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2014年8月18日 (月)

自由研究の思い出

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 古今書院の月刊『地理』8月号。特集は「地域調査士」。我が十勝地方からは上士幌町の博物館「ひがし大雪自然館」の乙幡康之学芸員が「博物館における地域調査とその魅力」と題して、興味深い報文を寄せている。
 
 地域調査と言えば自由研究という思いが私の頭にある。そして私自身の経験で思い出す事がある。
 
 私が中学2年生の社会科の自由研究で、近くの県道の交通量調査をした。トラックが何台、自転車が何台・・・と「正」の字で1時間ごとに記録していくヤツである。

 提出した後の講評で、母校である横浜市立新田中学校の長谷川先生という地理の先生が、私の研究を授業でとりあげてくれた。
 
「視点はとても良い。身近な場所で、自分できちんとデータを採って集計している。ただ、これだけでは<調査>であって<研究>ではない。なぜこの場所、この時間にトラックが多いのか?などという、この結果が得られた背景について、自分なりの考えを示すところまでやって初めて研究になる。惜しい」
 
 当時、私には<調査>と<研究>の違いがわかっておらず衝撃的だったのだが、今ならもちろんわかる!そして、今そのデータさえ残っていれば、横浜へ帰った時に四半世紀ぶりに同じデータをとって比較し、今度こそれっきとした交通地理学の研究としてまとめられるのに…と毎年この時期思い出しては苦い思いをしているのである。それにしても長谷川先生の地理の授業は面白かったなあ。

 で、何が言いたいかというと、けっこう自由研究ってバカにならず、いろんな生データがとられては忘れられているのだろうなあと思う事だ(大学の卒論も同じだが)。各学校の自由研究をまとめたような報告書とか無いのかなあと思う。
 
 そして、地域調査士とはまさに「調査」を「研究」にしていく仕事なのだろうなあと思う事だ。地域調査士の方が指導力を発揮して、我々学芸員や司書さん達もこれに加わって、自由研究や卒業論文の力を引き出せば、魅力的な地域研究がどんどん厚みを増していくのではないか。今月の『地理』を読んでそんな夢を抱いた。
 
 

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