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2012年12月

2012年12月30日 (日)

かつての伝道所は元浦幌炭坑の協和会館

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 浦幌町立博物館には、子供の頃に浦幌炭坑に住んでいた方が、記憶を頼りに製作した、自作ペーパークラフトによる建物模型がある。浦幌炭坑にあったさまざまな建物が精巧に再現されており、とても面白い。これは協和会館。映画上映会を開催したり行事を開催する場所として親しまれていた。
 
 
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 こちらは先日お伝えした、池田町の福音ルーテル池田教会の初代伝道所の建物。もともと浦幌炭坑にあった建物を移築したそうで、これが移築前の写真。
 よく見ると、後に伝道所となる建物の後に、上の模型のカマボコ屋根な建物が見えるではないか。池田教会には「協和会館の建物を移築した」という話が伝わっていたが、協和会館はカマボコ屋根の講堂が有名で、すぐ隣にこの小さな建物が事務所として使われていた事は忘れられているようだった。たまたま浦幌町立博物館でお会いした元炭坑住民の方のお話によると、協和会館の跡には確かに隣接して何か建物がつながっていたような跡があるそうで、まさしくその建物がこれなのだろう。
 
 
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 先日も掲載した池田伝道所前に立つ吉田康登牧師。今回は後の建物に注目。上の写真にも見える玄関と、大きな張り出し窓が見え、同じ建物である事がわかる。
 うーん、池田教会。もともと植物標本が縁で調べ始めたが、いろいろと掘り起こしていくと興味深い。これだから学芸の仕事はやめられない。
 
 さて、今日は今年最後の日曜日。お世話になったルーテル教会の礼拝へ、ご挨拶がてらお邪魔したいと思っている。
 
 

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2012年12月28日 (金)

官庁御用納め

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 博物館は年末も忙しい。帯広市開拓 130年を記念して市民ギャラリーで開催された美術展「美術でみる帯広130年の歴史」展から続々と資料が戻ってきた。晩成社資料の一部も出張中だったものが返却され、さっそく常設展示室へ戻す作業が行われた。
 
 
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 「官庁御用納め」の28日、来年1月7日から始まる移動展「博物館はなぜ標本を集めるのか?」の設営で中札内村図書館へ行く。展示スペースと設備の関係で、今回はかなり小規模なものに。掲示主体の展示で、標本は掲出が25点、触れる置き標本は教材用100点(箱入り)と生徒製作標本集が1点。
 
 
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 うーん、これまで一番小規模だった清水町の展示よりも小さくなってしまった。やはりガラスケースが無く、平置き台も少ない場所での標本展示は限界があるなあと痛感。いつもは並べている標本製作道具などの展示を今回は思い切って一切省略した。
 その分、1月20日にひさびさの移動展講座を開催。ミニ百年記念館と講演を行うので、伝えたい事はその時思い切り伝えられるようにしよう。
 
 町村部では30日まで開館の所もあるが、帯広市の業務は本日まで。来年は1月4日から開館。わたくし、珍しく私事で横浜へ帰りますので、登庁は1月7日からの予定。
正月を横浜で迎えるのは、実に何年ぶりだろうか? 
 

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2012年12月25日 (火)

クリスマス礼拝で植物標本を展示

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 浦幌町立博物館の佐藤館長、日本福音ルーテル帯広教会の加納牧師の御協力により、人知れず浦幌で保存されてきた吉田康登牧師の植物標本を、同氏が建てた池田教会で里帰り展示する事ができた。わずか2日間の展示だったが、地方に眠る植物標本を掘り起こし、しかもそれが牧師さんの標本だったという事を明らかにする事が出来、そしてその標本をゆかりの教会で信徒の方々に御覧いただく機会を得られ、学芸員としてもキリスト者としてもこれほどの喜びは無い。

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初代池田伝道所の前にて。右端が吉田牧師

 

 吉田牧師は戦時中の宗教弾圧で、様々な教派のキリスト教会が日本基督教団に合同させられた際に牧師職を追われた。東京から「集団帰農者」として浦幌町へ渡り、農業をする傍ら、有志の家庭集会を守ったとされる。戦後にルーテルが池田町に教会を設立する動きが活発化し、浦幌町から吉田氏を招聘。初代伝道所の牧師になった。

