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2014年11月

2014年11月30日 (日)

待降節第一主日

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 待降節第一主日。帯広教会のミサへ出席した。
 
 ミサ後、教会では道東地区の現勢や将来について説明があったらしい。我が国におけるキリスト教の教勢は厳しい状況にあり、特に道東では信徒数の減少が著しい。また、司祭職への志願者が少なく、近い将来、道東での現在の司祭数は確保できる見通しは無く、そのために教会の統合なども検討する必要があるらしい。
 
 帯広には2ヶ所のカトリック教会があり、十勝では他に池田と本別にも教会がある。司祭が常駐しているのは帯広の2教会で、池田や本別には帯広から定期的に巡回されているが、この体制の維持が厳しくなってきているようだ。キリスト教に限らず信仰とか宗教というものが厳しい時代、司祭の不足による弊害がいよいよ本格的に目に見えてきているようである。そこで見直されてきているのが信徒による働きだが、信徒そのものが高齢化・減少の現状では、なかなか難しい面があるのだろう。
 
 明治時代に播かれた信仰の種が大きく生長し実りの時代を経て、いまは衰退の時代に入ったのか?プロテスタントではあるが、酪農学園の卒業生の中には、農村へ戻りキリスト者として生きている方が多数存在する。北海道の開拓時代の原動力には、キリスト教信仰の力が少なからず大きな力になってきたはずで、その情熱は必ず今に生き続けているはずである。いまいちど北海道に生きるキリスト者としての信仰の力を思い起こし、結束してその灯を絶やさないようにしていくにはどうしたら良いのか。
 
 むろん、不良信徒としての自分の情けなさを棚に上げての一方的な想いではあるが・・・
 
 

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2014年11月27日 (木)

フードバレーは所得格差を意識しろ

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 寒くなってきたので、ホウレンソウもお浸しにするより味噌汁にする頻度が高くなってきた。かねてから、最初にホウレンソウを食べた人は、よくこんなただの葉にしか見えないアカザ科を食べようと思ったなあと感心している。ビートもアカザ科だが、同じように葉は食えるのだろうか?
 
 さて、一例として今朝の味噌汁を細かく見てみると、ホウレンソウは幕別産、長ネギは芽室産で、油揚げも町村名不明だが十勝産である。味噌(カネサ)と出汁(ほんだし:味の素)は大手メーカー(カネサ)のものなので原料供給地は不明。具材は生協(コープさっぽろ)と、ひまわり温泉で直売されている近隣農家産のものである。あと水はもちろん十勝産である。
 
 こう考えると、味噌汁というものは余り気を遣わなくてもほぼ十勝産の食材で完成させる事ができる、フードバレーの原点のような料理なんだな。米のとれない十勝では、もっと味噌汁に着目する必要があるのかもしれない。博物館でも味噌汁をキーワードにした展示や事業ができるかもしれない(ちなみに今おにぎりをテーマにした展示が本州で開催されている)。
 
 ところで、今回は使っていないが、味噌も十勝産大豆の味噌が販売されている。出汁は厳しいなと一瞬思ったが、これも広尾産昆布を使えば良いのかも知れない。だが私はやらない。なぜなら価格が高いからである。
 
 フードバレーを始め、国産農産品普及や地産地消の運動は正しいと思うし推進したいと思うが、一方で必ず出てくる障壁が価格の問題である。農業にはコストがかかるし、それを価格に転嫁するのは私は正しいと思う。昨今の牛乳不足の問題も、乳価の決定が大手スーパーに事実上握られている事が原因で、もっと生産者や乳業メーカーの意向が反映されるべきだと思う。
 
 だが、である。実は私自身がここでいつも迷うのだが、国民の半数が非正規雇用などと言われる時代にあって、果たしてこういう説明が世の中に通用するかと言うと、恐らくしないだろう。
 
 TPPなどでさまざまな輸入品が入ってくる事で価格差が出た場合、「選択の幅が広がるのだから良い」などと主張しているのは明らかに富裕層の発言であり、非正規雇用など低所得者には「選択の幅」などというものは存在しない。ただ安いものしか買えないだけである。
 
 低所得者に選択の余地は無い。だってお金無いんだから、買えるものしか買えない。この事を出発点に考えると、大多数の人々が「安くなるのならば国産にこだわる必要などない」と主張するのも当然ではないだろうか?
 
