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2013年6月 7日 (金)

浦幌、豊頃、池田を調べて回る

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 今日は休み。先日、豊頃町の教育委員会からトヨコロスミレに関する問い合わせがあり、ちょうど開花している頃なので海岸へ行く。シロスミレViola patrinii DC. ex Ging.の純白品種なのだが、品種学名にtoyokoroensisと豊頃の名が入っている。ちなみに、ウラホロイチゲの学名はAnemone amurensis (Korsh.) Kom.で、学名には浦幌がはいっていない。
 
 町の名が学名になっている。そうした意味で、たとえ品種と言えども豊頃町教委が町の花として認識しておく事には意義があるだろうと思い、生花と標本を届けると約束していた。
 
 
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 来てみると海岸は濃い霧に包まれていた。午後にも立ち寄ったが、この日は一日中、霧だったみたいである。帯広や浦幌市街は暑かったのだが、海岸は霧のせいか、意外に寒い。
 
 
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 スゲの季節かと期待して来たのだが、まだ少し早かった。同定に良い季節を迎えていたスゲはコウボウムギだけ。ムギと名乗っているがイネ科ではなく、カヤツリグサ科のスゲ類である。
 
 
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 一方、満開だったのはコウボウ。実に紛らわしいのだが、こちらはイネ科である。スミレを覆うように生えていて、黄白色の葯を下げていた。「コウボウ」がイネ科で「コウボウムギ」がカヤツリグサ科。和名の変なところである。
 
 コウボウの足下にはスミレが満開。たまたま手近にあった個体の花を開くと、スミレの特徴のひとつである、側弁基部の毛が無い。あれ?と思い、いがりまさしさんの『日本のスミレ』図鑑を開くと、毛のタイプを品種「ワカシュウスミレ」と呼ぶのだそうである。ワカシュウは若衆。まだ毛も生えない若輩者の意味だろうとの事。
 
 
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 イネ科もコウボウ以外はまだな感じ。だいたいコウボウって春はやくに咲くと思っていたので、今コウボウと云う事は、他はまだだろう。オオウシノケグサの草原も、まだ昨年の枯れ草が目立つ。
 
 
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 一方、元気だったのがイグサ科のスズメノヤリ。既に果実を付けて凜と株立ちしていた。Luzula って早いんだな。
 
 
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 エゾオオバコも満開。海岸生のオオバコで、車が通るような所にびっしりと群生し、一斉に花穂を上げていた。
 
 
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 標本を作る場所を借りに、浦幌町立博物館へ立ち寄る。すると館長の佐藤さんから、ちょうど「変わったエンレイソウがある」との質問があったので見て欲しいとの事。すぐ近くの山だったので、町の方と直接行ってみたところ、雑種のシラオイエンレイソウだった。
 
 
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 これがシラオイの両親であるミヤマエンレイソウ(左)とオオバナノエンレイソウ(右)。ミヤマは花が終わりかけで、花弁が赤くなってきていた。シラオイもミヤマと花季が同調しているのか、やはり花弁も赤味を帯びてきていた。オオバナノエンレイソウはまだしばらく開花期の様子で、純白の花弁を付けて立っている。
 
 
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 お昼を食べて博物館へ戻ると、図書館の方からレファレンスの結果が提供された。浦幌町立博物館は図書館と博物館(と教育委員会の事務局)が同居している。館長はどちらも佐藤さんで、学芸業務をこなしている。
 
 一方、図書館には栗本さんと三上さんという腕利きの司書さんが居られ、先日お願いしていた浦幌炭礦に関するレファレンスの回答を用意して待っていてくれた。道立図書館や帯広図書館へも照会して下さり、かなり細かな情報を提供していただく。
 
 各地の町村を見ていると、特に学芸員不在の町村では、町の図書館が地域研究の拠点になっている。その場合、やはり箱が立派でも優秀な司書がいるかどうかで、図書館活動の成否は左右される。幸い、いままで出会ってきた町村の図書館には、こうした司書の方が多く、とても頼もしいと思う。学芸員ももっと頑張らなければなあ。
 
 
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 帰りに豊頃町図書館へ寄り、教育委員会の鏑木さんへトヨコロスミレを届ける。いきなり鉢植えを持参したのでびっくりされていた。申し訳ない。ご自分でも昨日の晩に撮ってきたのだが、これがそうなのかが分からなかったと言うので、写真を見せて貰う。
 
 また、ちょうど先日、町の方から、十勝川の河川改修で使っていたエキスカや工事軌道の機関車の写真をもらったので見てみないか?と言われ、貴重な写真を3枚拝見する。ちょうどエキスカベータと工事軌道の写真を探していたので、実に良い資料だ。写真は十勝川改修の工事軌道の機関車で知られる「い」号。細かな情報がわかったらお知らせするとお話して辞する。
 
 浦幌でも豊頃でも、自然史と鉄道史の話が行ったり来たりして、ときどき頭が混乱するが、それも面白い。
 
 
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 先日の下見で確認していた、謎の斑入スミレを見るために池田町の清見ヶ丘へ立ち寄る。吉屋信子文学碑にへばりついていて、花は終わりかけ。ようやく1個体、まだなんとか同定できそうな花を採集して帰る。
 
 
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 帰りは清見ヶ丘温泉へ寄る。ちょうど金曜日は100円引きで320円だった。2010年頃、泉質がガラリと変わり、また戻った事で知られる清見ヶ丘温泉。ここしばらく、また泉質に変化が出ているらしい。今度はしばらく様子を見るとのこと。
 
 十勝は銭湯感覚で入れる温泉が随所にあって、フィールドへ出ると帰りに寄るのが楽しい。
 
 

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