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2013年3月

2013年3月23日 (土)

学芸職員部会のコラムリレー

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 世の中には仕事が早くて優秀な人がいるんだなあと思う事がしばしばあるが、最近は三笠市立博物館のK学芸員を見てつくづくそう思う。北海道博物館協会のホームページリニューアルを担当され、瞬く間に斬新なサイトを立ち上げた。今回のサイトの特徴は、協会のサイト学芸員のサイトを分離した事で、学芸員サイトの方は現場の学芸員が主体で、ブログ形式の更新を続けている。
 
 なかでも、今月から始まった「コラムリレー」という特集は、半分手前味噌になるが面白い。これまでの協会では、現場の学芸員の顔がなかなか見えづらい点があったが、今回のコラムリレーはこれを打ち破るきっかけになるだろう。
 
 という事で3回目の今回は私の担当です。ですが、1回目のえりも町郷土資料館N学芸員のコラム、2回目の根室市歴史と自然の資料館I学芸員のコラムがとても良いです。ぜひ御覧下さい。
 
北海道博物館協会 http://www.hkma.jp
学芸職員部会「集まれ!北海道の学芸員」 http://www.hk-curators.jp
 
 

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2013年3月22日 (金)

『鉄道ピクトリアル』横浜・川崎の鉄道を特集

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 電気車研究会が出版する『鉄道ピクトリアル』5月号が発刊。同誌は1951年の創刊で、戦後すぐに発刊された『鉄道模型趣味』に次いで、現存する日本最古の鉄道趣味雑誌である。カラー写真主体の他誌に比べると、活字主体で研究誌的側面が強く、小樽時代から定期購読している。特集は「横浜・川崎の鉄道」。東京や首都圏が鉄道誌の特集となる事は多いが、横浜・川崎に焦点を絞っている特集はちょっと珍しい。
 
 
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 という事で、今回は私も原稿と写真を寄せている。「20年前の神奈川臨海鉄道点景:1990年代初頭の塩浜・本牧」という短い記事で、今回は解説でも論考でも無く本当に単なる回想記事なのだが、この20年間ですっかり景観の変わってしまった川崎市塩浜操車場付近と、横浜市本牧操車場付近の写真を掲載した。
 
 本誌は目次のサイトがあるので、リンクを貼ります。
 
 
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 本誌に掲載しなかった写真をいくつか。これは1990(平成2)年8月24日に撮影した、神奈川臨海鉄道横浜本牧駅構内。鉄道ピクトリアルはピクトリアル(画報)というタイトルの割には本文の大半がモノクロという今時めずらしい鉄道雑誌なのだが(その分、活字記事が充実していて良い)、そのため、本誌では色がよくわからないと思う。この当時、DD55は現在のような青白塗装ではなく、このような臙脂色とクリーム色の塗り分けだった。そして、似たいような塗色が全国の臨海鉄道の機関車に多く用いられており、我々は臨鉄標準色と呼んでいた。
 
 
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 今、この駅はコンテナターミナルになり、写真のようなワム80000形などの車扱貨物は扱われていない。また、駅の線路がだいぶ改良され、上空もベイブリッジへつながる湾岸高速道路がかぶさって、全く違った景色になってしまった。
 
 
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 当時の横浜本牧駅は、工業用の塩とか、キリンビールの原料麦芽とか、扱う貨物が変わっていて、貨車もいろいろだった。また、突放入れ換えが盛んに行われていた時代で、操車係が貨車に飛び乗ったり飛び降りたりしながら、1両ずつ入れ換え作業をしている様子を、中学時代の友人、H君と共に飽かずに眺めていたものである。
 
 
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 NHKのブラタモリなどで一躍脚光を浴びた、元国鉄横浜機関区所属のC56。当時はまだ存在があまり知られていなかったが、横浜機関区(こちらは神奈川臨海鉄道の機関区で、先述の国鉄横浜機関区とは全く別)の機関庫は道路から覗ける位置にあり、行くと外から覗き見る事ができた。なぜか正面の形式プレートが外された状態だったのが印象に残っている。
 
