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2013年7月18日 (木)

国道38号線で路面間隙雑草調査

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 十勝へ来て以来、なんとなく日頃から気にしていた路面間隙雑草について、きちんとした植生調査データをとりたいと考えていた。宇都宮大学の須藤さん達が、国道4号線を東京から青森まで20kmおきに雑草調査した論文があり、この論文を読んで以来、いつか同じ研究をやってみたいと思っていたのである。
 今回、国道38号線を対象に、雑草調査を実施。2日間かけて、帯広市中心部を除く十勝管内(狩勝峠〜厚内)と、釧路管内(音別〜釧路)までを調査してみた。いつでも行ける帯広市中心部は、出勤前の早朝、車の少ない時間帯にあらためて調査する事にした。さて、スタートは芽室町から。
 
 
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 調査の対象としたのは、須藤論文と同じく、自動車道と路肩の歩道縁石の隙間に細く長く続く路面間隙に生える雑草。このちょっと隙間に生育する植物を、「路面間隙雑草」と呼んでいる。写真のようなノゲシやオオアレチノギクなど、意外に大きいものも生えており、反対にきわめて小さいものもある。
 
 
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 小さい方の代表格はこれ。トキンソウ。コニシキソウなどに埋もれるように、小さく小さく生育しているが、立派に花を咲かせている。
 
 
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 トウダイグサ科のコニシキソウ。緑ヶ丘公園でも一部で見るが、今回の調査ではあまり出てこなかった。
 
 
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 畑の雑草でお馴染みのスベリヒユも、路面間隙によく現れる。朝しか花が咲かない植物なので、花を見るとつい写真を撮ってしまうが、採集して標本にするのは意外に難しい。
 
 
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 ひどい名前のつけられ方だなあと同情に堪えないハキダメギク。市街地には出現するが、他の環境ではあまり出なかった。
 
 
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 今が盛りのスカシタゴボウ。キレハイヌガラシが出る場所もあり、一見よく似ているので注意が必要なアブラナ科雑草。
 
 
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 これは38号線ではなく、清水町内の274号線にあったシバツメクサ。恥ずかしながら現地では名前がわからず、帰ってきてからネットで調べて同定した。今回、初めて知った雑草のひとつ。
 
 
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 狩勝峠山頂。美しい夏の十勝が見渡せる峠のてっぺんで休息し、もちろん雑草を記録してから折り返す。
 
 
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 狩勝峠の山頂部は、何か変わったものが出るかもと思ったが、意外にそんな事は無かった。ただ、種組成が貧弱になり、オオバコの被度が高くなった。
 
 
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 ウスベニツメクサに混じり、幽霊のように白い体をしたヒメチチコグサが立つ。これも立派に花を咲かせている。
 
 
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 よく見るシロザに混じり、ときどき出てくるのがウラジロアカザ。海岸付近の雑草として知られるが、日勝峠第一展望台でもたくさん出現したのが意外。
 
 
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 翌日は釧路方面。上厚内山中の路面間隙の様子。歩道が無く、道路の隙間を直接調べる。
 
 
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 音別町尺別原野。いまは釧路市音別だ。このあたりから海岸要素の雑草が混ざるようになる。山地の路面には特に山っぽいものは出なかったが、海岸沿いは海っぽい草が見られるのが特徴的。
 
 
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 コシカギクに混ざり、すっと直立するオクミチヤナギ。最初、ハイミチヤナギの変なヤツかと思ったが、持ち帰った標本を同定すると、托葉や種子の形態からオクミチヤナギと判明。以後、釧路まで点々と出てくるようになる。
 
 
2526d
 
 下見のときは鉄道ファンらしいキタキツネに出会った白糠町刺牛。今回、キツネはいなかったので、1人で上り普通列車2526Dを見送る。ちょっと遅れている様子。
 
 
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 いきなり出た、オハツキガラシ。名前は知っていたが、はっきり認識したのは初めてかもしれない。帯広ではあんまり見ないのだが、ここから釧路方面はやたらこの植物が路面に生えており、種組成の優占関係を変化させた。
 
 
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 白糠町恋問の路面間隙。ここはオオバコがエゾオオバコに、ツメクサがエゾハマツメクサに入れ替わった。なんだか海岸の砂礫地を歩いているようだ。ちなみにエゾハマツメクサも、標本を持ち帰って細かく同定したら判明したもの。やはり現地同定だけに頼るのは危険で、標本を持ち帰ってきちんと同定作業する事の大切さを実感した。
 
 
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 釧路市街の星が浦。量販店や生協などが並ぶ街中で、雑草もわんさか生えるが、大型のシバムギやヒロハウシノケグサなどのイネ科雑草とスギナがもそっと生え、足下にオハツキガラシの葉が点々と茂っているのが特徴的だった。
 
 
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 釧路市幣舞橋。この先のロータリーが38号線の終点。
 
 
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 橋の上の路面間隙。この先のロータリーが終点なのだが、最初勘違いして橋の上が終点なのかと思って調査した。やはりエゾオオバコやエゾハマツメクサなど、海岸性の植物が混じる。
 
 
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 十勝から釧路方面はひとまず終了。日を改めて、狩勝峠の反対側、富良野を経て滝川までを調べる予定。いまから楽しみです。ただ、時間がとれるかなあ。
 
 

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