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2013年7月 1日 (月)

地方でのパラタクソノミスト養成講座の課題

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 士別市立博物館でパラタクソノミスト養成講座を開催した。今年で2年目の3回目。初級講座で、植物採集、同定、標本作製を2日間で実習する。
 
 野外採集には博物館裏のグリーンスポーツと呼ばれる森を活用。ツクバネソウが咲いていた。
 
 帯広へ来てからパラタクも数回開催したが、北大総合博物館で開催するのとは異なる、地方館で開催する場合の課題がいろいろと見えてきたように思う。まずは備品。 なにせ、双眼実体顕微鏡はもちろん、ピンセットやルーペ、さらには『新北海道の花』『絵解き検索表』などの図鑑だって、人数分揃っていないのだ。むしろ人材よりも備品をどう揃えるか?が課題な気がする。
 
 
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 こちらはサイハイラン。『新北海道の花』でまず名前を調べてみる。そして、その植物が何科か?を意識する。少し種類が絞れたと思ったら、分類別の図鑑で確認。検索表にも触れてみる・・・というような内容。
 
 とりあえず私は自分の獲得した研究費から『新北海道の花』や検索表の図鑑などは冊数を揃えた。だが、これはあくまでも私が取得したものなので、将来的には私と共に帯広を出て行く。置いていきたい気持ちもあるが、今後も私自身が講座を続けていく為に必要なものだから無理。という事は、帯広市自身が少しずつでも備品を購入していくように、これらとは別な予算を獲得していかなければならない。
 
 
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 博物館の駐車場で採集品を整理し、新聞紙に挟んでいるところ。乾燥標本の作り方と共に、双眼実体顕微鏡を用いて検索表による同定も体験。ただし、こちらは乾燥すると初心者には扱いづらいから、生のものを使って練習。
 
 
 さて、備品の話は帯広以外の地方館も同じ。私が持参したもので講座は開催できても、その成果を日頃の活動で発揮するには道具が必要。それを揃えるには予算が必要・・・ってなる。
 
 全てを北大から運んでくるのは大変だし、日程的に重複する場合もあり得る。やはり講師の派遣旅費だけでなく、将来的に地方館が自立して講座を開催できるよう、教材用の備品を揃える予算を確保していく事が大事だと思う。そのための助成金探しがパラタクソノミストネットワークの課題だなあ。
 
 それともうひとつは、「パラタクソノミスト」の養成講座で良いかどうか?実は、パラタクソノミスト以前の講座がもっと必要なのではないか?という気がする。例えば単純な野外観察会や、植物図鑑の読み方講座、学名や分類の仕組みなどの講義など。
 
 かつては当たり前だったこの種の講座。講師の担い手が高齢化してきたためか、実は最近あまりきちんと開催されていない場合が多いようだ。昔は学校の先生などの研究家が地方にもいたが、最近はそうした姿に触れる機会が少ないからだろう。
 
 限られた時間で、もっと内容を絞った簡単な講座を、数を増やして開催し、それが何回か蓄積されたら「パラタクソノミスト」へ発展する流れが必要かもしれない。
 
 

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