 つまるところ、フードバレーもTPPも、所得格差の問題を抜きにして考えられない問題なのである。私は非正規雇用の問題が解決に向かわない限り、フードバレーだとTPP反対だのと主張しても、それだけでは支持は広がらないのではないかと思う。そして、仮にこの問題を置き去りにして国内農業の保護を進めたとすると、都市部の低所得者層と地方の農業者との間の溝はさらに拡大し、将来に大きな禍根を残すのではないかと思っている。
 
 ちなみに今回の味噌汁の具材は全て十勝産だが、生協で安く販売されていたもので、別段高値で販売されているものではない。低所得者にも安心な価格で国産農産品を購入できるのは、生産地直結である十勝の大きな魅力だなと思う。
 
 だが、米沢市長のフードバレーは、もっと大局的・多角的な見地に立って政策展開をするべきだと思っている。
 
 

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2014年11月23日 (日)

典礼暦最終主日

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 カトリック、聖公会、ルーテル教会は、クリスマス前の待降節(降臨節)から始まり、待降節前の主日で一年が終わる「典礼暦」(教会暦)に従って主日礼拝(ミサ)を守る。待降節はクリスマスの4週前の日曜日から始まり、5週前に当たる今日は典礼暦で言う最終主日、すなわち一年の終わりにあたる。聖公会やルーテル以外のプロテスタント教会では必ずしも典礼暦を用いない教派もあるが、待降節(アドベント)は守る教会が多い。
 
 音更町の帰り、ちょうど夕礼拝の時間直前に福音ルーテル帯広教会の近くを通りがかったので、せっかくなので礼拝へ出席させてもらった。ここの加納牧師さんには、以前に浦幌町立博物館へ収蔵されている植物標本の件でお世話になり、共著で紀要に報告を書かせて頂いた事がある。最近は十勝の豆を愛するあまり、ご自分で十勝豆による味噌づくりをされているらしい。相変わらず積極的で楽しい牧師さんだ。
 
 今日の礼拝では、マタイによる福音書の25章31節からを読む。「この小さき者にした事は、私にした事なのだ」とイエスが語る有名な箇所である。
 
 小さき者は必ずしも弱い者ではない。トマトを栽培している加納牧師によると、よく実るトマトほど果実の重みが増すので支柱が必要。弱いから立っていられないのでは無く、精一杯生きようとする力強さを支えるための支柱だと言う。支えを必要としている者に手をさしのべる事が、小さき者を通して神の働きを伝える事になるのだろう。
 
 一方で自分を何か大きな者、強い者と錯覚し、道に迷う事も人には多い。そうした奢り・錯覚に自分は陥っていないと言えるだろうか?聖書の言う小さき者とは何か?を考える事から、自分の生活姿勢をみつめなおす事を促されている気がしてならない。
 
 典礼暦最終主日にあたり、有意義な信仰の時間を得たと思う。久しく満足に教会へ足を運べていない自分に対する、これも神の働きかけなのだろうか?新たな気持ちで待降節から始まる一年を踏み出したいものである。
 
 

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2014年11月20日 (木)

上厚内の峠を行く

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 上厚内を通過して厚内トンネルを通り、常豊信号場へと下っていく札幌行き特急スーパーおおぞら6号。
 
 

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 常豊信号場で6号と交換し、厚内越えに挑む釧路行き特急スーパーおおぞら3号。明治時代、十勝・釧路国境の白糠丘陵を越える為に、谷間沢沿いのこのルートを見つけた測量技師たちの眼力には、本当に感服する。
 
 浦幌町立博物館へ寄贈標本の打ち合わせに行った際、この光景が見たくて寄り道して林道へ。風が冷たい。
 
 
 
 

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2014年11月18日 (火)

道東の鉄道貨物はどうなる?

