« おみこしがやって来た | トップページ | 地形を基礎から学び直す本2冊プラス1 »

2011年9月26日 (月)

夕張にて

Photo_9

 今日は24日にシンポジウムで夕張へ行った時の話。シンポは午後に夕張市民会館で行われたのだが、午前中は斜光地区と清水沢地区を路線バスで訪れてみた。


 夕張駅に降り立ち、ブラブラと歩いていると「6丁目」というバス停に辿り着いた。時刻表を見ると10時20分発の「斜光循環」というバスがちょうど来る頃で、ほどなく夕鉄バスがやって来たので、終点まで乗ってみた。初老の運転手氏に折り返しの時刻を聞いてから下車すると、高台にあるバス停の目の前には花畑牧場の工場と見学施設がある。実質的にはここを見学するためのバス停なのだろうが、申し訳ないことに全く興味が無く、背後のススキ草原の斜面をひたすら登る。秋の草原に吹く風が気持ちよい。


 やがてススキ越しに、かつての炭鉱の遺構が見えてきた。いつかあそこまで近づいてみたいのだが。


Photo_8

 写真は終点の「斜光」に停車中の夕鉄バス新塗色。もうこの色の車輌の方が多い。野幌在住時や、酪農学園大学へ非常勤講師に行く時に乗った。懐かしい。今はどうか知らないが、私が学生の頃は夕鉄バスにはバスカードが無く、金券綴り式の回数券を購入したものだ。このバスで清水沢まで戻ってみる。


Photo_2

 写真は清水沢駅前の文化堂書店。駅前に、こうした本屋さんが残っているのは、正直驚いた。帯広駅前にも無いぞ。しかも店主は若い方であった。文房具屋を兼ねていて、ちょうど切れかかっていた事務用箋をひとつ購入。


 もうひとつ『夕張学』という地元雑誌を購入。ところが、私の購入した号だけ奥付が無く、刊行年がわからなかったので店主さんに聞くと、電話で問い合わせてくれた。しかしその電話ではわからず、わかる方に電話で問い合わせてくれると言う。汽車の時間があるので良いと言うと「わかったら御連絡しますから電話かメールを教えてください」と。後ほど帰宅すると、きちんとメールで連絡が来ていた。なかなか文化度の高い、頼もしい店主さんであり、書店である。石勝線夕張支線清水沢駅前の文化堂、皆さんもよろしく。


Photo_3

 これは清水沢駅前の通り風景。旧塗色の夕鉄バスが懐かしい。野幌在住時によく乗ったものだ。バスの前にある「駅前食堂」でラーメンと炒飯のセットを食べたが、醤油ラーメンが美味しかった。横浜に居た頃によく食べていたラーメンに似た味がする。


Photo_4

 清水沢駅舎。良い雰囲気の駅で、しかも駅前にタクシー乗り場やバス停もある。「駅前」の要素がしっかり詰め込まれている。それにこの駅には、平日の日中だけだが駅員さんが居る。それも委託ではなく社員配置である。


Photo_6

 清水沢駅の出札窓口と改札口。改札ラッチこそ無いが、自動券売機が無く(かつてあったが撤去されたそうだ)窓口のみ。そして窓口では平日の7:10〜14:00まで、駅員が配置されて切符を売っている。日曜日のブログでも書いたが、特急券も鉄道電話に補充券使用で発券してくれる。昔の国鉄駅そのものである。


Photo_7

 変わってこちらは終点の夕張駅。清水沢駅と対称的に、これはまた奇抜な駅舎である。駅舎内では観光案内所とイタリアンレストラン(カフェかな?)が併設されている。切符は販売しておらず、この駅舎の向かいにある、巨大なホテルのロビーカウンターが、夕張支線内のみ乗車券を簡易委託で販売している。この簡易委託があまり知られていないらしいのは日曜日に書いたとおり。ぜひ利用して欲しい。


Photo_12

 午後からは北海道産業考古学会のシンポジウム。鉄道遺産の保存がテーマである。挨拶に立っているのは、北海道産業考古学会会長である酪農学園大学の山田先生。初めてお目にかかった。


