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2012年9月15日 (土)

本別町歴史民俗資料館と浦幌町立博物館

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 昨日は、10月から開催する移動展「博物館はなぜ標本を集めるのか?」の展示標本選定で、本別町歴史民俗資料館へ行く。十勝圏の博物館では珍しく、この資料館には本別サイエンスクラブの人たちが採集した本別公園産の植物標本が収蔵されている。ただ、図鑑や双眼実体顕微鏡は無いので、当館から持参。


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 同定を確認しながら標本情報を入力。そして、ありましたヒメアマナ。「キバナノアマナ」に誤同定されていた。無理も無い、慣れないとそっくりに見える。本別町産標本は苫小牧市立博物館にも収蔵されており、隣の足寄町からは今年の春に私自身も採集しているので、きっと今でも自生しているだろうと思っていた。この標本は、展示とはまた別の機会に論文で引用させてもらおう。

 こうした同定検証ができるのが植物標本の利点で、フロラ資料の最も基本的な作業だ。


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 さて、10月からは私の展示を行う1階のスペースで、その直前まで開催されている企画展。それが、和菓子作りの道具たちだった。かつて小樽市総合博物館でも見た事のある、和菓子の木型が多数展示されている。閉店した町内の和菓子屋さんから譲り受けたとのこと。他にも、「本別」と文字の入った煎餅を焼く「コテ」とか、いろいろな道具を展示。今もお話を聞く事ができるそうで、これはさっそく小樽博の和菓子女Sさんに伝えなければならない。最近、彼女には学生の弟子Oさんが付いているので、彼女に調査に来てもらおう。


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 14時頃まで本別で標本調査。ここは学芸員がおらず、隣にある図書館の司書さんが兼任されている。ご挨拶をして辞し、次は浦幌町立博物館へ向かう。本別は昔ながらの郷土資料館という感じ(つまり帯広百年記念館のような感じ)だが、浦幌は展示がとても新しく美しいのが特徴。発掘現場の様子を足下のガラスを通して見られるこの展示は、面白いが少し怖い。


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 浦幌町と言えばウラホロイチゲである。十勝では珍しく、町村名を冠した植物だ。この植物もレプリカで展示してある。


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 このレプリカが実によく出来ている。地上部もそうだが、土壌断面が見られ、根の張り具合や早春のリター層(落ち葉の層)なども精巧だ。思わず見入ってしまうこの展示が好きで、この博物館へ来る度にここで立ち止まってしまうのである。
 浦幌町立博物館もやはり専任の学芸員は居らず、館長のSさんは図書館、公民館、生活改善センターとの兼任だ。移動展を開く予定のスペースと、ガラスケースなどの大きさを確認し、事業の打ち合わせをして、帯広へ戻った。

 どちらも小さな町の小さな博物館で、専任の学芸員がいない。しかし司書や館長がコツコツと取り組まれていて、丁寧な事業が行われている。その点にいつも感銘を受ける。私もこういう小さな博物館で、嘱託ではなくきちんと正規の学芸員として働きたいのだがと思う。
 

 
 

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