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 12日に帯広市内において「釧路港ポートセミナー」が開催された。帯広市役所の研修案内で回覧されてきたもので、私は滅多に市役所の研修に参加しないのだが、釧路港は十勝の物流と大きく関わってきた歴史があり、現状を知ろうと出席してきた。
 
 釧路市の副市長さんの挨拶に続いて4名の演者からそれぞれとても興味深い報告があり勉強になった。釧路港、それに内航海運の現状と、荷主である企業の人達が何を考えているかがよく理解できたと思う。
 
 このセミナーへ参加した動機のひとつは、モーダルシフトはどうなっているか?という事にあった。結果としてモーダルシフトは進んでいるように見える。が、それはトラックから鉄道へではなくフェリーや貨物船にである。釧路港の将来に鉄道がどう関わっていくかに関心があったのだが、どうもそうした空気には無さそうだ。
 
 
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 釧路貨物駅(新富士駅)へ到着する2093列車。現在、根室本線最東端の貨物駅である。昨今、トラックドライバーの不足で根室のサンマ輸送に支障をきたしているとの報道があり、鉄道貨物輸送の出番ではないかという報道があった。私もそう思って、今後の推移を見守っているのだが、どうも肝心の経済界にはそんな機運が無い。
 
 今回のセミナーでも言及されているのだが、青函トンネルの将来に荷主さんは皆不安を抱いているのである。もちろん北海道新幹線の影響である。
 
 新幹線が開業すると、貨物列車の通行時間帯などが制限される可能性がある。折しも、北海道庁はJRに対して、貨物列車とのすれ違いによる影響を防ぐ為の新幹線の減速幅を早期に無くし、全ての列車の高速走行を求める要望を出した。旅客輸送の面からは確かにそうした要望があり、今後遅かれ早かれ実際にそうなっていくのは間違い無いだろう。
 
 そうなると、ますます貨物列車の走行時間帯が問題になる。荷主に都合の良い時間帯に貨物列車が運行できるだろうか?また、待避時間などが長くならないだろうか?定時性・速達性がきちんと確保できるだろうか?その不安が非常に大きいのだと思う。
 
 
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 今回のセミナーを聞いてなるほどなあと思ったのは、道東と東京を結ぶ船便の到達時間が早く、しかも安定している事である。例えば、釧路港を18時に出た船は茨城県の日立港に翌日14時に着く。所要20時間である。ここから陸路をトラックで東京の築地市場へ運ぶのに1.7時間。船からトラックへの積み替えに1時間の間を置くとして、総輸送時間は22.7時間なのである(釧路港ポートセミナー配付資料による)。
 
 「そんなに早くないじゃん」と思うなかれ。これは立派に早い。鉄道の場合、貨物列車がノンストップで道東から東京まで走る事は無く、根室本線だけでも旅客列車との行き違いや追い抜き待避などでかなり停車するし、天候や人身事故などの影響でそれらの待避時間はさらに延びる事もある。写真の2093列車はこの日、1分の遅れも無く定時で到着していたが、そうならない事も多い。むしろ昨今の鉄道貨物輸送は、長距離になればなるほど、到達時分が見えない不安があるのではないだろうか?
 
 これに対して、船は基本的に直行便である。かつて青函連絡船は天候による欠航が不安要素とされ青函トンネルが待望されていたが、今の時代、大型フェリーは予想以上に悪天候に強く、滅多に欠航しない。しかも到達時分が安定している。しかも便数も多いし一度に輸送できる量はダントツに大きい。こうなっては、長距離を鉄道貨物に依存する荷主が船に流れるのも当然である。
 
 
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 トラックから鉄道へのモーダルシフトなんて素人考えなのかなあと痛感できただけでもセミナーへ出席した意義はあったのだが、しかしでは可能性は全く無いのか。後から考えたのだが、例えば先述の輸送計画の場合、フェリーの到着する日立港から東京の築地までのルートをトラックから鉄道貨物へ移す事は現実的だろう。特に都心部の大型自動車の通行を減らしたり、渋滞を回避するという意義は大きい。
 
 同様に首都圏など本州の都心部と周辺の拠点港湾を鉄道貨物で結ぶ役割というのは、今後本格的に期待されていくのではないかと思う。では北海道は?北海道の鉄道貨物に未来は無いのだろうか?
 