 
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 似たような角度の写真が本誌にも掲載してあるが、根岸線の根岸から分かれて本牧へ向かうところ。左の茂みは日本石油の製油所。奥の築堤上は関内方向へ向かう根岸線で、この右手トンネルへ入る。臨海鉄道は製油所と三渓園の丘の間を緩くカーブしながら本牧へ向かう。
 
 機関車の次位に見えるのは車運車ク5000形で、2階建ての自動車輸送用の貨車だった。本牧埠頭には日産自動車の輸出専用埠頭があり、宇都宮から運んできた輸出用自動車を貨物列車で運んでいたのである。
 
 
 今も横浜や川崎の鉄道には、愛着が強い。なので今回の特集は、自分の記事だけでなく楽しみな記事が多い。特に、当時から貨物列車が興味の主体だったので、臨海鉄道や臨港線に関する部分には、思い入れが大きい。
 
 実は神奈川臨海鉄道だけではなく、国鉄の臨港線の写真もたくさん所有していて、載せたいものだらけだったのだが、今その多くは横浜の生家に置いてあるので、今回は見送った。本当に惜しかったなあと思うのは、本誌36-37頁で藤岡氏が紹介されている高島埠頭の表高島駅の写真など、実際に貨車が入っていて入れ換えをしている写真を撮っていたので、本当なら掲載したいところだったのだが、残念だ。またの機会にどこかで紹介したいと思っている。
 
 

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2013年3月21日 (木)

『環オホーツクの環境と歴史』第2号が刊行

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 サッポロ堂書店を発売元に昨年から出版されている『環オホーツクの環境と歴史』の第2号が発刊された。北海道、千島、カムチャツカ、サハリンといった、オホーツク海を取り巻く地域の歴史と文化、自然史に関する総合雑誌を目指している。
 
 
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 当館からは私と、副館長のU学芸員が原稿を寄せている。私は、隣の帯広市児童会館に収蔵されている「小林孝次郎コレクション」に関して報告。このコレクションは明治末期から昭和初期にかけての十勝と道内およびカムチャツカ産植物の標本で、なかなか興味深い。
 
 ただし、今回の原稿は標本そのものではなく、その解説資料として残されている「標本集目録」を活字化。もともとワラ半紙にガリバン刷り・ホチキス留めだったこの目録、単なる標本リストではなく、読み込むと当時の十勝やカムチャツカに関する記述があり、なかなか面白いのである。
 
 その他、この雑誌は独自サイトが無いので、目次を以下に記載。
 
環オホーツクの環境と歴史 第2号
2013年3月 サッポロ堂書店発行 1500円
 
 <目次>
岩崎義純,アイヌシアター「イコロ」の人形劇...3-7.
 
岸甫一,開港期箱館からみた外国人居留地の成立過程(その1)...9-28.
 
持田誠,『小林孝次郎植物標本集目録』を読む...29-45.
 
田中水絵,ニコライ・ネフスキーが遺したもの:東洋学研究所蔵アイヌのフォークロア原稿&折口信夫宛て絵葉書...47-58.
 
因幡勝雄,浜の環オホーツク...59-62.
 
ジョン・ミルン,水野勉(訳),千島列島の火山を巡る航海...63-74.
 
ブロニスワフ・ピウスツキ,兎内勇津流(訳),サハリン島の個々のアイヌ村についてのいくつかの資料...75-98.
 
内田祐一,故秋野茂樹氏を偲んで...99-100.
 
