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2011年7月

2011年7月30日 (土)

ビート資料館で取材を見学

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 大谷高校放送局の生徒さん2人が、先日から「とてっぽ」の取材に来ている。十勝鉄道を題材とした番組作りを進めているとのことである。29日は、十勝鉄道資料を収蔵しているビート資料館に展示品の撮影へ行くというので、頼まれていた用件もあったので、時間を合わせて行ってみた。


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 ビート資料館は、日甜の資料館である。日甜さんの社史資料や、ビートから砂糖ができるまでの工程が展示・解説されている。


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 十勝鉄道の機関車模型や乗車券類なども展示されている他、収蔵庫にもいくらかの文書類があった。収蔵庫にどのような資料があるかのメモをとり、文献を少しコピーさせてもらった。十勝鉄道資料については、あらためて調査に来たい。

高校生たちは映像を撮影後、夕方には日甜の社員の方々に、直接お話しを伺うと言う。良い番組になるよう、できる限りの協力をしていきたいと思う。

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2011年7月28日 (木)

植物パラタクソノミスト養成講座in帯広

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 7月23日(土)〜24日(日)は、植物パラタクソノミスト養成講座in帯広(初級)を開催した。帯広百年記念館を会場にパラタクソノミスト養成講座を開催するのは2回目で、植物は初めてである。しかし機材が無いため、前日の22日には北大へ顕微鏡などを借受に行き、終了後の25〜26日には返却に行くなど、事前事後の準備・後処理がなかなか大変。それでも、地方で講座を開催する意義はある。


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 今回の受講者は6名。うち帯広市民が4名で、鶴居村と士別市から1名ずつが参加。初級ということで初日の午前中は植物標本の意義や分類のシステムについて講義。


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 午後は緑ヶ丘公園の中で植物採集。胴乱を下げ、根堀や剪定ばさみ、高枝切り鋏を用いて、標本用の植物採集について実習する。


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 採集植物の仕分け。全員で同じような植物を採集したが、今回は初回の実習ということで、全草標本を原則としたため、重複標本がたくさん出来た。


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 新聞紙に広げ、挟む。これを「標本紙」という。この上下に何も挟んでいない新聞紙を置くが、これが「吸水紙」となる。俗に「手差し」と呼ぶ完全手動の標本作成では、毎日この吸水紙を交換する。その際、標本紙をソット開いて、標本の整形をするのがポイント。時間がかかるが、美しい標本になる。


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 標本を挟む際に大事なのがココ。各標本紙には、採集年月日、採集場所、自分の名前を書く。まあ、名前は書かないことも多いが、できるだけ書く。そうしないと、将来、マウントするまで保管している間に、その標本が何なのかがわからなくなる恐れがある。これまでの標本整理で、ウンザリする程みてきた「採集情報なし」の押し葉。残念ながら標本価値が無くなってしまうので、これでけは面倒でも徹底させる。


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 岩手の罹災標本修復の際、市内のアラオ印刷さんから寄贈いただいた乾燥機。今回は手差し乾燥の他に、熱風乾燥機利用、ふとん乾燥機利用など、3種類の乾燥方法を紹介した。乾燥機を使う場合は吸水紙を挟まず、代わりにダンボールの板を挟む。ダンボール板の「波」の方向に注意が必要。


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 2日目は同定入門。まずは植物の体のつくりを学ぶ。廃校になった帯広市第6中学校の理科室から移管した、花の構造模型をさっそく利用。「合弁花」や「筒状花」などを、模型と実際の解剖の両方を使って学んでいく。


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 ここで必要となってくるのが、双眼実体顕微鏡と共に、高精度のピンセット。やはり先端がきちんと噛み合うような、精密なピンセットが解剖しやすさを左右する。今回は顕微鏡もピンセットも北大から借用。顕微鏡はともかく、ピンセットくらいは帯広市自前で用意したいものである。


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 植物の解剖や顕微鏡の操作、頻出する専門用語などに戸惑う受講生たち。初めてなのだし当然で、それに慣れるための講座なのだが、やはり時間が不足気味。標本作成と同定の講座を分ければ良いのだろうが、それもどうかなと思い、結局毎年一気にやってしまうのだが・・・。


