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2015年9月30日 (水)

士別市で学芸職員部会の総会研修会

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 9月25-26日にかけて、士別市を会場に北海道博物館協会学芸職員部会の総会・研修会が開催された。年に1回、全道から学芸員がわらわらと集まる日で、毎年各地で学芸員が取り組んでいるいろいろな話が聞ける有意義な場で、今年も参加してきた。
 会場は士別駅前の生涯学習センターで、これが農協さん(JA)の建物に図書館と同居して入っていて驚いた。
 
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 部会長は沙流川歴史館の森岡さん。開会の挨拶。今回は50名近くの参加者があり、しかも参加者は年々増えている。近年、道内の学芸員も若手が増えてきたので、勢いが付いているのかもしれない。良い傾向だなあと思う。
 
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 研修では展示リニューアルがテーマで、実際に近年リニューアルを手がけた館の学芸員が、苦労した点、失敗した点などを赤裸々に報告しているのが実務的である。まずは4名の方から事例報告。写真は新ひだか町博物館の藪中さんの報告。
 ここは旧静内郷土館時代、すなわち大学院生で静内の北大牧場通いを続けていた際に訪館しているが、新しくなってからまだ訪問しておらず、近く行ってみたいと考えている博物館である。全く新しくなり、特に図書館併設となったそうだから、浦幌と状況が似ているので、訪問して実情を自分の目で見て来たい。
 
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 その後は4人の報告者に直接質問や意見などを交わせるように、ワールド・カフェ方式というらしいが、4班に分かれて15分ずつ各報告者を回るという方法で議論。この方法だと、少人数で忌憚なく意見交換がしやすく、しかも結果は簡単なメモ(付箋紙)で模造紙に記録していくので、話しっぱなしで終わらないという利点もあって、なかなか良かった。ただ、書記担当の人は大変そうだった。
 
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 夜の懇親会。左から2番目が今回の主催館である士別市立博物館の森さん。士別市立博物館は現在、森さん、本部さんのお二人の学芸員がおられ、とても若いコンビで動かしている博物館である。
 そして左端で挨拶に立っておられるのが、元館長にして同館学芸員だった水田さん。実は水田さんは司書でもあり、現在は会場となった生涯学習センターに入っている図書館で、市史編さん業務を兼ねて勤務されている。これまで永年お一人で博物館を運営してこられ、今回の事例報告でも話されていたリニューアルや収蔵資料の管理をこなされてきたのであった。
 私はかつて2年間、植物パラタクソノミスト養成講座の講師として士別市立博物館に呼んでいただいた事がある。その際、とてもお世話になったのが水田さんであった。異動されたとは聞いていたが、今回お会いする事ができて本当に良かった。
 
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 翌日は市内の山間部で地層を観察する。山を越えれば幌加内町で、かつて幌加内側から山へ入った事はあるが、士別市側で山へ入るのは初めてである。しかも蛇紋岩地帯の露頭を専門家の案内で巡検できる機会あ滅多に無い。
 もっとも、地質鉱物の話は聞いている最中はなるほどと思うのだが、どんどん頭から抜けていってしまう。メモと採集鉱物をもとに、これから復習が必要である。
 
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 エクスカーション終了時のあいさつ。後方右が士別市立博物館本館、左が旧士別市公会堂で、廊下で本館と結ばれ、現在は博物館別館として活用されている。
 
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 巡検へ出かける前に、20分ほど士別市立博物館を見学する事ができた。森さんの解説でリニューアルの要点を聞き、その後、館内を自由見学する。
 
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 道北は水稲直播き器発祥の地である。タコアシもネコアシも展示されていたが、気になったのはこのネコアシ。当館に所蔵のものとは形が少し異なり、しかもなんだかラベルがベタベタ貼ってある。今度個別にじっくり調べさせて欲しい。
 
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 この千歯も当館のものとは異なり、歯が円筒形だ(当館のは平たい)。円筒形の歯の千歯は十勝では見た事が無く、やはり職人さんの系譜が異なるのだろうか?
 ちなみに、足が1本足りない気がする。当館の千歯も足が落ちてしまっており、各館の残る千歯扱き共通の欠点なのかもしれない。
 
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 士別には市内にレンガ倉庫や軟石倉庫、木造建築が多数残っている。その数はちょっと驚く程で、この街並みをぜひ博物館でも町でも最大限活かした取り組みをして欲しいなあと思う(ただ、いろいろ大変だろうなとも思う)。
 これは宿泊した駅前旅館の近くにあった洋服屋さん。恐らく仕立て直しなどをするのだろうが、現役稼働中であった。
 
 ちなみに宿は駅前の「池田屋旅館」さんにお世話になった。旅館名入りのタオルを頂いたのだが、最近は名の入っていないタオルや手ぬぐいが多く、これは地域資料になる(そして地域の学芸員は地域の旅館に泊まる機会が無い)ので、使わずに士別市立博物館の資料として収蔵してきた。
 
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 懇親会場裏手に士別軌道バスの車庫があった。ここにいたのが、前から士別に行ったらぜひ見たいと思ってた、道内の現役モノコック型路線バスとしては最古と言われる、日野K-RC301Pである。夜に突然目の前に現れたので写真が最悪の状態だが、見る事ができて良かった。折しも旧塗装に復元されており、なかなか立派である。
 なにせ現役の路線バスなので、ぜひ次回は乗車したいと思う。これも地域資料としての価値が高いので、毎年9月20日の「バスの日」に士別市立博物館で貸し切って、普及事業に協力してもらったら良いのではないか。
 
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 という訳で有意義な総会・研修会であった。
 浦幌から士別へは、根室本線で富良野、富良野線で旭川、宗谷本線で士別というルートをとる。写真は乗車券で、往復とも途中で2箇所ほど下車印を押したのだが、予期していなかった事に、復路の乗車券は浦幌で回収されてしまった。
 
 浦幌は16時以降は無人駅になるため、最終列車で着くとワンマン運転の運転士に乗車券を渡す。したがって、駅員がいる時間帯は券面に無効印を押印して切符をもらう事が出来るのだが、ワンマン運転では無効印を押印できないため、回収せざるを得ないのだそうである。
 これは・・・今後なにか対応策を練らねば、切符を収集できないなあと、最後にちょっと悩んだ事であった。
 
 

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