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2015年3月

2015年3月31日 (火)

さらば帯広百年記念館

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 小樽市総合博物館から移ってきた際にも、その前の北海道大学総合博物館を出た時にも感じた事だが、職場を去る時はなんとも寂しさを感じるものである。帯広百年記念館へ来て4年半。今日で当館を去る事になった。
 
 もともと嘱託職員としての採用で、毎年契約を更新してきた。だが、いつまでも嘱託職員という訳にもいかない。5年をめどに次の職場をと考え、いろいろと準備もしてきたが、このほど浦幌町立博物館へ採用される運びとなり、明日から同館の学芸員として赴任する事となった。
 
 帯広での4年半、それなりに努力して働いてきたつもりだったが、今こうして最終日を終えて振り返ってみると、実は形になっているものなど何も無いのではないかとも思えてくる。やり残したこと、ああしておけば良かったと思う事は尽きず、ああ、やっぱりこのまま帯広へ残るべきだったろうか?との思いが時節頭をよぎる。
 多くの方々との出会いがあり、お力添えを頂けた事も大きかった。いろいろな事業も担当させて頂いた。最終日の今日も新着資料展の撤収などで忙しかったが、貴重な経験をたくさん積ませてもらった。
 
 帯広百年記念館は今、若い学芸員が多くなってきている。若手による新たな活気が見えてきている中で、その活気から外れてしまう事は正直残念だ。だが、このまま嘱託で居続ける訳にもいかない以上、新たな環境での就労を選んだ。
 
 4館目(院生時代の北大植物園を入れると5館目)の博物館となる今度の勤務館は小規模館で学芸員は自分ひとりとなる。何より、帯広と違って日頃から話せる学芸仲間、研究者仲間などがいない事は大きな違いだろう。不安も大きいが、お引き受けした以上は一流の博物館めざして奮闘したい。
 
 帯広百年記念館での4年半、お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。
 
 

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2015年3月30日 (月)

帯広百年記念館紀要第33号が発刊

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 『帯広百年記念館紀要』第33号も発刊。近々、図書館や各博物館へ発送の予定である。
 目次情報は以下のとおり。今回、私は伊東先生の原稿のお手伝いに徹し、自著報告は無し。当館へ来て書かなかったのは初めてだなあ。
 なお、当館紀要は購入可能(郵送購入も可能)。購入ご希望の方は帯広百年記念館 0155-24-5352 まで御連絡ください。
 また、最近号以外は北海道自然史研究会の自然史データベースでもPDFが公開される。
 
 
【誌 名】帯広百年記念館紀要
【巻 号】第33号
【発 行】帯広百年記念館
【発行日】2015年3月
【ISSN】 0289-8179
【目 次】
〔原 著〕
酒井孝幸:北海道晩成合資会社所有地の変遷
 
山田昌義・鏡担・丸山まさみ・川井唯史:十勝における外来種ウチダザリガニの現状と対策(総説)
 
伊東捷夫・佐藤清・安田勝則・伊東多美子:帯廣神社および水光園の植物
 
〔目 録〕
帯広百年記念館収蔵晩成社史料目録:依田八百氏および依田昭二氏寄贈晩成社史料目録
 
帯広百年記念館植物標本目録(7):伊東捷夫氏収植物目録
 
 

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2015年3月29日 (日)

『北方山草』32号が発刊されました

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 北方山草会の会誌『北方山草』の第32号が発刊された。書店では市販されておらず、会からの直販の他、札幌駅近くのエコ・ネットワークなどでも購入できる。1冊2500円。会からの郵送購入の場合は1冊2600円(送料込み)の他、振込手数料自己負担となる。十勝では帯広百年記念館の売店で販売しており、今週中には入荷の予定なのでぜひ御利用ください。
 以下、目次情報。そう言えば北方山草会の会長は、近年うちの教授になった。今回、追悼記事が組まれている野坂志郎先生には、学部生の頃に植物生態学の講義を受けた他、大学院に入ってからは標本の整理をさせていただいた。お懐かしい。
 
【誌 名】北方山草
【巻 号】第32号
【発 行】北方山草会
【発行日】2015年3月
【ISSN】 1347-4006
【目 次】
写真によせて .....................................3-6
 扉  メコノプシス・スタイントニイ 札幌市 梅沢 俊
 ウラジオストック近郊の風景 札幌市 吉中弘介
 チングルマ 仙台市 国京潤一
 チョウノスケソウの仲間 札幌市 岡田尚武
 エゾウスユキソウ(裏表紙) 千歳市 五十嵐博
 
〔小特集 バラの仲間〕
千島列島のバラ科あれこれ 札幌市 高橋英樹.......... 7-14
日本一遅いお花見処 雨竜沼湿原チシマザクラ物語
  雨竜町 佐々木純一........15-22
ウワミズザクラ、エゾノウワミズザクラ(バラ科)の北海道分布
  千歳市 五十嵐博.........23-24
バラ科バラ属の北海道分布  千歳市 五十嵐博.......... 25-28
エゾツルキンバイ、ヒロハノカワラサイコ(バラ科)の北海道分布
  千歳市 五十嵐博 ........29-30
 