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 検索表は平凡社刊行の『日本の野生植物』フィールド版を使用。こればかりは、実習利用をにらんで非常勤講師をやっている大学の教材用消耗品費で、コツコツと揃えてきた。検索表は人数分を揃えて、じっくり使わせてあげたいので。嘱託職員、非常勤講師という身分のはかなさから、自前で予算を組むことなどできず、あらゆる手段で教材を揃えていく工夫が必要なのである。


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 同定ができたら標本ラベルの作成。見本のラベルを見ながら、製図ペンで採集情報を書き込んでいくのだが、アルファベット表記と日本語表記の両方を書かせるようにする。最近はアルファベットのみの表記も見かけるが、これも経験上、特に地名の混乱を招く場合があるので、漢字表記も大切。


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 手書きラベルの他、プリンタ利用による作成方法も紹介。こちらはラベル印刷用のドットインパクトプリンタで、北大総合博物館から運んできた。これ欲しいんだけど、Macで使えるものが少なく高価なのが難点で、今回もプリンタ用のwindowsノートまで一緒に借りてきた。


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 そして双葉製作所の標本添付器を利用したマウントの実習。台紙への固定法を学ぶ。植物体そのものにのり付けしないように、同定ポイントを隠さないようになど。外れた部品をパラフィン紙で包んで台紙に保存したり、保護袋の静電気が標本を壊すので、標本の上にパラフィンをかぶせたりなどのポイントも紹介し、2日間の実習は終了とした。みんなおつかれさま!

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2011年7月21日 (木)

触って感じる地理、そして昔のおもちゃ

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 今日は帯広盲学校の生徒さんが1人、先生に連れられて見学に来た。そこで、目の不自由な方にも展示を判りやすく知って欲しいと考え、触れる資料や標本を用意してみた。また、「十勝」を知って貰うために、常設展示室に導入部として掲げてある北海道の地図に、ちょっと小細工をした。


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 この展示は、北海道の航空写真をバーンと壁に掲出し、そのうち十勝圏のみを浮き出したもの。なので触れてみることで、十勝圏の輪郭、すなわち「十勝のかたち」を知ることができる。

 この「かたちを知る」というのは、案外地理教育上で重要なことである。なぜなら、行政区画は自然と山脈や河川・海岸線などの影響を受けて縁取られるからである。十勝も北西端に十勝岳やトムラウシを追いて北は大雪山系などの石狩山地が走り、一方西から南にかけては日高山脈が走り、東縁は白糠丘陵、南東部は十勝海岸と、なぞることで自然地理的なイメージをつかみやすいからである。


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 ところがこの地図。輪郭はなぞれるのだが、他は平面である。十勝の内部がわからない。特に川の流れは十勝の歴史形成にも重要なので知って欲しい。そこで、目の不自由な生徒さんにも、触って川を感じて貰うために、川に電気のコードを貼り付けて立体にしてみた。これで、川がどう流れているかを手で触れて感じることができる。


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 と云う訳で、十勝川、札内川、利別川の流れをコードで表現。ちなみにこのコード、先月に壊れてしまったMac Book Proの電源コード(廃棄品)から切ってきた。思わぬところで再利用。


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 展示案内の仕上げは、館内に復元されている「越中造り」家屋に上がり込み、昔のおもちゃで遊んでみようというもの。タタキから上がるときの高さ、灯りの暗さ、板の間の手触りなどを感じてもらい、当時の子供達が遊んでいた玩具を手にとって貰う。


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 生活文化史資料を担当しておられるI学芸調査員に、いくつかの玩具を出して貰った。これは当館の学芸員が自作した「パタパタ」と呼ばれるおもちゃ。ぶらさげて持つと、一番の上の板がめくれかえり、パタパタと音を立てて吊してある板が次々とめくられていくのが面白い。生徒さんも気に入ったみたいで何度も試していた。


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 これは「竹割り」。ただし文献になかなか出てこないそうで、どういう由来のものか、遊び方はどうだったのかが具体的には不明だった。考えていてもわからないので、兵庫県姫路市にある「日本玩具博物館」へ電話し、向こうの学芸員に問い合わせた。

