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2011年8月 9日 (火)

麦チェン!北海道

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 さて麦チェン!である。

 先月、札幌へ出向いた際、途中のサービスエリアだか道の駅だかで、この麦チェン!のリーフレットを見つけた。なかなかよく出来ているので、帯広へ戻ってからすぐに北海道庁の担当部署へ連絡し、当館で配付したいからリーフを送ってくれと頼んだら、十勝総合振興局経由で今日届いた(たまたま局の方が緑ヶ丘周辺に住んで居られるとかで、夕方の帰宅時にわざわざ持参してくれた。ありがとう!)。


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 これがその「麦チェン!北海道」のリーフレット。「笑顔のみなもと!どさんこむぎ」と書かれているのだが、道産子と小麦をかけあわせた造語「どさんこむぎ」という言葉に少し笑ってしまった。


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 北海道では今、国産小麦の自給率を高めることを目的に、道産小麦を使った食材づくりなどに取り組む人や団体を応援している。外国産小麦から北海道産小麦への転換、すなわちこれが「麦チェン」だ。

 平成20年産の小麦の国内自給率は約88万トンで、全国内需要609万トンの14%。実に86%が外国産小麦に頼っているのが現状。しかし、その14%の国産小麦の実に61%にあたる54万トンが、北海道で作られているのである。ちなみに、そのうちさらに道内最大の小麦産地がこの十勝である。理由は豆やビートなどとの輪作体系にうまく組み込まれているかららしい。

 
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 では、道産小麦は実際にどのように流通しているのか?このグラフ、最初は意味がよく理解できなかったのだが、要するに北海道で作られた小麦のほとんどが道外(本州)へ出て行ってしまっており、道内で製粉されていないということ。江別など大規模な製粉工場のある北海道でも、その原料小麦のほとんどは輸入小麦だというのが現状なのである。

 国内最大の小麦産地でありながら、自分のところでは製粉せずに本州へほとんどを流してしまい、自分たちは外国から輸入した小麦で商売している。これはちょっと不思議な話ではありませんか?(まあ理由はいろいろあるのだが)ということで、地産地消の一環としても、北海道産小麦をもっと北海道自身で使おうよ!というのが麦チェン!なのである。


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 先々週あたりに、十勝では秋まき小麦の収穫を終えている。上表は麦チェン!リーフレットに掲載の主な道産小麦品種。私が酪農学園大学へ在学していた頃に比べ、小麦の品種もずいぶんと新しいものが増えてきたのだが、今期最大の注目を集めていたのが「きたほなみ」。従来の「ホクシン」にとってかわる新品種として前評判の高かった「きたほなみ」は、今回一斉転換で大幅に作付け面積が増えてからの収穫だったのだが、天候などの関係で期待より収量は上がらなかったらしい。それでも、基本収量は上がり、これからが期待される。

 一方、かつて一世を風靡した「チホク」は姿を消し、「ハルユタカ」は「春よ恋」にどんどん差をつけられている。小麦の品種改良はグングン進んでいるようである。


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 この「春よ恋」。日本産小麦の弱点であったグルテン含量などを飛躍的に向上させ、製パン特性に優れているのが売りである。日本産小麦は昔から中力粉系で「うどん適性」の高い品種が多かったのだ。これからは「春よ恋」を使ったパンや、さらに新品種の「ゆめちから」を原料としたパスタなどが多数登場してくることを期待したい。

 ところで余談だが、「春よ恋」というネーミングは「春を待つ」というイメージを抱かせるので、春まきではなく秋まき小麦に付けられるべき品種名なのではないか?という不満が私にはある。しかし、まあ名前はともかく、優秀な品種が北海道の畑でグングン育つのは嬉しいものである。

 帯広百年記念館には「十勝の農業」の常設展示室がある。さっそく麦の展示コーナーなどを通じて、麦チェン!をアピールしよう。リーフレットは明日から館内で配る予定。

 北海道庁農政部の麦チェン!北海道のホームページはこちら http://bit.ly/pyUJQ9

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