« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »

2012年2月

2012年2月26日 (日)

士別市立博物館を見学

1

 士別での植物パラタクソノミスト養成講座の2日目。無事に講座は終了した。講座の合間に博物館内の展示や収蔵庫を見学。写真は常設展示にある、レコード。自由に来館者がレコードを取りだして、プレーヤーにかけられるようになっている。大量にある未登録のレコードを、展示用に出していると言う。なかなか思い切った展示だが、次々と寄贈され、重複もいろいろとあるらしい。こういう使い方もあるのだなと思った。


2

 通票が、キャリアと共に展示されていた。左は北見、右は名寄で使用されていたおので、名寄のキャリアには通票の「玉」が入っていた。出して見せてもらい、通票をキャリアから取り出す。通票「○」であった。こちらが通票本体である事を説明し、玉を取りだした状態での展示に変えてもらった。通票閉塞器は収蔵されていなかった。


4

 本館の隣に建つ旧士別公会堂。今は本館と廊下で繋がっていて、中に展示がある。玄関を入ったところにある天井照明。星形の真ん中にライトがある。昔の士別の徽章は星に士だったようだ。


5

 本館と旧公会堂をつなぐ廊下には、旧公会堂を改修したときに出てきた建築資材などが展示されている。さきほどの「星に士」のマークも見える。士別市立博物館、小さいながらも展示室はリニューアルされ、なかなか面白い。入館料100円も安い。

http://www.city.shibetsu.lg.jp/www/contents/1128495449218/index.html

 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月25日 (土)

士別市でのパラタクソノミスト講座初日

3

 士別市2日目。植物パラタクソノミスト養成講座 in 士別(入門編)の初日である。とは言え、今は2月。植物採集を野外で実習することができない。そこで前日に市内の花屋さんを巡り、使えそうな花を探して購入しておいた。特に「ひなまつり」ということでモモに着目することに。写真は士別市立博物館で公開中のひな人形。ゴージャスだ。

Photo

 モモの花を使ってバラ科の特徴を知る。同時に、検索表の使い方を覚え、検索表を使う事に必要な植物の体のつくりを学んでいくというもの。半日かけて、モモの花を解剖し、部位の名称などをひとつひとつ確認していく。写真はモモの花の縦断面を作り、「蕚筒」や「子房周位」を確認しているところ。

 あわせてコデマリも用意。こちらもバラ科なので、「なぜコデマリがバラ科なのか?」を、検索表を使い、用語を調べながら学んでいく。どちらも双眼実体顕微鏡を使いながらの細かい作業があり、不慣れな参加者にはかなり疲れた作業の様子。特に御高齢の方には申し訳ないが、検索表を使うという体験をしてもたいたかったのである。

 明日はナノハナやノギクを見る。そして標本作製体験を予定。

  
  


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月24日 (金)

士別市立博物館へやって来た

Photo

 今日は出張で士別市立博物館へ。折しも十勝は昨晩から結構な雪で、朝は自動車の雪をハネるのが大変だったが、7時半頃には帯広を出て、雪の狩勝峠を越えながら昼過ぎに無事到着した。

 初めて来た士別市立博物館は、雪深い丘の上に建っていた。本館の隣に建つ旧公会堂が美しい。以前に小樽市総合博物館で働いていた学芸員のM君や、永年ここで学芸員を務め、今は館長のM氏が迎えてくれる。ここの学芸員はどちらもイニシャルがMなんだなという事に、今気づいた。


Photo_2

 やはり今の季節は、どこの博物館でもひな祭り。士別市立博物館でも立派なひな人形が飾られ、解説パネルが並んでいた。


Photo_3

 そもそも明日からの植物パラタクソノミスト養成講座の為に来たので、準備もあるし、今日のところはじっくりと展示室を見ることができなかったが、その中で面白いなと思ったのが鳥類の剥製。ズラリと並んでいて、しかも触って良いとのこと。触れる剥製がこれだけ並んでいるのはおもしろいと思う。

 士別は幌加内町など周辺町村と共に蛇紋岩地帯の興味深い植物の産地である。また、かつては士別軌道という小さな私鉄が走っていて、その歴史も興味深い。なかなか面白い土地にある博物館で、明日からのパラタクも博物館見学も、とても楽しみだ。

 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月20日 (月)

