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2014年11月27日 (木)

フードバレーは所得格差を意識しろ

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 寒くなってきたので、ホウレンソウもお浸しにするより味噌汁にする頻度が高くなってきた。かねてから、最初にホウレンソウを食べた人は、よくこんなただの葉にしか見えないアカザ科を食べようと思ったなあと感心している。ビートもアカザ科だが、同じように葉は食えるのだろうか?
 
 さて、一例として今朝の味噌汁を細かく見てみると、ホウレンソウは幕別産、長ネギは芽室産で、油揚げも町村名不明だが十勝産である。味噌(カネサ)と出汁(ほんだし:味の素)は大手メーカー(カネサ)のものなので原料供給地は不明。具材は生協(コープさっぽろ)と、ひまわり温泉で直売されている近隣農家産のものである。あと水はもちろん十勝産である。
 
 こう考えると、味噌汁というものは余り気を遣わなくてもほぼ十勝産の食材で完成させる事ができる、フードバレーの原点のような料理なんだな。米のとれない十勝では、もっと味噌汁に着目する必要があるのかもしれない。博物館でも味噌汁をキーワードにした展示や事業ができるかもしれない(ちなみに今おにぎりをテーマにした展示が本州で開催されている)。
 
 ところで、今回は使っていないが、味噌も十勝産大豆の味噌が販売されている。出汁は厳しいなと一瞬思ったが、これも広尾産昆布を使えば良いのかも知れない。だが私はやらない。なぜなら価格が高いからである。
 
 フードバレーを始め、国産農産品普及や地産地消の運動は正しいと思うし推進したいと思うが、一方で必ず出てくる障壁が価格の問題である。農業にはコストがかかるし、それを価格に転嫁するのは私は正しいと思う。昨今の牛乳不足の問題も、乳価の決定が大手スーパーに事実上握られている事が原因で、もっと生産者や乳業メーカーの意向が反映されるべきだと思う。
 
 だが、である。実は私自身がここでいつも迷うのだが、国民の半数が非正規雇用などと言われる時代にあって、果たしてこういう説明が世の中に通用するかと言うと、恐らくしないだろう。
 
 TPPなどでさまざまな輸入品が入ってくる事で価格差が出た場合、「選択の幅が広がるのだから良い」などと主張しているのは明らかに富裕層の発言であり、非正規雇用など低所得者には「選択の幅」などというものは存在しない。ただ安いものしか買えないだけである。
 
 低所得者に選択の余地は無い。だってお金無いんだから、買えるものしか買えない。この事を出発点に考えると、大多数の人々が「安くなるのならば国産にこだわる必要などない」と主張するのも当然ではないだろうか?
 
 つまるところ、フードバレーもTPPも、所得格差の問題を抜きにして考えられない問題なのである。私は非正規雇用の問題が解決に向かわない限り、フードバレーだとTPP反対だのと主張しても、それだけでは支持は広がらないのではないかと思う。そして、仮にこの問題を置き去りにして国内農業の保護を進めたとすると、都市部の低所得者層と地方の農業者との間の溝はさらに拡大し、将来に大きな禍根を残すのではないかと思っている。
 
 ちなみに今回の味噌汁の具材は全て十勝産だが、生協で安く販売されていたもので、別段高値で販売されているものではない。低所得者にも安心な価格で国産農産品を購入できるのは、生産地直結である十勝の大きな魅力だなと思う。
 
 だが、米沢市長のフードバレーは、もっと大局的・多角的な見地に立って政策展開をするべきだと思っている。
 
 

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コメント

「よくこんなただの葉にしか見えないアカザ科を食べようと思った」とお書きになられていますが、植物分類学に造詣の深い方からの視点で興味深いものと感じられました。
http://www.hokunoukai.com/hokuno/file/81-2.pdf
北海道野菜史話ホウレンソウ
によると在来種もあったようです。

投稿: 通りすがり | 2014年11月29日 (土) 11時06分

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