 「あのう、こういう形のおもちゃがあって『竹割り』と呼んでいるのですが・・・」と切り出したところ、即座に「竹返しのことですね」と返答。恐らく江戸時代頃から広まった玩具で、全国的には「竹返し」の名で知られているとのこと。さ、さすがは玩具博物館の学芸員。一発である。やはり頼れるものは博物館、そして学芸員である。

 あらためて「竹返し」で調べてみると、ネット上では遊び方が動画で公開されているなど、かなり普及している様子。この動画を見ながら練習してみたが、難しい。学芸員、学芸調査員、博物館資料調査員で集まって、昨日の夕方はしばし「竹返し」で遊んでしまったが、資料情報の整備のためにも、遊び方や由来など、きちんと記録しておこうと思う。


 日本玩具博物館のサイトはこちら。一度、実際に訪れてみたい。

http://www.japan-toy-museum.org/

  
  

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2011年7月20日 (水)

ゴボウの根や花をじっくり観察してみよう、の授業を開催

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 なぜか昨日とうって変わって寒い朝の帯広。今日は森の里小学校4年生の環境教育。総合学習として取り組まれている毎月1回の授業の日である。


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 今回は草本植物の体のつくりを見ていようということで、ゴボウの根を掘ったり花をバラしたり。けっこうみんな真剣な表情でゴボウの花の蕾を剥き、中から筒状花がたくさん出てきて、めしべなどを確認していた。


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 草刈りで花茎が折れてしまった個体は地下を掘り、花茎が伸びている個体は地上部を見る。両者の大きさの違いに驚き、根のごつさ、売られているゴボウとの違いにまた驚く。学校ビオトープの面からはゴボウは少し増えすぎな感のある植物だが、だからこそ教材として大活躍する。


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 そのビオトープではオオウバユリが咲いた。こちらも花を観察させる。見事に花が咲き、乳母(葉)の枯れ上がったオオウバユリ。


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 こちらは先週、3年生の授業で設置した、クロヤマアリの巣穴をいったん崩して蓋をしてみた実験。あれから巣はどうなったか、今後の授業の為にもその後の経過が気になっていたが・・・


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 どうやら思惑通り、植木ばちやブロックの下で巣を修復した様子。すぐ脇に掘られた巣穴から、クロヤマアリが出入りしている様子が確認できた。こうなると、これらを開ける日が楽しみになってくる。
  

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2011年7月19日 (火)

CINEとかちプリンス劇場

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 帯広駅前には映画館が2つある。そのうち、いわゆるミニシアター(市民映画館)として、映画上映サークルCINEとかちにより運営されているのが「プリンス劇場」である。日頃は月曜日休業だが、今週は月曜日が祝日で火曜日が公休日だったので、映画を観にでかけた。


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 映画館は2階。木造の小さな映画館で、札幌ではもうこんな映画館は残っていないだろう。ちょっと雰囲気が暗いので、最近の明るい映画館に慣れた世代には、入るのに少し勇気が必要かもしれない。かつて出身地横浜の最寄り駅前にあった映画館(ずいぶん前に潰れた)も、こんな雰囲気であった。


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 壁には2003年に廃館の危機を乗り越えてオープンした時を伝える新聞記事などが貼られている。廊下にも映画批評やポスター、パンフレットが貼られている。小さな小さな映画館だが、文化の灯を残し伝えようとする人々の意気を感じる。


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 このプリンス劇場の入っている建物。築58年だそうである。そして今、移転先を探している。建物の老朽化が激しく、消防法上の改善を行うのが資金的に厳しいというのが理由だそうである。現在地での営業は、契約更新時期にあたる来年2012年9月30日に終了の見込み。

 移転候補地は、街中の映画館という存在を守りたいので、駅周辺を考えていると言う。歩いても、バスや電車でも来られる市内中心部が良いという考えは、実際に私のように路線バスに乗って観に来ている者としては、とてもありがたい。だからこそ、良い移転先が見つかることを祈るばかりである。

 帯広駅前付近でどこか、映画館として活用できそうな場所。ご存じ有りませんか?

