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2011年5月 7日 (土)

今週の実習も終わり

 ここのところ酪農学園大学の博物館実習(学内実習)の指導で、週末になると帯広から札幌へ出てきている。今日も朝から実習。本当は北大植物園へ見学に行きたかったのだが、天気が悪いということで、先週に続き北大総合博物館での実習。

 今日はソーティング実習と、古い標本の内容確認・再梱包に関する実習をしようと考えていたのだが、ソーティングに思いのほか時間がかかり、結局一日がかりとなった。

Photo_2

 マウントされている標本に、静電気破損防止用のパラフィン紙をかけた上で保護袋に入れ、標本庫へ配架する作業。この作業には

 1)植物標本(腊葉標本)の持ち方・運び方などの取り扱い手法を学ぶ。
 2)標本庫の基本的な使い方を学ぶ。
 3)標本庫管理に必要な分類体系や学名の知識を学ぶ。
 4)標本庫管理に必要な技術や知識は他に何か?を知る。

という目的が含まれている。このうち、1)や2)はともかく、大変なのが3)である。いわゆる学名の問題だ。

 まず種内分類群や命名者名など、学名のシステムそのものをおさらい。標本ラベルにある ssp.やvar.やf.などの意味と、それらの後についている命名者名との区別から知って貰わなければならない。そして分類体系を理解し、自分が見ている植物が何科の植物か?それは単子葉類か離弁花類か合弁花類か?それをどうやって調べるのか?これらをまず理解してもらう。

 そしてシノニム(同物異名)だ。学名は世の中に1つだけと思っているのが通常で、分類学の進歩と共に変化するということを知っている学生は少ない。標本が採集された年代や研究者の考え方によりら、標本ラベルに書かれた学名は、同じ植物でも異なる。そして、さらに各博物館の標本庫が見出しとして用いている学名も、それらの標本と一致しない場合がある。そうしたとき、どうやって目的の植物を標本庫から探し出すか?

 さらに、古い標本の場合は地名などの判読が不可欠。そして判読の為には旧漢字などにも慣れる必要があるし、旧地名の調べ方も知っておかなければならない。

 こうして、学芸員とは自分の専門分野をきわめると共に、周辺領域についても学んだり、情報収集のアンテナを張ったりしておく必要があるのだ、ということを実感してもらいたいのだ。

 酪農学園大学では分類に関する講義や実習が無いので、標本管理以前にこうした基礎知識を訓練する機会が無い。強いて言えば、植物に関しては今がそのときなのかもしれない。だからソーティング実習には、思いのほか時間がかかるのだ。

 朝9時半からの実習は夕方18時すぎに終了。5名の実習生たちは今日もよく頑張った。次は2週後の予定。
 明日、百年記念館へ出勤しなくてはならないので、今日は最終のスーパーとかちで帯広に帰る。

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