夕張支線で切符いろいろ
昨日9月24日は、夕張で鉄道遺産保全に関するシンポジウムが開催された。開始は午後だったので、午前中は市内を路線バスで巡ってみた。夕鉄バスに乗るのも久しぶりだ。
夕張。それは財政破綻の街である。しかも夕張支線は本当のローカル線である。少しでも夕張支線での売り上げ増に貢献したいと思い、帰りの切符はあえて帯広で購入しないで居た。現地で買おうと考えて来たのである。
夕張駅では、駅前のホテルのロビーで、新夕張までの乗車券を簡易委託で販売している。しかし、夕張駅内の観光案内所の人はそのことを知らず、切符なら清水沢で日中だけ販売していると言う。そちらは初耳だったので、夕鉄バスで清水沢駅へ行ってみると、朝7時から14時まで窓口に人が居て、切符の販売をしていた。
そこで、帯広までの帰りの乗車券と特急券を購入。すると、出されてきたのは久方ぶりに見る、手書きの出札補充券だった。
こちらは新夕張から帯広までの特急券となる、料金専用補充券。発券端末が無いので、希望の列車を告げると、駅員さんが電話で空席照会をする。それを聞き取って、補充券に手書きで列車名や座席名を記入するのである。記入は鉛筆であった。
補充券の場合、大抵はどこかがゴム印になるものだが、「清水沢駅」の発行駅名表示以外は全て手書きという、いまどき珍しいものである。嬉しいので、帯広駅で下車の際に無効印を押印してもらい、両券ともありがたく頂戴した。
シンポジウムは夕張で開催なので、同時に夕張までの乗車券も購入。すると、なんとこちらも補充券で発行された。これには驚きである。少なくとも石勝線(夕張支線)内は常備券片があるだろうと思ったのだが、どうやら全て手書き補充券らしい。発車間際に駆け込んでくる乗客には対応できないのではないかと思ったが、そうした人は少ないのだろうか。
こちらはその場で入鋏(丸印だが)。清水沢の入鋏印が手元に残り、これは嬉しい。
せっかくなので、入場券も購入。かつて「入場漁り(いりばあさり)」と呼ばれた硬券収集も、肝心の硬券が発行されなくなってきたので下火であり、私もしばらくやめていたのだが、やはり常備駅に来たからには購入したくなる。
入場券裏面。硬券は、その日最初の発売券の裏面には赤鉛筆などでチェックが付けられる。これは、昨晩の売り上げ枚数をチェックした時の名残である。今回、チェックが無かったということは、私以前に今日、入場券を購入した鉄道ファンが居たということであろう。
ちなみに、こちらは夕張駅前のホテルが簡易委託を請け負って販売している、新夕張までの乗車券。ロビーで「切符が買いたい」というと、少々驚いた顔をされると共に「帯広までは売れない。新夕張まで」と教えてくれる。そこで新夕張まで買うことにすると、奥から缶に入った切符を持ってきて、何やら探している。見つかった券にゴム印を押印したり日付を入れてから売ってくれたのだが・・・。
この乗車券。かなり変わっている。無人駅を示すマルムは良いとしても(発行駅表示はマル簡なのだが?)、まずは発行日に驚愕。平成22年10月8日付である。この日に日付空欄でたくさん発券したものなのだろうが、約一年前だ。いかに簡易委託が知られていないかという事を如実に示している。
最大の不思議は、ホテルマン氏が押してくれたゴム印。「ゆき/有効期間は片道の2倍」と書かれている。夕張から新夕張まで、350円の乗車券だぜ。券面にも「途中下車前途無効」と書いてあるにも関わらず、これでは「2日間有効」になってしまうではないか?
なかなか面白いので、この切符は使わず、帰りは夕張から新夕張までの運賃を、車内で精算。この乗車券ももらってきた。いや、今回の夕張行きは、切符のいろいろで楽しめた。
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