CINEとかち http://cinetokachi.net/

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2011年7月18日 (月)

雨があがりました

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 降り続いていた雨が昼過ぎにあがった。少しずつ晴れてきて、夕方までには夏の日差しに戻った。帯広市緑ヶ丘公園も夏の休日らしくなり、十勝池はのんびりとした夕方を迎えた。人気の無かった池にはボートが浮かび、散策する人や自転車の姿も見える。


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 マガモの親子が水面を進む。ボートがたくさん出てくると、どこかへ隠れてしまう。岸辺の草むらが彼らを優しく隠してくれているのだろう。


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 オオカワズスゲ。スゲの季節も終わりに近づいている。北海道は、8月にもなれば、夏ももうすぐ盛りを過ぎる。イネ科の季節、キク科の季節、タデ科の季節と、秋へと向かって突き進んで行く。
  
  
  

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2011年7月16日 (土)

藤丸の古い台帳について聞き取り調査

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 このブログで2月に御紹介した、藤丸の古い台帳。この台帳の資料情報を集めようと、前館長のM氏にお願いして、藤丸の社史にお詳しい方を紹介いただいた。毎月16日、浄土真宗帯広西別院で朝6時30分から行われるという勤行に参加されているということで、それならば勤行にも参加させてもらおうと考えて、今朝、M氏に連れて行ってもらった。

 ちなみに、キリスト者がお寺のお勤めに参加することには、特にプロテスタントの立場から異論がある場合もあるが、信仰の対話、日本の風土におけるキリスト教信仰などの面で、私は良いと思っている。特に親鸞の教えとキリスト教との間には共通点も多く、かねてから興味を持っていた。


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 今でも非常勤で藤丸の監査役を務めておられるF氏は、台帳を見るなり「この製本には見覚えがある」と言う。この台帳は、中身は個人経営だった「藤丸呉服店」時代のものだが、昭和25(1950)年頃、法人となって経理体制を整えた際に、旧来の台帳も含めて製本・保存したものだそうだ。


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 中を見ていただき、台帳の性格や記述の意味などについて話を聞く。最初のページ。ここから記されているのは、足袋に関する仕入れ業者と、そこへの支払い金額、支払いの締め切り日、実際に支払った日だそうだ。


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 台帳側面には「貸借」の文字があるが、要は手形の支払い台帳だったのである。ところどころにある仕切りを示す付箋は、早払い割引や個人取り引きなどの部門別を示す。一番上段の日付が取り引きのあった日、二段目が締め切り日、一番下にある「十二」「安」は手形を扱う銀行を示すものであることもわかった(十二→十二銀行→現北陸銀行、安→安田銀行→富士銀行を経て現みずほ銀行)。


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 さらに、この台帳には随所に朱印が押されている。「藤本」と記されたこの印鑑は、初代社長の藤本長蔵の印であると言う。明治30年に富山から帯広へ来た藤本長蔵は明治33年に「北越呉服」を開店。その後、昭和5年に現在地へ移転し「藤丸呉服店」として百貨店経営を開始する。この帳簿には「昭六年」の文字が見え、個人経営ながら百貨店となってすぐの帳簿らしい。

 その他、藤丸創業の頃にいろいろな話をお聞きし、貴重な聞き取りとなった。この台帳は藤本家にしばらく保存されていたが、現在は処分されて他に現物は残っていないだろうと言う。

 藤丸創業時の取り引きの様子を記録した社史としての重要性もさることながら、当時の扱い商品、手形決済に実状や価格など、生活文化史や経済史の資料として貴重な情報が詰まっている資料だ。今後は藤丸さんへ類似資料の残存を確認した上で、新着資料としてロビー展の開催やニュースレターでの紹介などをしていきたい。

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2011年7月12日 (火)

真夏日の帯広でアリの観察と調査の準備

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 今日は最高気温が32.9℃を記録と、真夏日であった。そんななか、森の里小学校で3年生に「アリの観察」を指導しに行く。毎月1回、先生方と共に実施している環境教育である。

