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2011年6月21日 (火)

木造駅舎の上厚内駅へ立ち寄る

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 昨日は休館日で公休なのだが、博物館資料調査員のKさんが海岸へ調査に行くというので、同行させてもらった。Kさんは漂着物を調査されており、定期的に十勝の海岸を歩かれている。私は来月に北大植物園の大学院生とトイトッキ浜を調査する予定があり、下見に行かねば行かねばと思いつつ機会を逸していたので、ちょうど良かったのである。

 だが、今回は植物の話ではなく鉄道の話である。


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 厚内方面へ国道38号線を走行中、Kさんが「面白い駅があるので寄って行こう」と言われ、立ち寄ったのが根室本線上厚内駅であった。この駅の存在は、最近の鉄道旅行ばやりで知られてきており、私も何かで写真を見たことがあったのと、釧路へ行く際に特急の窓から「一度降りてみたいなあ」と思っていたのだが、実際に訪問したのは今回が初めてであった。


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 折しも初夏まっさかり。周囲の森からはセミの声が聞こえる。明日21日が夏至だそうだから、ある意味で明後日からは冬へ向かってまっしぐらな訳で、そんな空気の中に訪れた木造駅舎は実に良い雰囲気である。駅本屋の正面と改札面の外観。


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 かつては全国の国鉄駅に見られた、標準タイプの便所も残されている。「便所」の青看板が無いので閉鎖されているのかと思ったら、きちんと扉が開いて使える状態になっていた。中もきれいに手入れされている。最近の貨車転用型のいわゆる「ダルマ」駅には便所の無い場所が多い。


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 駅本屋と便所の壁に付けられていた財産票。いずれも同年同日で「昭和28年11月」とされていた。この年に建てられたものなのだろう。


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 構内はいわゆる二面二線。単線スルー化されておらず、上下線をきちんと分けた状態である。帰宅してからダイヤを調べていたところ、実際に一日に数本の列車が当駅で交換となっており、その他、冬季やエゾシカなどでダイヤが狂った場合にも待避拠点となるのだろう。


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 意外にも構内には、これまた古い跨線橋がある。跨線橋上から池田・帯広方面を眺めたところ。


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 こちらは白糠・釧路方面を眺めたところ。釧路方には、旧貨物側線が残っている。よく見えないが、構内端には安全側線らしきものが遠望できる。


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 跨線橋。そして右端の線路が貨物側線と思われる終端線。こうした切り取りタイプの貨物側線も、かつては国鉄のみならず全国の鉄道の地方小駅で見られた。現在は保線用車輌の留置場所に使われている駅が多い。


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 貨物側線にはピットのようなものが残っていた。


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 「日本国有鉄道」と書かれた、地中埋設物の存在を示す石柱。


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 時間的に特急が通過するのみで停車列車がしばらく来ない為か、駅舎内に人影は皆無であった。代わりに待合室の壁にはオオミズアオが1匹。


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 帰宅してからあらためて調べてみると、根室本線上厚内駅は明治43(1910)年、官設鉄道釧路線の上厚内信号所として設置。上厚内信号場との改称を経て、大正15(1926)年、駅へ昇格した。貨物扱いの廃止は昭和46(1971)年、同時に簡易委託駅とされたが、平成4(1992)年に委託廃止となり完全な無人駅となった。もし簡易委託でも駅員さんがいたら、また違った良い雰囲気を出していたに違いないのだが、無人化後も駅舎が今の形で残っていることに感謝だろう。


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 良い駅である。今回は車で来たので、むしろ駅には申し訳無い気がするから、やはりきちんと汽車で来なくてはならない。1日、カメラ片手にこの駅で過ごすのも悪くない。今度は汽車で来ようと思う。

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