〔一般記事〕
北海道産植物ノート(4)北海道のアザミ、その後
  つくば市 門田裕一........31-36
植物分類学雑記  石狩市 佐藤広行........37-45
前号(第31号)の正誤表  編集委員会.........46
ウラジオストックのアツモリソウ属 札幌市 吉中弘介........47-52
ソモソモとオンコはアイヌ語ではない 札幌市 松井洋........53-58
マルバヤハズソウ(マメ科)の北海道分布
  千歳市 五十嵐博........59-62
スミレの釧路地方分布(予報) 千歳市 五十嵐博..........59-62
最も近場の植物採集  美唄市 新田紀敏..........79-80
2013-2014年に確認した新外来植物と白い花達
  千歳市 五十嵐博.........81-84      
奥尻島にオクマワラビはあるのか  札幌市 武田千恵子........85-88
帯広百年記念館と十勝の植物標本  帯広市 持田誠........89-100
ラン科植物の菌根菌について  つくば市 谷亀高広........101-102
十勝地方北部でウチワゴケを確認  江別市 丹羽真一........103-105
 
追悼 野坂志郎先生  旭川市 堀江健二..........106
野坂志郎先生と北方山草会の回顧  札幌市 松井洋........107-108
野坂志郎先生の写真さがし  千歳市 五十嵐博.........109
 
コラム欄
 ①ヒグマのウンコは大輪のバラの花 (佐々木純一).....22
 ②表紙の植物「ハマナス」 (五十嵐博).....62
 ③イチゴの季節です (佐々木純一).....84
花語草談室
新刊紹介
第33 号の原稿募集について〈投稿規定〉 
編集後記 
 
 

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2015年3月20日 (金)

「鶴見川流域のくらし」展が良かった

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 既に終了したが、先日、神奈川県横浜市の横浜市歴史博物館で開催されていた「鶴見川流域のくらし」展を観覧してきた。昨年に横浜都市発展記念館で開催されていた「あこがれの団地」展(これも良い展示だった)を観覧した際、来年は歴史博物館で鶴見川展があると聞き、その内容も耳にしていたので絶対に行ってみたいと思っていたものだ。
 
 展示は予想どおり大変興味深かった。鶴見川の水運や流域産業に関する緻密な文書記録などの調査は、学芸員の仕事が資料を守り伝える事と共に、資料から新たな発見をする研究活動が重要なのだと再認識させるものだった。
 流域産業では、私は綱島の桃生産は知っていて兼ねてから関心はあったのだが、これを東急東横線で輸送していた事は全く知らなかった。これも文書記録が残されていて、それも小さな小さな記録で、調査の緻密さが実感でき面白かった。
 また、素麺の生産が盛んだったことは知らなかった。その背景に、谷戸の両側の緩傾斜台地を麦畑に、急傾斜地に杉植林を行い、原料の小麦から梱包資材の木箱まで一環して生産する土地利用があった事を初めて知った。今も父が住む港北区高田地区は、梱包資材の杉の供給地だったそうだが、もちろん今は全く面影は無い。
 
 
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 また、民俗の分野では市民参加の「民俗に親しむ会」が学芸員と共に鶴見川を源流から河口まで歩く調査を実施。石像や祭礼の現状について記録を行い、立派な報告書と共に、流域の全「狛犬」を撮影した「狛犬百態」なる写真集も発刊し、展示会場で「どの狛犬が好きか?」の人気投票を実施していた。
 
 信仰では、葦の筒を埋めた釜でお米を炊き、炊きあがってから筒の中にどれだけお米が入っているかによってその年を占うという、師岡熊野神社の「筒粥神事」を紹介。これは図録に掲載されていなかったが、それもそのはずで、まさに今年の1月14日の神事の模様が展示されており、占いの結果も公表されていた。
 
 
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 川をテーマに源流から河口まで、水運と民俗に着目しての緻密な文書研究と豊かなフィールドワークの成果によって築き上げられた非常に質の高い展示だったと思う。今後の自分の事業に活かしていきたい。
 
 展示は既に終了してしまったが、図録や報告書、狛犬百態の写真集は、博物館から通信販売で購入できる。3冊セット価格がおすすめ。下記を参照のこと。
 
 
 
 
 
 

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2015年3月15日 (日)

信徒発見150年

            St150315

 

四旬節第4主日。

ちなみに、あさって17日は、1865年に長崎大浦天主堂で「信徒発見」があってから150年にあたる。禁教下を「カクレキリシタン」として生き抜いて来た日本人信徒が、フランス人神父プチジャンを訪ねてきた日だ。記録によると、幕府から嫌な顔をされつつも派手な教会堂を建てた背景には、プチジャンら外国人神父らも「こうして目立つ教会堂を建てておけば、どこかから信徒がやって来るかも知れない」という期待があったからと言われる。

ほんとに出てきて、心底びっくりしたに違いないが。

下は長崎の「かくれキリシタン」を継承する人々に関する毎日新聞の記事。

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2015年3月11日 (水)

恩師の著作2点

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 最近、大学院時代の指導教官が相次いで著作を刊行。右が北大総合博物館の高橋英樹教授『千島列島の植物』。左が北大植物園の冨士田裕子教授『サロベツ湿原と稚咲内砂丘林帯湖沼群 その構造と変化』。いずれも北海道大学出版会から発行された。 http://hup.gr.jp/modules/zox/

 高橋先生は植物分類地理学、冨士田先生は植生学を主体とする植物生態学が専門で、こうしてお二人の著作を並べてみると、我が北海道大学大学院農学研究科北方資源生態学講座植物体系学分野(今は組織改編で大きく変わり、生物生態・体系学講座植物生態・体系学研究室)は、分類学と生態学をバランスよく学べる、学芸員志望者には本当に良き講座であったとあらためて感じる。

 まあ、在学中は勿論そんなに真面目に勉強していなかったのだけれども。

 

 

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