 今日はアリの巣を掘って、中の様子を見てみようというもの。意外にも、アリの巣を掘り返したことの無い子が多い。アリを触れない子もたくさん居て、これには少し意外だった。しかし、スコップで巣を掘り、中から幼虫や繭が出てくると、たちまち大騒ぎに。夢中になって、観察用に各自へ配付した管瓶に捕まえ始めた。

 暑いので、そろそろ羽アリが出てくることを期待したのだが、巣の中から雄アリとおぼしき翅を持つアリを見つけることができた。不思議そうに羽アリを見つめる子供達を見て、今日が暑くて良かったと思った。


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 次に、掘り返したアリの巣を再び埋め、その上にコンクリートブロックや植木ばちを被せてみる。うまくいくかどうかわからないが、アリがこの下に巣を作ってくれることを期待したものだ。来月までこのままにしておき、植木ばちをそっと持ち上げると巣が観察できる、そんな結果を願って試しにやってみたものである。

 巣を埋め戻したり、上にブロックを置いたりしていると、子供達から
「アリが生き埋めになっちゃうよ」
「アリが潰れちゃう」
 などの声が次々と上がる。そんなことはないよ、というのを説明しながら作業を進めるが、たしかに森の里小学校のクロヤマアリには気の毒なことではある。しかし、すっかり霧中になった子供達を見ながら、子供の好奇心とは凄いモノだなあと、あらためて思った。


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 午後は、記念館から離れたところにある第3収蔵庫という名の廃屋?に、明日からの調査で使う赤白ポールを探しに行く。明日から3日間、北大植物園から大学院生のT君がやって来て、一緒に豊頃町のトイトッキ浜へ植生調査に出かけるのである。そう告げると、K館長みずから車を出して下さった。申し訳なかったが、とても助かった。あれは1人ではみつからなかった。

 写真は6月に下見に行ったときのハマニンニクやナンテンハギなどが咲く海岸草原の様子。

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海食崖の上に広がるウシノケグサなどの草原。6月


 帰りしな、筑波の農業生物資源研究所のT研究員から依頼されている、エゾノキヌヤナギを採りに行く。どうもオノエヤナギが近接しているし、純粋なキヌヤナギというより雑種の可能性が疑われるのだが、T研究員に電話で確認したところ「たぶん食べますよ」。実験で飼育している虫に与えるのだそうである。夕方、ヤマト運輸のクール宅急便で発送。

 あとは明日からの準備。今日は暑いくらいの天候だったが、明日から少しずつ悪くなる。フィールドへ出ると天候が崩れるという、相変わらずの雨男な状況、なんとかならないかな。
  
  

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2011年7月11日 (月)

斜里町で「すげの会」

 7月9-10日に開催された、すげの会北海道大会。会場はオホーツクの斜里町。北大時代の研究室先輩である知床博物館学芸員U氏が実行委員長ということもあり、特にスゲの専門家という訳ではないが、愛好家の一人として参加することにした。すげの会の存在は何年も前から知っていて興味があったのだが、これを機会に入会。前日の8日に斜里入りし、本日11日に帰宅した。

すげの会 http://bit.ly/d4xRGB


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 すげの会は、すげを愛する人たちの集まり。いわゆる学会としての性格も有しているが、アマチュアの人たちを中心とする「すげを愛する」人たちの研究会としての性格が強い。大会も、メインは発表よりも、どちらかと言うと同定会や採集会の方に重きが置かれている。

 という訳で、懇親会場で開催された同定会。全国から採集した標本を持ち寄り、専門家に見て貰いながら、カンカンガクガクの議論で盛り上がる。珍種はもちろんのこと、普通種でも形態のおかしいものや雑種の疑いがあるものなど、微妙な標本がたくさん。ひとつひとつを丁寧に、みんなの目であれだこれだと同定していく、この雰囲気はすげの会独特のもので、なかなか楽しい。


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 翌日はエクスカーション。斜里町峰浜の海岸でスゲを採集する会員たち。これがまた楽しい。


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 スゲにとっての良い時期、すなわち採集適期は、花より果実の熟した頃である。しかし、北海道でもそろそろスゲシーズンは終盤。しかし海岸では、コウボウシバ Carex pumila Thunb. がまだまだ熟した果実をたくさん付けていた。