 これも素人考えだが、フェリーや貨物船との直結、すなわち内陸から港湾へ、あるいはその逆を鉄道で輸送する可能性をもっと検討できないかと思う。
 
 ただし、現状ではこれもトラックに期待する荷主さんが多く、特に今回かなり期待度が高かったのが道東自動車道の白糠延伸開業が目前という事であった。既に、かつて苫小牧港へ流れていた十勝からの貨物が、今年から徐々に釧路港へ向かう流れが起きていると言う。しかも、今回の本別〜白糠・釧路方面への延伸は、新直轄方式により通行量無料との事で、かなりのトラックが国道38号線経由から道東自動車道へ流れると思われる。
 
 
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 思うに、専用線の見直しもひとつの可能性だと思う。写真は釧路コールマインの石炭列車。このように、生産現場に直接線路を引き込み、港湾へ直行・大量・ピストン輸送する方式は、従来から鉄道ではよく見られたものである。しかし、貨物駅の大量整理で、駅から生産現場への引き込み線(専用線)自体がかなり少なくなった。だが、元来ここにこそ鉄道貨物輸送の利点があるのではないか?石炭ほどではないにしろ、間にトラックへの荷の積み替えが発生する手間を省き、生産現場から拠点港への(あるいはその逆)への直行輸送ができる貨物がもっと無いだろうか?
 
 北海道新幹線の開業に道東自動車道の白糠さらには釧路への延伸で、貨物列車はいよいよ正念場を迎えつつある。悲観的になるばかりではなく、新たな可能性を精力的に模索していって欲しい。 
 
 

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2014年11月 7日 (金)

非正規雇用議連発足。帯広市議もみならえ

神奈川新聞(カナロコ)2014年11月7日サイトから

リンク http://www.kanaloco.jp/article/80050/cms_id/110354

 

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 国会では、非正規雇用労働者の待遇改善を目的とする議員連盟が超党派で発足。6日に設立総会が開催された。上は神奈川新聞2014年11月7日に掲載の記事を同社のカナロコから転載。このほか社民党の福島瑞穂さんが設立趣意書を公開されているので、以下に掲載する。

 折しも労働者派遣法の大改悪に向けて国会で議論が始まっている。帯広市議会は市長が民主党母体の割には労働問題の議論がほとんど見られない。市労連の組織議員も日頃市議会で何をしているのか伝わってこない。もちろんTPPの直撃を受ける農業地帯なので、農業に関する議論が中心になるのは当然なのだが、国会議員をみならって市議も非正規雇用問題にももっと目を向け勉強して欲しい。

 

 

「非正規雇用労働者の待遇改善と

  希望の持てる生活を考える議員連盟」設立趣意書

 我が国では、今や雇用全体に占める非正規雇用の割合が40%近くにまで拡大し、とりわけ非自発的な「不本意非正社員」の増加と生活苦に喘ぐ「ワーキングプア層」の拡大が社会的な問題になっている。

 パート労働や派遣労働などの雇用形態が、労働者側の多様な価値観や働き方のニーズに選択肢を与え、正社員として働けない労働者にも社会参加の機会と収入を得る手段を提供している一方で、現状、非正規雇用労働者の多くは、低賃金かつ不安定な雇用環境の中で、社会保険や各種手当だけでなく、職業訓練や昇進・昇格の機会などからも排除され、その職責や頑張りに相応しい待遇や将来への安心を得ているとは言い難い。

 その結果として、いわゆるワーキングプア層の増加と社会格差の拡大が進行し、可処分所得の低下と将来不安の増大と相まって、国内需要や税収の低迷、不況の長期化と地方経済の疲弊化、閉塞感の蔓延と社会の活力の低下、少子化の進展と社会保障制度の不安定化、そして何より、日本社会の未来を担う貴重な人的資源の損失につながっている。