生涯学習社会のなかの博物館

2

 先週の土曜日2月18日に、帯広百年記念館では博物館講座「生涯学習社会のなかの博物館」を開催した。講師は帯広大谷短期大学の岡庭准教授。先生の御専門は文化人類学だが、永年、同校の学芸員課程を担当しておられる。今回もこの春に改正施行される博物館法に基づいた新しい学芸養成の方向性についても触れ、生涯学習という視点からの学芸員、博物館のあり方について、興味深い話がなされた。学芸職員の研修で話してもらいたい内容である。

 昨年から私も同校で博物館教育論を担当しているが、新博物館法施行規則では、学芸員養成における教育論の比重も高まっている。全日本博物館学会にも博物館教育研究部会が新設され、活発な議論がされている模様である。この分野では、美術館、科学館、動物園などで既に先進的な動きが昔から見られるが、いわゆる総合博物館系では取り組みが遅れている。これは「総合博物館」とは名前が壮大だが、そのほとんどが1人勤務館のいわゆる郷土資料館で、学芸員が実験的な試みをするにも障壁が大きい事が要因のひとつではないかと、私は考えている。

 日本における博物館教育論には、社会教育施設を取り巻く日本独自の環境もある。加えて、小規模館における学芸員問題などが絡むと、問題はさらに複雑である。学芸員課程の講義では、この点も問題点についても概説しているが、恐らく受講生はピンと来なかっただろう。来年度の講義では、より具体的に示し、実感を持って学生達に受け入れて貰えるような工夫をしたい。

 同時に、北海道の小規模館向けの「博物館教育論」、もしくは「博物館学」の教科書が必要な気がしている。現在、刊行されている教科書は、どれも比較的大きな規模の博物館を想定しているように思う。もちろん、理論に基づいて実験的教育を重ねるこうした事例を学ぶ事も大事だし、決して軽視している訳ではないが、一方で現実の博物館教育現場を知る、現実にはどのように工夫しているかを知るという事も、学芸員養成の現場では必要な事だと思う。この教科書構想、今年中に具体化できないかと、秘かに心中で検討している。

  
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 7日 (火)

標本写真の撮影など

Hieracium

 紀要掲載用の標本写真を撮影。さっさと撮っておけば良いものを、つい億劫がって後回しにしていたので、結局ギリギリになってしまった。紀要担当さんに申し訳ない。

 写真は昨年夏に採集したキク科の外来種ハイコウリンタンポポ。市民の方が見つけて相談に来られ、北海道野生植物研究所の五十嵐さんの手助けによって同定する事ができた。帯広市からは初記録となるが、十勝圏からは幕別町から報告があるらしい。道内では札幌や苫小牧、北見、遠軽などからも記録されており、徐々に広がっているのか。原産はヨーロッパ。


Hieracium_2

 全体に毛が多く、特に葉の表には長毛が生える。裏面には白色軟毛が密生。これは夏に野外で撮影した写真。


Hieracium_3

 これも野外で撮影した頭花の拡大写真。総苞片に黒色の微小な突起毛が混じる。

 と、ここまで御覧いただいてわかるとおり、当館の紀要はモノクロ。今日、標本写真を撮影していて気づいたのだが、カラーじゃないとわかりづらいか?特にレモン色に近い鮮やかな黄色は、やっぱりカラーでお届けしたかったような。勿論あとのまつり。
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 6日 (月)

銘菓ヤチカンバを食べた

Photo

 更別村の銘菓ヤチカンバ。これがなかなか美味しい。確かにヤチカンバは珍しく、天然記念物にも指定されており、北大時代の後輩が修士論文の研究対象としていた。世の中広くとも、ヤチカンバの名前を冠するお菓子は他に無いだろう。

 このお菓子、原料にヤチカンバが使われている訳ではない。袋の裏面には由来が書かれており、ヤチカンバの葉を形どったとのこと。実際の葉形よりは均等な楕円形。まあ、それは仕方ないだろう。

 それよりも、ヤチカンバは更別村にしか生えていない事になっているが、実際には根室圏の別海町にも群落がある。先の後輩の調査によれば、別海村の方が個体数が多いらしい。それは少し残念だが、お菓子をきっかけにヤチカンバの存在を知ってもらい、保全に一役かってもらえればと思う。

