月 6日 (日)

「ほんべつ鉄道物語」展が本別歴民で開催中

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 本別町歴史民俗資料館で「ほんべつ鉄道物語:ふるさとをのせて」展が開催されている。本別は網走本線→池北線→北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線という変遷の歴史を持ち、鉄道が消えてから10年が経とうとしているのだが、いまなお本別駅や本別川鉄橋などに鉄道の痕跡が色濃く残り、しかも町としてきちんと文化財としての活用を推進しているので立派だなと思う。
 
 
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 展示は、銀河線全駅の紹介に始まり、切符や帳票類、駅名票やサボなどの鉄道備品、工具や制服など、車両以外の鉄道に関わるひととおりの資料が展示されている。町と鉄道との関わりに着目した年表も展示され、勇足駅での北糖貨物扱いの廃止問題など地域の重要な鉄道事象も盛り込まれていて興味深い。
 
 
Photo
 
 展示品には、1.鉄道史の側面から 2.近代化産業遺産の側面から 3.町史の側面から それぞれ重要な資料が含まれているように思う。鉄道史の側面から「あー、これは・・・」と思ったもののひとつが、このホーム灯。よくこんなものが保存されていたなあと思う。
 
 
Photo_2
 
 同じく信号灯。詳しくは今後調べないといけないが、形状など細部形態から見て、かなり古いもので、全道的に見ても現存数はかなり少ないのではないだろうか?貴重な資料で、今後細かく資料調査をさせてもらいたいと考えている。
 
 
Photo_3
 
 歴史民俗資料館のボランティアさんに、元国鉄保線区の方が居られるのだそうで、工具類の展示が充実している。資料点数もさることながら、キャプションの充実が目を見張る。工具展示の場合、実は資料名がよくわからなくて、キャプション無しで展示されているケースも多いのだが、ここはひとつひとつにきちんと名前が付けられていた。
 
 
Photo_4
 
 本別町は町長さんも元国鉄職員なのだそうで、鉄道資料の保存にも町として熱心に取り組まれた部分があるようだ。
 通票閉塞の閉塞器も、とても保存状態が良く、上りと下りが並んで展示されている。鐘型電鈴とうず型電鈴の二種。
 
 閉塞器自体は各地で保存されていて、特段珍しいものではない。だが、今回、私が思わず「あっ!」と声を上げてしまった貴重な部分があった。
 
 
Photo_5
 
 それがこれ。閉塞器の中身(通票)の取り出し口のカギに貼られた封緘紙である。
 少なくとも私がこれまで見てきた保存されている閉塞器では、ここに封緘紙が貼られたものは無かったと思う。
 
 これ、ただの紙ではない。「閉塞器用封紙」という、この器具専用の封緘紙なのだ。それだけ、鉄道の運行保安上、この装置が重要な位置を占めていたという事だろう。
 
 通票閉塞は、システムとしてはアナログで原始的なものだ。だからこそ、この方法で安全を確保するためには、全国あまたある閉塞区間の両側で無数の国鉄職員が、毎日毎日基本動作の励行を保つ必要があった。そして現実に、そうした基本動作の繰り返しが、日本の鉄道の定時運行と安全第一を守ってきたのだ。
 
 閉塞器にわざわざ専用の封緘紙を作って、作業の度にそれを貼って施封者印を押す。そんな面倒くさい手作業の繰り返しこそが、鉄路を守るという最も大事な使命の土台だった。そんな歴史を証する、とても目立たない地味な、しかし重要な鉄道史資料ではないかと思う。今後もこの状態で保存がされ続ける事を祈る。

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