銘菓ヤチカンバを食べた
更別村の銘菓ヤチカンバ。これがなかなか美味しい。確かにヤチカンバは珍しく、天然記念物にも指定されており、北大時代の後輩が修士論文の研究対象としていた。世の中広くとも、ヤチカンバの名前を冠するお菓子は他に無いだろう。
このお菓子、原料にヤチカンバが使われている訳ではない。袋の裏面には由来が書かれており、ヤチカンバの葉を形どったとのこと。実際の葉形よりは均等な楕円形。まあ、それは仕方ないだろう。
それよりも、ヤチカンバは更別村にしか生えていない事になっているが、実際には根室圏の別海町にも群落がある。先の後輩の調査によれば、別海村の方が個体数が多いらしい。それは少し残念だが、お菓子をきっかけにヤチカンバの存在を知ってもらい、保全に一役かってもらえればと思う。
袋裏面の説明は以下の通り。製造・販売は更別村のお菓子店ニシムラさん。
【沼沢を含む大湿原の寒冷地にそぼくに生殖し続けたヤチカンバも北海道の開拓と開発の波に押され日本ではただ1ヵ所更別にしか生殖をよぎなくされました。これは世界的にも貴重な植物であることから昭和38年7月北海道指定天然記念物として保護されたのです。
このそぼくなヤチカンバの葉を形取り地元更別の牛乳とバターを主原料として作り上げたのがこのお菓子です。】
ちなみに銘菓すずらんというものもある。こちらは何で「すずらん」なのかの説明が無いが、十勝平野と言えばカシワ林の林床にスズラン群落が広がるイメージがあり、実際、私も酪農学園時代に調査に来た事がある。
地方の銘菓に用いられている植物名の調査というのも、案外、面白いかも知れないと思った。
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