Photo_13

 シンポジウム開催にあたり、歓迎の挨拶を述べた、夕張市の鈴木市長さん。話には聞いていたが、本当に若い市長さんだ。この後のSL館見学まで一緒に来られ、石炭博物館やSL博物館の将来について、参加者から様々な意見を聞いていた。若い人が市長や議員になるのは本当に良い事だと思う。ぜひ頑張って夕張市の再建に立ち向かって行って欲しい。


Photo_14

 この会場の建物時代が、元々は夕張鉄道の夕張本町駅舎だったのだそうだ。もうひとつの主催者である三菱石炭鉱業大夕張鉄道保存会の奥山会長(写真左)の御案内で、建物一階の元駅施設部分を見学する。元夕張鉄道機関士だった方も駆けつけ(右)、機関士の「正装」で解説をして下さる。


Sl

 現在は閉館しているSL館。石炭博物館の附帯施設だったが、現在の夕張市「石炭博物館条例」では、SL館は対象に含まれて居らず、扱い保留の状態である。ハリボテの巨大なD51が特徴的な建物。


Sl_2

 扱い保留のまま電源が落とされているので、懐中電灯と差し込む陽の光で見学する。室内には機関車や鉄道備品がびっしり。


Photo_15

 機関車が傾いているのがわかる。これ以上傾くかどうかが議論になっているらしいが、危険な状態であることは事実であろう。


Photo_16

 地盤の関係もあるし、枕木が割れてきていて犬釘が浮いている。線路が傾いているのが原因だ。展示スペースと機関車の保存場所を分離するなど、いろいろと検討はされているらしいが、予算的に厳しい現在の夕張市の状況から見て、早急な対応は困難らしい。難しい課題だ。


  Photo_18

 打音検査の実演。音の違いを説明して下さる。こういう解説が経験から出来る人は、どんどん少なくなっている。SL館を活かして語り継いでいって欲しいと切に願うのだが・・・


Photo_17

 シンポジウムはこの後、3件の大変興味深い講演を聴いた。議論の時間がほとんど無くなってしまい、講演会として終わってしまったのが残念だが、来てみて良かったなと思う。新たに面識を得る事の出来た方々も居り、有意義であった。


 再び夕張駅へ戻り、駅前の屋台で呑んだ後、支線で新夕張へ戻る。せっかく駅前に屋台村などがあるのだが、ほとんどの人は自動車で来てしまう。しかし、汽車の時間を告げると、屋台のおばさんは「じゃあ、ザンギは持って帰るか?」と包んでくれ、会計の順番も先にしてくれたた。


 新夕張では、接続の特急が札幌付近での人身事故の影響で1時間以上の遅れ。待合室で隣に座っていた上りの札幌行きに乗るという男性と歓談する。今日は同期会があって新夕張まで来たが、なんと今は江別市大麻に住んでいるということで、話が盛り上がった(私も以前、大麻泉町に住んでいた事があった)。一方で、元北炭の従業員だった方で、いろいろと苦労された話を聞くことも出来た。


 霧の中を追分からやってきた夕張行き普通列車のキハ40。夕張、不思議な街である。10月10日にツアーで再び訪れる予定だが、またじっくり来てみたい土地である。

  

|

« おみこしがやって来た | トップページ | 地形を基礎から学び直す本2冊プラス1 »

地理」カテゴリの記事

コメント

10日はおつかれさまでした。充実した信号所&夕張巡りでした。三弦橋を見るのが最初で最後となってしまったのが残念でなりません。

投稿: 持田誠 | 2011年10月13日 (木) 12時19分

先日はありがとうございました。

>文化堂

書棚に空きが多いのが寂しいのですが。
10日もよろしくお願いします。

投稿: ooyubari9201 | 2011年10月 7日 (金) 21時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/572033/52842429

この記事へのトラックバック一覧です: 夕張にて:

« おみこしがやって来た | トップページ | 地形を基礎から学び直す本2冊プラス1 »