
待降節第2主日。釧路市黒金町に建つカトリック釧路教会のミサへ出る。釧路のカトリック教会も釧路教会と新川教会の統合が決まっているようだ。
聖堂の1階には、イエスが誕生した情景を再現した馬小屋の模型?が展示されていた。ミサの最後に紹介があり、今年の馬小屋には4人目の博士がいると言う。一般に待降節の頃の教会には同様の馬小屋が飾られるが、博士は3人が普通であり、4人というのは珍しい。川上神父の解説によると以下のようだ。
新約聖書には、イエスが誕生する事を占星術で知った博士が、星の導きで贈り物を持って親子を訪ねる記述がある。その博士の数は一般的には3人とされ「東方の三博士」と呼ばれている。
ここに題材をとったヘンリー・ヴァン・ダイクは「もう一人の賢者」という短編小説を著し、後年これが「4人目の賢者」の名で映画化されているのだそうだ。この映画によると、実は博士は4人いたのだと言う。1人は旅の途中で病人を手当しているうちに先の3人との集合に遅れてしまい、完全にはぐれてしまう。その後も旅の途中で困っている人を助けたりしているうちにイエスの誕生には完全に間に合わず(つまり馬小屋には彼だけ入っていない)、その後も旅先で貧しい人や病気の人を手助けし、元来はイエスに贈り物として届けるはずだった品々を全て分け与えてしまう。
やがて三十年の歳月が経ち、彼の人生が終わりを迎える頃、復活のイエスが彼の前に現れる。驚く博士にイエスは「あなたは私が空腹であった時に食べさせ、渇いていた時に飲ませ、病で倒れている時に手助けをしてくれた」と言う。「そんな記憶は無い」という彼にイエスは「あなたが手を差し伸べた最も小さい人々にした事は、すなわち私にした事なのである」という、マタイによる福音書のかの有名な箇所を話したのだそうだ。
弱っている人、困っている人に手を差し伸べている間に、イエスの誕生に立ち会えなかった4人目の博士は、最期の時に復活のイエスに出会ったという点が面白い。そしてマタイによる福音書の記述が見事に描かれた映画という事で、今年の馬小屋には4人目の博士が加えられたとの事である。
ミサ後あらためて馬小屋の模型を見ると、確かに馬小屋の外に4人目の博士がいる。私も「博士」の端くれだが、この話は初めて聞いた。興味深く、馬小屋も良く出来ていて、教会員の皆さんと和やかに眺めさせて頂いた楽しいひとときであった。
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