 言うまでもなく、労働(働くこと)とは、単に生活の糧を得る手段としてだけでなく、国民一人一人が、個々人としての幸福追求や生き甲斐を得、家族や他者、地域社会とのつながり、さらには将来の安心と安全を確保する上で最も重要な役割を担っている。それは同時に、国民に『ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事  希望ある生活を確保するまっとうな雇用)』を提供していくことこそが、我が国の経済・社会を安定的かつ持続可能な形で成長させていくために必要であることを意味している。

 私たちは、以上の問題認識に基づき、国政を担う者の当然の責任として、「声を上げられない」「声を上げる手段を持たない」立場にある非正規雇用労働者に寄り添いながら、我が国における非正規雇用のあり方を抜本的に見直し、将来に希望のもてる生活が確保できる雇用を創り出していくことをめざし、ここに、超党派の有志国会議員による「非正規雇用労働者の待遇改善と希望の持てる生活を考える議員連盟(略称:非正規雇用議連)」を結成する。

201410月吉日  呼びかけ人一同

 

 

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2014年11月 5日 (水)

寄贈資料の振り分けを判断する

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 先日、地域の方から写真や本の寄贈申し出があり、ご自宅へうかがった。その際、書棚に雪印乳業技術研究会発行の図書がいくつか含まれていた。中には、雪印乳業が戦時中の企業統制で北海道興農公社と名乗っていた時代の印が押されているものもある。

 

 

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 一般流通をあまりしていない専門書であり、かつ雪印乳業技術研究会の歴史を示す資料でもある事から、当館よりも雪印や乳業史を扱う機関での所蔵が望ましい。提供者にも扱いは任せてもらったので、OPACやCiNiiBooksで蔵書状況を確認の上で、酪農学園大学附属図書館と帯広畜産大学附属図書館へ打診したところ、受け入れOKをもらった。

 

 そこで本日、酪農学園大学附属図書館へ半数を発送した。ちょうど酪農学園に上巻しか所蔵の無かった図書の下巻があり、これで完本になったはずだ。酪農学園大学附属図書館は昔アルバイトでお世話になっていた図書館なので、少しお役に立てて嬉しい。

 

 

資料の命運を決める学芸員のセンス

 ところで、このように寄贈の申し出を受けた際、その資料の扱いをどうするか?この判断をどう下すかというところに、学芸員の力量やセンスが現れるのではないかと思う。実際のところ、自らの勤務館では引き受けられない資料が含まれているケースは多い。こうした際に単純に断るか、扱いを任せてもらうという約束を取り付けた上で、一時的に受け入れ、その後の受け入れ可能館を探すかで、その資料の行く末は決まる。この決断は瞬時に行わなければならないケースも多く、また一時的に受け入れた際にも、次の寄贈場所を早く決めないと所蔵場所の物理的制約が大きくなる。

 

 こうしたとき、いかにその学芸員が自身の勤務館についてだけでなく、周辺の、さらには全国の博物館や関連施設についての知識を持っているか?また実際につながりがあるか?などが大きな力になる。例えば今回の場合、酪農学園大学は雪印乳業の系列の大学であり、関連資料を所蔵している大学だからこそ図書の寄贈打診先に入っている訳だが、そうした知識を経験と共に日々吸収しているのが学芸員な訳である。そしてこれは、学芸員が博物館の専門職だから磨かれるセンスであり、単純に本庁の事務官が異動してきて3年かそこら勤務して磨けるものではない。

 

 そうした目に見えづらい専門性が存在する事を理解しようとしない人事政策は、無能のきわみである。帯広市役所も教育委員会も

、こうした専門性を存分に発揮できるような人事制度について、もっと研究を進めるべきだが、現実はまったく不勉強この上ない。
 
 この専門職の発想は、昨今よく提唱されるようになってきたジョブ型正社員の発想と同じであり、地方公務員もジョブ型正社員の発想をもっと採り入れるべきなのだが。
 
 

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