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2012年2月20日 (月)

生涯学習社会のなかの博物館

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 先週の土曜日2月18日に、帯広百年記念館では博物館講座「生涯学習社会のなかの博物館」を開催した。講師は帯広大谷短期大学の岡庭准教授。先生の御専門は文化人類学だが、永年、同校の学芸員課程を担当しておられる。今回もこの春に改正施行される博物館法に基づいた新しい学芸養成の方向性についても触れ、生涯学習という視点からの学芸員、博物館のあり方について、興味深い話がなされた。学芸職員の研修で話してもらいたい内容である。

 昨年から私も同校で博物館教育論を担当しているが、新博物館法施行規則では、学芸員養成における教育論の比重も高まっている。全日本博物館学会にも博物館教育研究部会が新設され、活発な議論がされている模様である。この分野では、美術館、科学館、動物園などで既に先進的な動きが昔から見られるが、いわゆる総合博物館系では取り組みが遅れている。これは「総合博物館」とは名前が壮大だが、そのほとんどが1人勤務館のいわゆる郷土資料館で、学芸員が実験的な試みをするにも障壁が大きい事が要因のひとつではないかと、私は考えている。

 日本における博物館教育論には、社会教育施設を取り巻く日本独自の環境もある。加えて、小規模館における学芸員問題などが絡むと、問題はさらに複雑である。学芸員課程の講義では、この点も問題点についても概説しているが、恐らく受講生はピンと来なかっただろう。来年度の講義では、より具体的に示し、実感を持って学生達に受け入れて貰えるような工夫をしたい。

 同時に、北海道の小規模館向けの「博物館教育論」、もしくは「博物館学」の教科書が必要な気がしている。現在、刊行されている教科書は、どれも比較的大きな規模の博物館を想定しているように思う。もちろん、理論に基づいて実験的教育を重ねるこうした事例を学ぶ事も大事だし、決して軽視している訳ではないが、一方で現実の博物館教育現場を知る、現実にはどのように工夫しているかを知るという事も、学芸員養成の現場では必要な事だと思う。この教科書構想、今年中に具体化できないかと、秘かに心中で検討している。

  
 

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