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 あいにくの雨となったが、羅臼岳の登山道でスゲを観察。クマスプレーの使い方を説明する、斜里町立知床博物館のU学芸員。会員たちは笑いながらも興味津々、真剣にヒグマと人との付き合い方について話に耳を傾けていた。


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 楽しかった2日間も終了。私は昨晩、知床博物館の宿舎に1泊させてもらい、今日の朝、帯広へ戻ってきた。夕方に斜里を出たのでは、釧路での接続が悪い関係で、その日中に帯広へ帰れないのである。札幌へは夜行バスが出ているのだが、帯広は通らない。特急「まりも」のあった時代が懐かしい。

 夕方、網走へ向けて斜里を発つ釧網本線普通列車のキハ54を、なにげなく見送りに行った。暮れた空に尾灯の赤い光が印象的な光景であった。


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2011年7月 6日 (水)

ヤマブキショウマが満開

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 帯広市の緑ヶ丘公園では、今、ヤマブキショウマが満開。細長いクリーム色の花序が、そよ風に揺られている。

 植物には、●●ショウマと名前が付くものがいろいろとある。6月下旬、浦幌町から池田町へ抜ける林道では「ルイヨウショウマ」を見た。ルイヨウショウマはキンポウゲ科である。緑ヶ丘公園のヤマブキショウマはバラ科。一瞬、本当か?と思うが、花の構造がきちんとバラ科となっている。

 この他、「モミジバショウマ」や「トリアシショウマ」はユキノシタ科。秋口に咲く「サラシナショウマ」はキンポウゲ科だ。ちなみに、上記で「ルイヨウショウマ」と記したが、6月には緑ヶ丘公園で「ルイヨウボタン」が咲いていた。こちらはメギ科である。

 「ショウマ」とは漢字で「升麻」と書き、漢方薬の名前である。日本薬局方の生薬名称も「升麻」とされている。

 元来はキンポウゲ科のサラシナショウマの事を差す。ルイヨウショウマは「類葉升麻」で、葉がサラシナショウマに似ているから。ヤマブキショウマは「山吹升麻」で、花の雰囲気を山吹に見立て、葉がサラシナショウマに似ているからという理由で、それぞれ名付けられたらしい。

 ちなみに、バラ科であるヤマブキショウマにも、ユキノシタ科であるトリアシショウマにも、サラシナショウマのような薬効は無いらしいが、同じキンポウゲ科のルイヨウショウマは、生薬「升麻」として用いられるようである。

 北海道医療大学の堀田清先生が、ブログで「升麻」に触れておられる。石狩当別にある北海道医療大学には、北方系生態観察園という森がある。一度行ってみたいと思っている。

http://bit.ly/qvRQSQ(堀田清の元気がでるおはなし)

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2011年7月 3日 (日)

カエル講座でオトギリソウ

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 昨日7月2日はカエル講座。毎月、みんなで緑ヶ丘公園内に生息するカエルを調べる講座だ。調査中、通称「ひなた川」と呼ばれている児童公園側の小川の縁にオトギリソウの黄色い花が咲いていた。

 オトギリソウは漢字で「弟切草」。この花の秘密を漏らした弟を兄が斬り殺したという伝説があるそうで、なんとも物騒な和名であるが、どこかそこはかとない悲しさを感じさせる花ではある。


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 さて、今日の講座はカエル探しのローラー作戦。帯広美術館の裏手に広がる林の中を、参加者全員一列に並んで歩き、エゾアカガエルの姿を探す。なんだか、怪しげな演習でも始まろうとしているようにしか見えないが・・・。


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 本当に見つかるかなあと思いきや、でかい個体が見つかった。さっそく計測。


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 次ぎに体重測定。おとなしく体重計に座るカエルが、なんとも可愛らしい。

 野草園から東側の池まで、カエルが移動しているのではないか?との仮説を検証するための調査なのだが、中間地点にカエルが存在することはわかった。後は移動中の個体を把握する必要がある。雨の日に「彫刻の小径」で張り込みという提案をしてみたが、良い具合に雲行きが怪しくなってきた。近日実際にやってみようか・・・

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