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2011年5月 4日 (水)

マルミノウルシを展示する

 帯広百年記念館はゴールデンウィークの真っ最中。常設展示では「食べものクイズ」を開催。アイヌ文化情報センター「リウカ」では、発泡スチロールとストローを用いた「シカ笛づくり」を指導。どちらも子供達で盛況である。

 ここで子供達にはあまり興味が無いかも知れない植物の展示をひとつ。もともと動かない植物は、子供の注目をあまりひかない。さらに今回の植物は、春植物と言ってもかなり地味な、トウダイグサ科のマルミノウルシである。大人の注目もひかないかもしれないが、まあせっかく花の時期なので。

Photo_3

 「杯状花序」が特徴的なトウダイグサ科トウダイグサ属の多年草。落葉広葉樹林の林縁などに生育しているが、道内の自生地は胆振・日高地方以外はほとんど知られていない。絶滅危ぐ種にも指定されているちょっと珍しい植物である。

Photo_4

 もともと北大で研究用にポット栽培していたものを、レンタカーに積み込んで、大量の書籍と一緒に帯広へ運んできた。春植物の一種で、今の時期だけ、茎葉を展開し花を付ける。その花は「杯状花序」という独特のものだが、これがまたなにせ地味なのである。しかし、じっくり観察していると味わいのある花でもある。

Photo_5

 残念ながら、現在のところ、十勝圏での自生地は知られていない。これらの栽培個体は、日高地方で採集されたものである。それだけに、あまり馴染みの無い植物だろうと思って、あえて玄関に展示してみた。パネルでは自生地の群落の様子を写真で紹介。

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 「ノウルシ」という言葉からツタウルシなどのウルシの仲間と思われがち。そこで、ウルシとは異なる植物なんだよというパネルも作製。植物体を傷つけると白い乳液を出すところがウルシと似ているので、ノウルシの名が付いたと言われる。
 この乳液で私はかぶれたことは無いのだが、肌の弱い人が触れると痒くなることもあるらしい。念のため、その点も書き加えておいた。

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 今は花茎が伸長し、花も咲き始めの状態。これからどんどん花が開き、やがて赤みが抜けた緑色の葉と薄黄色い花序が美しくなる。5月下旬には結実し、その後、全草が黄色く枯れてきて、やがて解けていく。地上部が消え、地下の塊茎で次の春まで待つのである。

 里山の落葉広葉樹林に咲くマルミノウルシ。今なら帯広百年記念館で見られます。


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