 袋裏面の説明は以下の通り。製造・販売は更別村のお菓子店ニシムラさん。

【沼沢を含む大湿原の寒冷地にそぼくに生殖し続けたヤチカンバも北海道の開拓と開発の波に押され日本ではただ1ヵ所更別にしか生殖をよぎなくされました。これは世界的にも貴重な植物であることから昭和38年7月北海道指定天然記念物として保護されたのです。
このそぼくなヤチカンバの葉を形取り地元更別の牛乳とバターを主原料として作り上げたのがこのお菓子です。】


Photo_2

 ちなみに銘菓すずらんというものもある。こちらは何で「すずらん」なのかの説明が無いが、十勝平野と言えばカシワ林の林床にスズラン群落が広がるイメージがあり、実際、私も酪農学園時代に調査に来た事がある。

 地方の銘菓に用いられている植物名の調査というのも、案外、面白いかも知れないと思った。
  
  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 5日 (日)

ひな人形展と公募写真展

Photo_2

 帯広百年記念館のロビーでは、毎年この時期、収蔵されている「ひな人形」が展示される。ロビー展「ひな人形展」である。


Photo_3

2

Photo_4

 右の掛け図は1927(昭和2)年に購入したというもの。この他、人形の古いものには1925(大正14)年のものが展示されている。


Photo_5

 これはおまけだが、受付に置いている小さな人形。これがなかなか可愛い。
 展示しているひな人形のプロフィールが、当館のホームページで紹介されている。
http://www.octv.ne.jp/~hyakunen/hinaningyou2012.html


Photo_6

 この他、市民から寄せられた十勝圏の地域写真を展示する「公募写真展 未来に伝えよう 十勝の生活文化」が開催されている。十勝の今の風景を記録し、資料として後世に遺すためのもの。まだまだ点数も少ないが、ぜひ多くの方々に十勝の今を写真で記録していただき、それを公共の地域資料として百年記念館へ納めて欲しいと思う。

  
 ひな人形展、公募写真展ともに3月4日まで開催。入場無料。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 4日 (土)

広尾線関係資料を登録

Photo

 氷まつり関連で、未登録のまま収蔵庫の奥に眠っていた広尾線関連資料を展示したので、展示終了後、資料台帳への登録を行った。これは広尾線廃止時に、釧路鉄道管理局が作成した記念品の銘板レプリカで、帯広市へ贈られたとの市助役のメモが添えられている。


Photo_4

 こちらは広尾線の翌月の1987年3月に廃止された士幌線の廃止記念品。やはり帯広市助役に手渡されている。広尾線とは銘板の地色が異なる。実際にはこのように塗装された国鉄銘板は存在しないし、あくまでも記念に作られたレプリカという事で、「鉄道路線の廃止の記録」という面での資料意義があると言える。


Photo_6

 広尾線の銘板にはメモが、士幌線の銘板には廃止当日に帯広駅ホームで、当時の市助役へ手渡している様子を撮影した写真入り色紙が含まれていた。こうした記録は大事だろう。資料としては銘板と一体のものなので、収蔵番号も枝番とした。


Photo_8

 広尾線の全駅(ただし帯広駅を除く)の駅名票の模型。透明アクリルケースに入っている。それらのうちの、これは幸福駅の駅名票。興味深いのは、実際の駅名票を撮影して作成されており、当時の落書きがそのまま記されている。単に品物しか残っていなかったが、入っていた段ボール箱に貼られている宅配便の送り状から、東京のグランパパという会社から帯広市へ送付されたものだという事がわかった。グランパパは現在も東京に存在し、当時は広尾線沿線の開発に関係していた会社だった事から、廃止にあたる記念品製作を受注したのだろう。


Photo_9

 釧路鉄道管理局のダイヤグラム。1973年4月1日改正と書き込まれており、広尾線、士幌線、白糠線、根室本線のダイヤである。元国鉄職員の方が寄贈して下さったそうで、もう1枚、標津線、釧網本線、池北線が1枚となったダイヤが保存されている。


 こうした記念品類は、扱いに困る事も多い。しかし、廃止から20年以上が過ぎ、廃止というイベントが当時どのように捉えられていたかという事を知る上で、これらの品々にも資料的意味が増していると思われる。資料研究を進め、今後の活用を考えていきたい。

  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »