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2011年5月 9日 (月)

愛国大橋を渡って植物採集へ

 今日は気持ちの良い天気だった。緑ヶ丘公園の桜は今日の方が見頃で、美術館近くではお花見ジンギスカンをするグループが多数見られた。せっかくの天気なので、散歩がてら郊外へ植物採集に出ようと思った。

 午後、南北線のバスを使って稲田のイトーヨーカ堂へ行ってみる。ちょうど昼過ぎなので、昼食がてら一休みして1時間ほど読書した後、徒歩で札内川方向へ行ってみた。

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 帯広市の上水道水源近くに「愛国大橋」という、地名だと知らなければ何か右派的な香りを感じさせる名前の橋があり、ここから札内川の河原へ降りてみる。まずは左岸。川風が気持ちよく、広い河原に誰一人として居ないのが不思議なくらいだ。札幌の豊平川なら、こんな天気の日は多数の人出があるだろう。

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 だが、散策してみても、植物採集の点では、これといったものが無い。まあ、札内川と言っても、この辺りでは人工護岸の都市河川であるから当然と言えば当然。外来種の牧草が広がるばかりである。あまり面白みは無いなあ、引き上げるかと思ったとき、ツクシの集団が目に入った。

 そのとき、「高山植物や貴重種の標本は案外たくさんあるが、身近な雑草の標本などはあまり無い。遠くの山の標本はあっても、身近な市街地の標本は無い」という、恐らく全国のハーバリウムに共通する現状を思い出した。そう、身近な場所の普通種を採集して記録するのが、我々地域博物館の学芸員の仕事のはずであった。

 考え直して周囲を見渡し、イヌナズナ、シロイヌナズナそしてツクシを採集した。

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 せっかくなので愛国大橋を渡ってみることにした。橋を渡って右岸に出ると、低い丘陵斜面に落葉広葉樹林が見えてきた。麦畠の傍らにある小さな林である。あそこなら何かありそうだと思って近づく。

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 行ってみると、斜面下部にはトクサの群落。ということは湿った場所である。ササの姿も見える。トクサ群落にササと来れば、人手のあまり入っていない自然林の可能性が高い。きっと何か見つかるだろうと思って歩いていくと…

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 まずはトクサに混じってニリンソウが出現。

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 キジムシロの黄色い花も出現。

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 タチツボスミレも出現。

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 セントウソウも出現。

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 ヒカゲハリスゲも出現。いろいろと出てくる出てくる。キジムシロ以降は今季初確認である。左岸で真面目にイヌナズナなどを採集した努力(?)が報われたような気持ちになる。植物採集にも神の見守りがあるような気がしてならない。

 せっせと採集にいそしんでいたら、ガサゴソという物音が。顔を上げると、斜面をキタキツネが走り去って行った。

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 農道を上がるとシバザクラがいくらか。緑ヶ丘公園に植栽されているものより色が濃い感じ。

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 イネ科のコウボウも美しい花を咲かせていたので採集。スゲ属もイネ科も今季初採集である。

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 いつしか空が曇り、風も強くなってきて怪しげな天候に。懐中時計を取り出すと、稲田のイトーヨーカ堂前を出る帰りのバスの時刻が迫っている。

 さあ帰ろうと大橋へ戻ろうとすると、ふと脇の木に赤い鳥居が。「なんじゃこりゃ?。」そう言えばさきほどキツネが1頭走り去って行った。植物採集に神の力が…なんて考えたが、神は神でもお稲荷様の導きだったのだろうか?いやお稲荷さんはホンドギツネではないのか?ブラキストン線以北にも神通力があるのか?

 もちろんキリスト教に稲荷信仰は無いのだが、キリスト者であっても、ついそうした事を結びつけて考えるのが日本人の感性である。あれこれ考えながら、もと来た愛国大橋を渡り、帰りのバスへ急いだ。

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