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2011年12月19日 (月)

品川で帯広が展示される

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 横浜滞在3日目の12月18日。この日はまずは国立科学博物館のFさんに会う。久しぶりにお会いするFさんは北海道大学大学院時代の先輩。東京駅の八重洲中央改札で待ち合わせ、喫茶店に場所を移して、今後の標本データベース構築について打合せをした。当館の標本データは既に大半が入力されており、このデータを科博経由で公開することで、「利用の為の資料保存」が一歩進む事は間違いない。Fさんは全国の博物館の標本データをネット上で公開する為のデータベース構築に勢力的に取り組まれている。御自身も植物分類学の研究を進めておられ、その人柄からもいろいろな人に頼りにされている。

 さて、Fさんと別れた後、午後は品川へ移動。高輪にある「物流博物館」へ行く。


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 実は物流博物館で開催中の企画展「物流写真館」で、帯広駅がとりあげられている。帯広百年記念館にも照会があり、帯広市図書館所蔵の駅史が展示に用いられている。せっかくなので、その展示の様子を見に行った。受付で挨拶をすると歓迎されてしまい、かえって恐縮。二人いる学芸員のTさんとMさんが応対して下さった。


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 小さめながら、外観も内装もきれいな博物館。学芸員の方によると、もともと日通の社内研修施設のようなものだったらしい。10年程前に博物館として開館したのだと言う。


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 企画展では、物流に関わるモノやヒトが、写真や資料で紹介されていた。


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 展示の最初が、いきなり帯広駅である。根室本線帯広駅は、今でこそ客貨分離され、いわゆる帯広駅は高架の旅客駅になってしまったが、かつては客貨を扱う「一般駅」で、物流の基本機能をひととおり備えた駅だったらしい。


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 それを示しているのが、この帯広駅構内配線図。配線図に記された設備を写真入りで解説することで、鉄道輸送が中心だった時代のさまざまな仕組みを知る事ができるのである。興味深い。


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 物流には、「運ぶ」という機能の為の「包む」という機能が付随する。いわゆる「梱包」。学芸員Tさんの専門はまさにこの「梱包」らしい。昔の豆類の梱包に興味があり、今度十勝へ調査に来てみたいと話していた。


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 日通の帯広支店から寄贈された資料もあった。


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 鉄道輸送、船舶輸送、航空輸送、自動車輸送と、さまざまな運送形態があり、それぞれの昔の様子が紹介されていた。中でも鉄道輸送は最も関心のあるところ。車扱輸送盛んな時代の貴重な写真が目を引く。手小荷物輸送についても触れられていた。このあたり、じっくり話を聞いてみたいなあ。


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 思わず「おっ!」と声が出てしまった、横浜線小机駅の写真。私の卒業した高校の最寄り駅である。鉄道で到着した荷物を駅前でトラックに積み込んでいる様子が写っている。いまでは全く変貌したが、高校時代の駅舎はまさにこれで、良い雰囲気を残した駅だった。


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 謝辞には「帯広市図書館」の文字。こうして地域資料が活用されるのは有意義なことだし、資料の利用実績としてもっと市民にアピールした方が良いと思っている。


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 地下の常設展示室の圧巻はジオラマ。物流の拠点となる貨物駅、港湾、道路、空港がジオラマとして表現されており、鉄道と自動車は実際に動く。Nゲージを使っているから150分の1規格。昼間と夜が再現されていて、特に夜が良い!

 物流博物館のサイト http://www.lmuse.or.jp/


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 物流博物館の隣はカトリック高輪教会。


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 教会の前には「江戸の殉教者顕彰碑」が建つ。1623年12月4日、三代将軍徳川家光により50名のキリシタンが火刑に処された事を発端に、最終的には江戸全体で2000名が殉教した出来事で、これを「江戸の大殉教」と呼ぶ。


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 その後、急いで横浜へ戻り、神奈川県立歴史博物館、横浜開港資料館、横浜都市発展記念館へ行く。開港資料館では「港都横浜:近代日本のナビゲーター」と題した企画展を開催しており、明治時代に日本のユリを海外へ輸出していた横浜植木会社のカタログや、明治初期の郵便史資料群である五味コレクションなど、いずれも興味深い資料が展示されていた。ここは博物館ではあるが、館種としては文書館に近い。文書や写真など第一級の資料を収蔵していて、質の高い研究成果と共に、ときどき面白いテーマで企画展が開催されている。横浜へ帰ると、よくここの図書室へ寄って調べ物をする。


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 横浜都市発展記念館は旧横浜中央電話局の建物を利用したもので、みなとみらい線の日本大通り駅に接している。近代都市として発展をとげた横浜について資料収集調査研究を行う博物館で、その成果が展示で公開されている。ここは紀要の内容が面白い。という事は館が趣旨としている研究対象と私の興味関心が一致しているという事なのだろうが、横浜の都市発展史を近代史、考古学の他、生活文化史や地理学などの視点を交えて構築されている一連の研究テーマがとにかく面白い。実は資料の件で学芸員(ここは調査研究員という職名だが)の方にお会いするつもりだったが、残念ながら時間切れ。また今度にする。


 昼間は先輩にお会いしたが、夜はやはり大学院時代の研究室の後輩で、今は横浜植物防疫所で勤務されているTさんとお会いする。私の生家の最寄り駅と同じ東急東横線沿線に住んでいるので、近くで呑むことに。北海道の大学で縁の出来た友人と、横浜の、しかも近所で呑むというのが不思議な感覚だったが、お互い久しぶりで話が弾んだ。

神奈川県立歴史博物館 http://ch.kanagawa-museum.jp/
横浜開港資料館 http://www.kaikou.city.yokohama.jp/index.htm
横浜都市発展記念館 http://www.tohatsu.city.yokohama.jp/
 

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