【書誌事項】
環オホーツクの環境と歴史 第2号
2013年3月12日発行
 
編者 環オホーツクの環境と歴史編集委員会
 
発行所 サッポロ堂書店 〒060-0809 札幌市帰宅北9条西4丁目
    電話:011-746-2940/011-746-2942
ISBN:978-4-915881-22-0
 

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2013年3月20日 (水)

北方山草第30号が発刊されました

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 北方山草会の会誌『北方山草』の第30号が発行された。表紙は坂本直行氏のコウライテンナンショウ。
 
 
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 今回の小特集はスミレ。美しい写真が巻頭を飾る。
 
 
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 ちなみに、私はスミレとは関係の無い記事を書いている。「本別町歴史民俗資料館の植物標本」。いわゆる標本目録と、本別公園のフロラについて少しだけ。
 
 
 会のサイトにまだ最新号の目次が出ていないので、こちらで御紹介してしまおう。
 なお、お申込み先は北方山草会事務局まで。連絡先は上記サイトに掲載。会誌代+送料で2,600円。そのほか、帯広百年記念館の売店でも買えます。 
 
 
『北方山草』第30号-目次- 小特集:スミレ
 
写真によせて
扉:ナンザンスミレ・裏表紙:キバナノコマノツメ
           …………… 札幌市 梅沢   俊  …   1
北海道の外来スミレ ……………… 千歳市 五十嵐  博  …   2
トヨコロスミレ …………………… 札幌市 本多  丘人 …   3
スミレの……………………………… 札幌市 本多  丘人  …   3
千島列島のスミレ ………………… 札幌市 高橋  英樹 …   5
北海道特産のスミレ ……………… 豊橋市 いがりまさし …  15
スミレ科の絶滅危惧種指定の問題点
           …………… 千歳市 五十嵐  博 …  19
ヒダカタチツボスミレ 再発見の記
             ……………  日高町 高橋   誼 …  21
アカネスミレ・ヒカゲスミレの北海道分布
            …………… 千歳市 五十嵐  博 …  23
エゾノタチツボスミレの北海道分布
             …………… 千歳市 五十嵐  博 …  25
エゾスミレの北海道自生と和名考
            ……………… 札幌市 松井   洋 …  27
スミレの語源説 あれこれ
            ……………… 札幌市 松井   洋 …  41
私の鬼門~シソバキスミレ-ウスバスミレ-タカネタチツボスミレ~
             ……………    美唄市 新田  紀敏 …  45
樺太・クリルのスミレを描く-北大総合博物館タイプ標本から-
            ……………… 札幌市 船迫  吉江 …  47
アギスミレの探索 ………………… 千歳市 五十嵐  博  …  57
北海道スミレ科植物目録 ………… 千歳市 五十嵐  博  …  61
植物園時代の辻井先生の思い出 … 札幌市 高橋  英樹 …  63
辻井達一先生の思いで …………… 千歳市 五十嵐  博 …  64
辻井達一先生を偲んで …………… 雨竜町 佐々木 純一 …  65
心残り ……………………………… 美唄市 新田  紀敏 …  69
辻井先生追悼文 …………………… 札幌市 山埼  真実 …  70
奇形花のエダウチチゴユリが・・・
      …………………………   日高町 高橋   誼  …  71
本別町歴史民俗資料館の植物標本 
        ………………………   帯広市 持田   誠 …  73
アザミと蜂蜜  ………………………   美唄市 新田  紀敏 …  81
湿原を科学する 雨竜沼湿原とヒグマ
            ………… 雨竜町 佐々木 純一 
           ヒグマの会 旭川市 山本   牧 …  83
33年後の再び  タチゲヒカゲミズ
          ……………………  札幌市 中川  博之 …  93
ヌスビトハギ、ヤブハギの北海道分布(予報)
        ………………………  千歳市 五十嵐  博  …  95
結実したヤブガラシCayratia japonica
          ……………………   美唄市 新田  紀敏  …  99
2012年に確認した新外来植物
        …………………… 千歳市 五十嵐  博 … 101
 
観察会の記録 …………………… 千歳市 五十嵐  博 … 105
① 白老町ポロト湖・萩の里自然公園・苫小牧市植苗
                   JR沿い(2012.05.20)
② 上ノ国町夷王山・大安在林道奥・石崎川など(2012.08.25-26)
③ 苫小牧市沼ノ端・晴海町(2012.09.16)
 
コラム欄
①「表紙の植物:コウライテンナンショウ 」(五十嵐 博)18頁
②「オニハマダイコンの北海道分布」(五十嵐 博)20頁
③「シレトコスミレと硫黄山」(吉中弘介)40頁
④「タチハコベ(ナデシコ科)の北海道分布」(五十嵐 博)60頁
⑤「すみれ色の涙」(佐々木純一)92頁
花語草談室・新刊紹介・編集後記 ……… 編集部
 

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2013年3月15日 (金)

惜別、東横線渋谷駅さようなら

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 独特のカマボコ状ドームの高架駅で、4線終端式のターミナルだった、東京の東急東横線渋谷駅。ついに今日いっぱいで終了し、明日からは地下へ移転して、地下鉄副都心線と直結する。東横線の「横」側で育った私にとっては、渋谷という街そのものには殆ど思い出が無いのだが、山手線や銀座線への乗り換え、大盛堂書店や志賀昆蟲普及社などへの往復など、渋谷駅には思い入れがある。消える名ターミナルへ敬意を表し、2011年12月に撮影した渋谷駅の写真を掲載する。
 
 
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 この駅は屋根と壁が特徴的だった。このカーブの連続と高い天井は、日本の駅ではあまり見かけない。降車ホームと乗車ホームが分かれており、到着した電車からは降車ホームにドッと人が出て、車止め方向にある改札口へ流れる。
 
 
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 反対側。こちらのホーム先端は細かった。よくここから、構内へ進入する電車を眺めていた。
 
 
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 代官山方向を見る。高架はこの先でカーブし、山手線をオーバークロスする。
 
 
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 埼京線ホームが見える。かつては山手線、山手貨物線がよく見えた。風が通り、ボーッと列車を眺めていても気持ちの良いホームだった。
 
 
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 反対側は雑居ビルが並び、後方からはバスターミナルも見えた。
 
 
 思い出いっぱいの渋谷駅。亡くなった祖母に連れられて「東横のれん街」へ買い物へ来た帰り、登場したての8090系に乗りたくて、3本列車を見送った覚えがある。3本目の電車のヘッドライトの形状が、闇の中でも明らかに8000系とは異なるのを見つけ、「来たよ来たよ」と喜びながら乗り込んだ思い出が、亡くなった祖母の記憶ともかぶる。
 
 鉄道ファンだけでなく、多くの人々に愛された渋谷駅。今日は一日、多くの人々が訪れて別れを惜しんでいる事だろう。渋谷駅さようなら。

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2013年3月12日 (火)

【新着資料展】米穀通帳

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 米穀通帳 福田金市氏(帯広市)寄贈
 
 
 1981(昭和56)年に食糧管理法が改正されるまで、法的には米の購入は農林省発行の通帳を持参する義務があった。写真の「一般用米穀類購入通帳」のほか、旅行者用穀類購入通帳、船舶用米穀類購入通帳、職場加配用米穀類購入通帳、労務者加配用米穀類購入通帳、業務用米穀類購入通帳、小売販売業者用米穀類購入通帳があった。
 
 戦時中の配給制度の名残で、法的には通帳を持参しないと米を購入する事ができなかった。しかし、自主流通米制度の新設や物価統制令からの米の適用除外などが進み、指定米穀店以外の、いわゆるスーパーマーケットなどでも米が買えるようになると、都市部を中心に存在そのものがほとんど知られなくなっていた。それは、農林水産大臣までもが米穀通帳なしで米の購入をしている事実が明らかとなり国会で問題となるほどであった。
 
 展示資料は1969(昭和44)年頃のもの。この年の4月から自主流通米制度が始まり、米穀通帳が徐々に意味を為さなくなる。なお、この通帳は1978(昭和53)年に「農林水産省」と改名される前のもので、表記が「農林省」となっている。実際の発給事務は市町村に委ねられていた。
 
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「新着資料展」 
3月2〜24日 帯広百年記念館2階特別展示室
開館時間:10-16時 入館無料 
*1階の常設展示室は有料です。常設展は9-17時開館。
 
帯広百年記念館は帯広駅北口バスターミナル2番のりばから北海道拓殖バス「緑ヶ丘6丁目美術館前」下車 
 
 

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2013年3月10日 (日)

【新着資料展】乳幼児用はかり

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乳幼児用はかり たんぽぽ共同保育所(帯広市)寄贈
 
 
 一昨年に閉所した「たんぽぽ共同保育所」の乳幼児用はかり。土曜日の午後、小学生位の女の子が1人フラリと展示室へやってきて、展示を見るなり「たんぽぽだ!」と小さく声を上げ、じっと見入っていた。声をかけると「私もこれに入っていたのかなあ」と。
 
 
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「新着資料展」 
3月2〜24日 帯広百年記念館2階特別展示室
開館時間:10-16時 入館無料 
*1階の常設展示室は有料です。常設展は9-17時開館。
 
帯広百年記念館は帯広駅北口バスターミナル2番のりばから北海道拓殖バス「緑ヶ丘6丁目美術館前」下車 
 
 

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2013年3月 9日 (土)

【新着資料展】引き伸ばし機など暗室資料

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    暗室道具一式 笹川敏江氏(帯広市)寄贈

 

 帯広市西1条南9丁目で1997(平成9)年まで営業していた写真館「カメラのツバメヤ」を経営されていた笹川敏江氏(帯広市)より、同店と店主が用いていたさまざまな資料を寄贈いただいた。カメラのツバメヤ関係資料は、大別して、カメラ関係資料と暗室関係資料に分類でき、今回は引き伸ばし機など暗室関係資料一式を紹介する。

 

 写真は、モノクロ引き伸ばし機 LUCKY ENLARGER 70M-R機(藤本写真工業製、現在同社は合併してケンコー・トキナー藤本写真部)を中心に、暗室ランプ、タイマー、ヒーター、イーゼル、ライトボックスである。この他、引き伸ばし機用交換レンズ数本も寄贈を受けた。

 

 引き伸ばし機70M-Rは、昭和44〜62(1969-87)年に製造・販売されていた、集散光式モノクロフィルム用引き伸ばし機である。後継の90M-Rに比べて手頃で安価な製品だった事もあり、個人や学校などでも広く普及した。来場された方の中にも「写真部で使った」と話す方が居られた。もともと35mmフィルム用として発売されたが、中判ホルダーに交換しての使用も多かった。資料には、画面サイズを調整し、作者が自作したフィルムホルダーも含まれている。

 

 

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「新着資料展」 
3月2〜24日 帯広百年記念館2階特別展示室
開館時間:10-16時 入館無料 
*1階の常設展示室は有料です。常設展は9-17時開館。
 
帯広百年記念館は帯広駅北口バスターミナル2番のりばから北海道拓殖バス「緑ヶ丘6丁目美術館前」下車 
 
 

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2013年3月 8日 (金)

【新着資料展】幕別で採集されたヤマゲラ

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 ヤマゲラ本剥製 足立裕子氏(幕別町)寄贈
 
 
 1969(昭和44)年12月に、幕別小学校で採集された、キツツキの一種であるヤマゲラの本剥製。寄贈者の父親が校舎内を巡視中に拾得し、業者に依頼して本剥製を製作。台座の裏面に採集情報を記入し保管していた。
 
 ヤマゲラは、日本では北海道にのみ生育するキツツキ。写真では色が褪せてわかりづいらいが、緑色の美しい羽根が特徴的で、オスは頭頂部が赤くなる事から、この剥製の個体はオスである事がわかる。同じキツツキの仲間であるアカゲラやコゲラに比べると、近年、帯広市周辺ではあまり見かける事が無い。
 