 浦幌に残る標本には池田町清見で採集された植物が多数ある。恐らく教会の裏山などで採集したのではないかと思う。

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現会堂の献堂式にて 扉前左が吉田牧師

 

 今回の展示に続き、3月発行の『浦幌町立博物館紀要』に標本目録と吉田牧師についての調査結果を報告の予定。これからもこうした地域に眠る学術資源を発掘し、紹介し、学術と普及の両面から活用する為の活動を進めていきたい。一方、営林署から依頼されて採集したという標本など、まだまだ見つかってない標本がある。これらを探索し、資料情報をまとめるのが次の課題である。

 

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現在の福音ルーテル池田教会。教会の裏手には林が広がる

 

 今日、25日は、吉田牧師が天に召されてから38年目のご命日である。この事からも、今回の発見や展示へと不思議な導きがあったように思う。私自身は残念ながら礼拝に出席できなかったが、天上の吉田牧師と、加納牧師はじめ池田教会・帯広教会の皆さん、佐藤館長はじめ浦幌町立博物館の皆様の上に、平安がありますように祈りたい。
 そして降誕節。主の生誕を謹んで祝福いたします。

 

十勝毎日新聞 http://www.tokachi.co.jp/news/201212/20121225-0014378.php

 

日本福音ルーテル池田教会・帯広教会 http://www.geocities.jp/jelcpastor/church

 

浦幌町立博物館 http://www.urahoro.jp/siseturiyou/hakubutu.html

 

 

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2012年12月24日 (月)

帯広美術館のミュージアムカレッジを受講する

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 12月22日土曜日。北海道立帯広美術館の講座へ出席する。この日は先週に続く第2講目で、今日の担当は道立近代美術館から帯広へ舞い戻ったI学芸員。この日のテーマはコレクションギャラリーで開催されているプリントアートだ。

 プリントアート。わかったようでわからないカテゴリーである。私は帯広へ来る以前、プリントアートとは写真の事だと思っていた。だがそうではなく、日本語的には「版」の事らしい。I学芸員の定義では「複数性」「複製」の意味があり、美術素材そのものが版そのものである場合の他、版を活用した作品などもプリントアートの範疇になるらしい。

 実際、今回のコレクションギャラリー展での作品は、一見すると「これがプリントアートか?」と思うような現代美術の数々である。それもそのはずで、あらかじめ講座でカテゴリー分けした「版」の分類「1.凸版 2.凹版 3.平板 4.その他」のうち、展示されているのはほぼ全て「4.その他」の作品だからだ。これに今後は映像作品(動画)も加わっていくらしい。今回の展示のテーマそのものだが、まさに「拡張する<版>」で、プリントアートの広がりは無限なのだなと感じた。

 ただ、映像作品については、現代ではフィルムではなくデジタルが主流である。写真と違い、映像作品の場合は「プリント」される事は無いのではないか?その場合でもプリントアートの範疇に入るのだとしたら、そもそもデジタルな芸術は今後すべてプリントアートに入ってくるのだろうか?そうなると「プリント」もしくは「版」とは何か?という命題が・・・。まあ、こうした分類学的な話は作品の本質に関わるものではないのだろうが。

 帯広美術館のコレクションで私が好きなのは太田三郎氏の作品。昨年は、植物の種子(実物)を切手風に仕上げた作品が展示されていて、その美しさに感銘を受けた。

 今回は同じ切手でも消印が押印された北海道地図。すなわち、膨大な数の41円切手(ヤマユリ)に平成5年12月29日の日附印が押印された北海道地図で、それらの切手が押印した各郵便局(見たところ集配局)の場所に配置され、北海道を象っている。かなり大きな作品で圧倒されるが、さらに圧倒されたのは「この作品は(この切手が貼られた)壁ごと収蔵しているんです」というI学芸員の言葉で、それは大変な収蔵作業だろうなあと思った。なお、日附印は年月日だけでなく引き受け時刻も全て「8-12」で、これも意味があるのかもしれない。切手が、消費税導入後に一時期あった「41円切手」なのも時代性があっておもしろい(一部に62円(アザラシ)60円(ニリンソウ)などがある)。蘭島・江別局だけは風景印が押されているが、こうなると頼まれた郵便局にとっては一種の「郵頼」として処理されたと推察され、我々郵便趣味者から見てもおもしろい作品だ。
 

 
seedproject(太田三郎氏作品) http://seedproject.jp
 
 

