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2011年4月18日 (月)

緑ヶ丘に眠る貨車2つ

 散歩のついでに、かねてから気になっていた近所の廃車をじっくり見に行った。廃車と言っても自動車ではない。もちろん鉄道車輌、それも貨車のことである。帯広市緑が丘の廃車2種類を御紹介。

Photo_4

 春駒通りから、ちょうど緑ヶ丘のスーパー「いちまる」へぶつかる交差点まで、不思議な歩道が延びている。車道の横に、一段高くなった、やけに幅の広い歩道。実はこれ、線路跡だと思っている。
 昭和30年代くらいの帯広地図を見ると、駅裏手から稲田方向へ伸びる十勝鉄道とは別に、緑ヶ丘公園を挟んで西側に、現在の自衛隊敷地へ向かって伸びる引き込み線が描かれている。引っ越してきたばかりの頃にこの辺を歩いていて偶然この道にぶつかった時、これはクサイと思っていたのだが、以前に藤丸さんで開催された昔の写真展を観に行った際に地図を確認。これだと確信したのだった。

 まあ、その線路跡の考察は後日じっくり解説するとして、この道路近くに2両の貨車がいる。

Photo_2

 全体が鳶色(とびいろ)に塗られているが、元来は真っ黒だったはずだ。屋根の形状や全長などから、旧国鉄の17t貨車ワラ1形ではないかと思う。塗りつぶされた形式や配置区などの表記跡を探したのだが、残念ながら全く見つからなかった。

 いわゆる黒屋根貨車と呼ばれた一群の代表形式で、有蓋車の一種。有蓋車とは「天蓋」つまり屋根のある貨車のこと。現在はワム80000形が唯一のJR有蓋車なのだが、塗色はまさにこの鳶色。元黒屋根貨車がワム80000の色に塗られているところがおもしろい。


8000

 こちらは、リサイクルショップおおぬまの店頭にデーンと置かれているヨ8000形車掌車。凸形の形状から一目で分かる。これも黒屋根貨車だったが、現在は明るいオレンジ系の色に塗られている。この色はアメリカの車掌車(カブース)などでよく見る色であり、それをイメージしているのかもしれない。

8000_2

 リサイクルショップ「おおぬま」なのに、函館本線「大沼」ではなく根室本線「大楽毛」の駅名票(本物)が貼り付けられているのが面白い。が、興味深いのは形式が「800」になっているところ。元来は「ヨ8000」なのだが、ヒトケタ減らされている。車輪こそないが、尾灯も残っており、原形がよくわかる。

 現在の貨物列車には車掌車が連結されていないが、変圧器輸送の「特大貨物列車」や、JR線を使って私鉄の新車を工場から運ぶ際の「甲種仕業」と呼ばれる列車には連結されることがある。輸送監視にあたる作業員の添乗用や、機関車が巻き上げる粉塵で新車が傷つかないように、機関車次位に連結する控車として用いられている。これらに使う車掌車は今もヨ8000形だ。

 ヨ8000形は、二軸貨車で始めてトイレを設置した、近代化車掌車として知られる。三笠鉄道公園など、道内数カ所で保存されいるが、十勝圏には無かったと思う。
 
 これら2形式3両の貨車達。パール温泉やスーパーいちまるへの往復の際、ついつい立ち止まって眺めてしまう愛すべき近所の廃車体なのである。

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鉄道」カテゴリの記事

コメント

菅原さん、ありがとうございます。
近隣にお住まいの方から情報をいただき、大変嬉しく思います。1970年代にはまだ遺構が多数残っていたのですね。
地図に残るカーブなど、段丘面に沿いつつ駅から自衛隊へ向かっていた線路の走り方が特徴的に現れていて、なかなか興味深いです。
もし当時の写真などが残っていたら、ぜひ見せていただけると嬉しいです。

*コメント欄が「札幌地下道」の記事に付けられていたので、こちらの記事欄へ移動させていただきました。

投稿: 持田誠 | 2011年5月 4日 (水) 08時24分

はじめまして 1970年代に自衛隊近くに住んでいました。
当時小学生でしたが、その頃は自衛隊引き込み線の橋脚等も残っていました。いまも地図上に当時の築堤跡が道路になってあやしいカーブを描いているのがわかります。
数年前に築堤跡を見に行きましたが、70年代当時と変わりない部分も有り懐かしかったです。

投稿: 菅原修司 | 2011年5月 4日 (水) 08時17分

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