 津軽海峡を隔てた本州以南には、よく似たアオゲラが棲息する。こうした棲分けが複数の動物で見られる事は、津軽海峡が日本における動物地理区を隔てる境界である事を示す。初めてこの学説を主張したトーマス・ブラキストンが、その論拠とした数々の動物種のひとつにヤマゲラとアオゲラがあり、その際の研究標本は、現在も札幌市の北大植物園博物館に収蔵されている。
 
 剥製のような自然史資料の場合、採集場所、採集年月日は資料となる為に必須の要件である。装飾用に作られた本剥製の場合、これらの情報が不明なものが多く、寄贈依頼を受けても断るケースが多い。これに対して、採集情報がしっかりしており、状態も良いこのヤマゲラ剥製は、一級の博物館資料と言える。
 
 なお、採集地点である幕別小学校は、明治28(1895)年の開校以来、移転を繰り返した。この標本が採集された当時は現在地の緑町ではなく、昭和18〜53(1943-78)年まで校舎のあった錦町(現わかば幼稚園付近)である。自然史資料の利用にあたっても、こうした採集地点の移り変わりなど、地域史の検証が不可欠となる。
 
 
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「新着資料展」 
3月2〜24日 帯広百年記念館2階特別展示室
開館時間:10-16時 入館無料 
*1階の常設展示室は有料です。常設展は9-17時開館。
 
帯広百年記念館は帯広駅北口バスターミナル2番のりばから北海道拓殖バス「緑ヶ丘6丁目美術館前」下車 
 
 

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2013年3月 7日 (木)

【新着資料展】帯広放送局開局記念絵葉書

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JOOG開局記念絵葉書 帯広市の小木愛子氏寄贈
 
 
 1936(昭和11)年11月、帯広市内に放送局(JOOG)が開局した。NHK帯広放送局である。この絵葉書は、開局を記念して帯広商工会が製作したものである。「JOOG」とは、電波法に基づく「識別信号」(コールサイン)で、親局からの中継局ではない、独自に番組を作製し発信する放送局に割り当てられる。
 
 帯広放送局の開局により、NHKラジオ第1放送が開始された。以来、報道や娯楽、太平洋戦争中の戦局や終戦の玉音放送を単独で放送し、戦後の1950(昭和25)年になって、ラジオ第2放送が開始される。テレビ放送開始は、音更町の十勝ヶ丘送信所(電波塔)が建つ1959(昭和34)年であった。以来、一時期釧路放送局への統合が検討された時代があったものの、今日に至るまで、十勝圏の地域放送局として活躍している。
 
 なお、十勝における民放は、1955(昭和30)年8月、NHKの十勝ヶ丘送信所とは十勝川対岸にあたる幕別町豊岡に、JOHW(北海道放送(HBC)帯広送信所)が開設された事に始まる。最初はラジオ放送のみだったが、1963(昭和38)年に同地にテレビ送信所を併設し、民放テレビも放映される。HBCは北海道における最初の民放であった。現在、HBC以外の民放各局は、十勝ヶ丘に送信所を設置している。
 
 
「新着資料展」 3月2〜24日 帯広百年記念館2階特別展示室
開館時間:10-16時 入館無料 
*1階の常設展示室は有料です。常設展は9-17時開館。
 
帯広百年記念館は帯広駅北口バスターミナル2番のりばから北海道拓殖バス「緑ヶ丘6丁目美術館前」下車 
 
 

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2013年3月 6日 (水)

【新着資料展】自転車屋さんいろいろ

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 自転車店の看板や修理道具(帯広市の斉藤辰也氏寄贈)
 
 帯広市内で営業していた自転車店「斉藤サイクルセンター」の自転車修理用品やホーロー製看板。博物館では、地域の商店等が閉店する際に、まとまった資料の寄贈を受けたり、こちらから依頼する事がある。同じ商店から一括して資料の寄贈を受ける事には、1点1点の資料情報の他に、同時代同地域における商業と商品の形態をそのまま情報として保存する意味がある。
 
