« とてっぽ通りの車輌に一日だけ入れます | トップページ | 道東3管内博物館協議会研修にて »

2013年10月22日 (火)

帯広市指定文化財の活用

20132

 
 10月20日の「近代化遺産の日」行事として、全国近代化遺産活用連絡協議会主催の「近代化遺産全国一斉公開2013」の企画事業として実施した十勝鉄道保存車輌の特別公開。おかげさまで10〜15時の公開時間中、寒空の下であるにも関わらず、256名もの方に御来場を頂いた。当時を知る人から近所の子供達まで、幅広い層が関心を持って集まって頂き、十勝鉄道に関するいろいろな証言も得る事ができた。
 
 昨日、近所の喫茶店へ行ったら「うちの子も見に行ったんですよ。楽しかったみたい」と店の方から声をかけられた。こうした反応があるのが最も嬉しい。
 
 
20133
 
 日頃は機関室の窓も塞がれている状態の4号機関車。この日は立ち入りはコハ23のみだったが、機関車の機関室も外から見えるようにした。機関室の窓が開いた状態、また機関室の天窓も跳ね上げた状態での写真が撮れるようにした。
 
 今回の公開では、帯広市教育委員会文化課との合同で実施した。指定文化財をこのような形で公開するのは恐らく帯広市としては初めての試みである。開催の意義は大きいと自分では考えているが、今回の開催を通じ、その方法については今後いろいろと検討しなければならない面もある事を知った。
 
 今後最大の課題は、今回を受けて来年度以降をどうするか、そして他の文化財の活用をどうするか。役所的には百年記念館と教育委員会文化課との連携の手続きをどうとっていくかという課題も残った。指定文化財の所管はあくまでも文化課で、百年記念館が事業を立案・計画していくにあたって、どう手続きを進めていくか?という点である。実は十勝鉄道の車輌を事業として活用するにあたって、どう文化課へ申し入れ、手続きをとっていくかが、前から結構曖昧だったのだ。この手続き方法を今後はもう少しスッキリとした形に定式化していけば、さまざまな文化財をより有効に活用できるのではないかと思う。
 
 また近代化遺産や産業遺産という視点を帯広市にどう認識させるかという面も課題であると考えている。従来、これらの車輌は、車輌としての側面よりも「十勝鉄道」という存在そのものについて後世へ伝えるという側面が強かった。したがって、例えば4号とコハ23そのものについての解説パネルなどは存在しなかった。本展では1輛ごとに用意したが、これらの恒久的な解説パネルの設置が望まれる。
 
 今後の車輌の補修の問題もある。塗装やコハ23の床板など、大がかりな予算が必要なものもある事から、助成金の活用などを検討する必要もある。百年記念館としては、近代化遺産・産業遺産としての側面からの学術調査と論文の執筆、その結果にもとづく事業の開催を通じて、教育委員会へその成果を蓄積していく事が役割だと考えている。
 
 他方、教育委員会の事務局にそうした認識を強く持ってもらう事、そして本当ならば事務局にも文化財に精通した職員が配置される事が望ましい。指定文化財に限らず、近代化遺産・産業遺産をどう保存し、活用していくかのビジョンを教育委員会として持っている事が重要である。そのためには、ただの事務屋では限界があり、専門性を持った判断が必要である。その専門性は学芸員が補うとしても、行政官にも勉強が必要ではないか。今後、たとえば学芸員と文化課との合同の勉強会を開催するとか、文化財関係の学会に行政官も研修に行くなどの措置がはかられて良いが、もっとも必要な事は、文化財に関心のある職員を配置する事で、これが一番難しいんだろうなと思う。
 
 

|

« とてっぽ通りの車輌に一日だけ入れます | トップページ | 道東3管内博物館協議会研修にて »

博物館」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/572033/58430697

この記事へのトラックバック一覧です: 帯広市指定文化財の活用:

« とてっぽ通りの車輌に一日だけ入れます | トップページ | 道東3管内博物館協議会研修にて »