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2012年12月19日 (水)

新得町を撤収、中札内村へ下見へ

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 昨日で新得町公民館での移動展は撤収。あいにく朝から雪で、そろりそろりと車を走らせて新得町へ。そう言えば設営の時も大雪だったなあと思い出す。
 
 
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 午後は中札内村図書館へ。移動展は1月から中札内へ移るので、場所の下見だ。帰り道に幸福駅跡へ立ち寄ると、午後は晴れたものの、朝の雪でキハ22が雪を重そうにかぶっていた。
 
 

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2012年12月15日 (土)

ハンドベルコンサートを開催

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 帯広百年記念館では、昨日12月14日の晩、ロビーコンサートでハンドベルの演奏会が行われた。毎年この時期に、ハンドベルリンガーズJ&Qの皆さんが、クリスマスコンサートとして開催している。保育園児、高校生、大人の3パートに分かれ、美しい鐘の音を響かせていた。
 
 
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 ハンドベルはもともとチャーチベルと呼ばれ、イギリスの教会音楽用楽器として用いられてきたもの。発祥は17世紀頃と思われる。イギリスに万国本営のある救世軍は、年末に社会鍋を立てて街頭募金を実施するが、日本ではラッパ吹奏で募金を呼び掛ける光景が一般的だが、海外ではハンドベルを鳴らす国もある。
 
 

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2012年12月 5日 (水)

新得町で移動展「博物館はなぜ標本を集めるのか?」

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 本別町、浦幌町、清水町と巡回してきた移動展「博物館はなぜ標本を集めるのか?標本からわかること」は、昨日12月4日より新得町へ移動。会場は新得町公民館で、今月17日(月)まで開催する。昨日は猛烈な雪と雨の中、新得町へ設営にでかけた。
 
 
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 今回、展示した植物標本は総勢約70点。これまでで一番多い。ただ、なるべく新得町で採集されたものをと思ったのだが全て新得産という訳ではなく、十勝各地から採集されたものが含まれている。新得町で展示点数が多いのは、公民館にガラスケースが無く、壁展示主体となったから。ケースでモノを見せられない分、標本でカバーしている。
 
 
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 ガラスケースが無いので、展示できるものは限られてくる。ちょっと考えたが、廃校となった帯広市立第六中学校の理科室から移管した教材用標本と生徒の製作した標本集は展示する事にした。手にとって御覧頂きたいと思う。破損は気になるが、これまでの町村での様子を見ている限り大丈夫だろう。
 
 
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 ちょっと困ったのは標本製作道具の展示で、これはケースが無いとちょっと細かいものは無理だった。そこで圧搾機や乾燥機と共に採集道具を展示。胴乱や野冊は少しずつ存在を忘れられつつある採集道具で、キャプションに使用方法を書いて展示。右の胴乱は私が初めて購入した胴乱で、昭和20年代に東京の中学校で使用されていた学童用。
 
 
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 展示室コーナーの入口では「標本を捨てないで!」と訴える事も忘れずに。博物館はなぜ標本を集めるのか?展示を見て知っていただけるかな?
 
 

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2012年12月 1日 (土)

緑ヶ丘公園で地衣類を見る

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 緑ヶ丘公園に見られる地衣類のなかま。これはアンチゴケ〔訂正→キウメノキゴケ〕と思われる。薄緑色が美しい。
 
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 これはロウソクゴケ。ヨーロッパでロウソクの着色用染料として用いられた事から、この名が付いたそうだ。
 いずれも今年の春、美幌博物館で開催された地衣類講座に参加して、国立科学博物館のO研究員から教わった。
 
 

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