 看板の「ミドリ号自転車」は、昭和30年前後に東京のミドリ自転車から発売されていた高級運送用自転車。一種のブランドで、各地の自転車店にその名を示す看板が掲げられていた。
 
 自転車修理道具には、パンク修理の道具の他、自転車用発電機やランプなどがある。そもそも、家電で有名なナショナル(現パナソニック)の創業者松下幸之助は、若い頃に自転車店で丁稚(でっち)をしており、自転車用発電機や前照灯角型ランプの開発などをしていた。永く商標名として親しまれた「ナショナル」は、2008年に社名の「松下電器工業」の名と共に「パナソニック」へ統一され、消滅した。
 
 
「新着資料展」 3月2〜24日 帯広百年記念館2階特別展示室
開館時間:10-16時 入館無料 
*1階の常設展示室は有料です。常設展は9-17時開館。
 
帯広百年記念館は帯広駅北口バスターミナル2番のりばから北海道拓殖バス「緑ヶ丘6丁目美術館前」下車 
 
 

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2013年3月 5日 (火)

【新着資料展】灰式カイロ

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 灰式懐炉とカイロ灰(浦幌町の岡村邦子氏寄贈)
 
 懐炉(カイロ)の一種で、金属容器の中に「カイロ灰」と呼ばれる木灰粉末等を入れて用いる。この中に入れる粉末は、ナスの茎やキリ(桐)の灰などを混ぜて用いられた。炭ではなく灰である事が重要で、燃焼と保温を持続させる効果があった。日本では江戸時代から用いられており、21世紀に入ってからも販売が続けられていたが、現在ではほぼ消滅している。
 
 写真にある燃料用のカイロ灰は、株式会社児玉兄弟商会製。児玉兄弟商会は、もともとは昭和6(1931)年から「菊印カイロ灰」を製造する児玉懐炉株式会社が出発点。昭和12(1937)年に児玉兄弟商会と合併した。同社は現在も和歌山県で、主に使い捨てカイロや蚊取り線香を製造・販売している。
 
 
「新着資料展」 3月2〜24日 帯広百年記念館2階特別展示室
開館時間:10-16時 入館無料 
*1階の常設展示室は有料です。常設展は9-17時開館。
 
帯広百年記念館は帯広駅北口バスターミナル2番のりばから北海道拓殖バス「緑ヶ丘6丁目美術館前」下車 
 
 

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2013年3月 3日 (日)

【超!新着資料】小学校から標本が寄贈

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 新着資料展オープン前日の夕方、明星小学校の先生が古い標本を持参して百年記念館を訪ねて来られた。理科室の清掃をしたら出てきたとの事で、廃棄の予定だったので、良かったら百年記念館で活用していただきたい、処分はお任せします、との事。ありがたく受領した。
 
 
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 実は先生は、音更町で先月開催した当館の移動展「博物館はなぜ標本を集めるのか?」を御覧になって下さり、博物館が標本を収集している事、学校などで廃棄予定のある標本は、まず博物館へ声をかけて欲しい、と訴えている内容に目を留めて、この度、わざわざ当館まで足を運んで下さったと言う。まさに移動展の趣旨が伝わっての成果で、感慨ひとしおである。
 
 
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 標本は島津製作所製作の教材用海藻標本1箱と、前川科学製作の「紋白蝶の発育段階」標本、それに自作と思われるヨナグニサンである。写真は海藻標本のラベル。昭和8年というから1933、千葉県で採集されたものである。
 
 昆虫標本は担当学芸員と扱いを相談。当館で受け入れるよりも、教材史として収集している関連博物館へ回した方が適切では?となり、これから受け入れ先を探す予定。海藻標本は全体に状態も良くラベルもあるので、まずは新着資料展で「超!新着資料」として展示の上、全体を精査して扱いを検討する。
 
 明星小学校は市内でも歴史のある小学校で、理科関係のみならず、郷土資料が他にも埋もれている可能性がある。今度お礼がてら学校を訪れ、資料の保存状態を見てこようと考えている。
 
