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2015年3月20日 (金)

「鶴見川流域のくらし」展が良かった

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 既に終了したが、先日、神奈川県横浜市の横浜市歴史博物館で開催されていた「鶴見川流域のくらし」展を観覧してきた。昨年に横浜都市発展記念館で開催されていた「あこがれの団地」展(これも良い展示だった)を観覧した際、来年は歴史博物館で鶴見川展があると聞き、その内容も耳にしていたので絶対に行ってみたいと思っていたものだ。
 
 展示は予想どおり大変興味深かった。鶴見川の水運や流域産業に関する緻密な文書記録などの調査は、学芸員の仕事が資料を守り伝える事と共に、資料から新たな発見をする研究活動が重要なのだと再認識させるものだった。
 流域産業では、私は綱島の桃生産は知っていて兼ねてから関心はあったのだが、これを東急東横線で輸送していた事は全く知らなかった。これも文書記録が残されていて、それも小さな小さな記録で、調査の緻密さが実感でき面白かった。
 また、素麺の生産が盛んだったことは知らなかった。その背景に、谷戸の両側の緩傾斜台地を麦畑に、急傾斜地に杉植林を行い、原料の小麦から梱包資材の木箱まで一環して生産する土地利用があった事を初めて知った。今も父が住む港北区高田地区は、梱包資材の杉の供給地だったそうだが、もちろん今は全く面影は無い。
 
 
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 また、民俗の分野では市民参加の「民俗に親しむ会」が学芸員と共に鶴見川を源流から河口まで歩く調査を実施。石像や祭礼の現状について記録を行い、立派な報告書と共に、流域の全「狛犬」を撮影した「狛犬百態」なる写真集も発刊し、展示会場で「どの狛犬が好きか?」の人気投票を実施していた。
 
 信仰では、葦の筒を埋めた釜でお米を炊き、炊きあがってから筒の中にどれだけお米が入っているかによってその年を占うという、師岡熊野神社の「筒粥神事」を紹介。これは図録に掲載されていなかったが、それもそのはずで、まさに今年の1月14日の神事の模様が展示されており、占いの結果も公表されていた。
 
 
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 川をテーマに源流から河口まで、水運と民俗に着目しての緻密な文書研究と豊かなフィールドワークの成果によって築き上げられた非常に質の高い展示だったと思う。今後の自分の事業に活かしていきたい。
 
 展示は既に終了してしまったが、図録や報告書、狛犬百態の写真集は、博物館から通信販売で購入できる。3冊セット価格がおすすめ。下記を参照のこと。
 
 
 
 
 
 

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