 みなさんの学校にも、廃棄されそうな資料ございませんか?捨ててしまう前に、まずは当館までご連絡下さい。
 
 

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2013年3月 1日 (金)

新着資料展を開催する意味

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 帯広百年記念館では、明日から「新着資料展」を開催する。この何の飾り気も無いタイトルの展示は、2011年以降に当館で受け入れた資料を展示するもので、明日から24日までの間、2階の特別展示室を用いて行う。
 
 この展示。いつもの企画展と異なるのは、そもそも目的がいつもと異なるという点にある。もちろん展示であるので多くの方に御覧いただく為に開催するのだが、まず受入資料の大半である寄贈資料について、寄贈者の方に感謝の気持ちを込めて資料を公開するというのがひとつ。受入後、ややもすると一度も公開しないまま収蔵庫に眠ってしまう資料が、博物館にはどうしても出てくるのだが、やはり大切なモノを博物館に預けて下さった方のお気持ちを考えると、なるべく寄贈後はやい段階で公開する事は大切である。
 
 
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 そして二つ目は、展示会場を使って資料整理作業を進めるというものである。実際には展示室の奥を仕切って非公開区域を作り、そこに未整理資料を運び込んで、展示期間中、一気に登録作業をしてしまおうというもの。そもそも今回の展示品の大半はまだ整理・登録していない資料で、ズルズルと未整理のまま経過していくよりも、展示を区切りにしてきちんと整理作業をしましょう、という、まったくもって私たちの作業上の都合を考えて開催される展示でもある訳である。
 
 
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 この一見、来館者の事を全く考えていないかのような展示スタンスは、実際のところ、ほとんど解説パネルが無いという点に表れている。なにせ未だ整理もしていない資料であって、十分な資料調査も出来ていない。むしろ、これから資料調査を進めていくための作業をするための「きっかけ」作りの場であって、まだいろいろな情報を提供できる段階にない資料が大半なのである。
 
 むしろ来館者の方には、展示会場へ足を運んで頂き、「こんなものまで博物館は資料にするのか!」という事を知って頂きたいと思う。例えば家電とか帳簿、手紙などの類。交通事故に遭ったエゾリスや店で配られた手ぬぐいなどもある。
 
 
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 博物館はなんでもかんでも集めている訳ではなく、そこには資料収集上の方針があり、その方針に沿ってモノを集めていく。ただ、その方針は外からはわかりづらい。「こんなモノは集めていないかも」と遠慮して御連絡いただかないまま廃棄されてしまう場合が多いだろう。
 
 もちろん、声をかけていただいたものを全て受け入れる訳ではない。例えば先日、状態の良いネコの死体があるのだが、剥製用に引き取るか?という問い合わせを町村部の方から教育委員会経由で頂いた。あいにく当館では扱って居らず、他館や大学へ問い合わせても必要とする所が無かったので、今回はお断りした。
 
 
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 ただ、お断りでも良いのである。とにかく一度ご連絡いただいて、受入の可否を判断させて欲しい。今回御連絡いただいた方は、今冬に私が開催した移動展を御覧になって、博物館は事故死の動物から剥製を作り標本化している事を知り、「もしかして」と連絡を下さったのである。これは展示の趣旨が伝わっていると考えるべきで、対象がネコだったので引き受けは出来なかったが、むしろとても嬉しかった。「今後も何か見つけたらぜひ御連絡ください」とお伝えしている。
 
 
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 また、当館では収蔵できなくても、全国にはそのモノを必要としている博物館が存在するかもしれない。そうした博物館を探し、ヒトとモノを橋渡しする事も、私たちの大切な仕事ではないか?そのためには、日頃から館種を超えた学芸員のネットワークを構築していく事が大切なのだが、そうした事もできるだけ展示の場でお伝えしていきたいと考えている。
 
 新着資料展、とりあえず会場は整いました。明日の10時から、ソッと開幕します。
 
 

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