2019年2月 7日 (木)

関西の植物標本を入手して発送

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民間のネットオークションが発達し、古文書から標本まで、さまざまなものが個人間で売買される時代になった。これには良い面と悪い面がある。
 
良い面のひとつは、かつては安易に廃棄処分されてしまっていたものが、どんな形であれ、ひとまずは後世に引き継がれるようになったこと。悪い面は、なんにでも価格がつくようになって、かつてなら寄贈されていたような資料も「まずは売る」ようになっていることだろう。
 
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ここ数年、植物標本のヤフオク流出を注意してみていて、稀に資料性が高いなと思われるものは、無理の無い範囲で購入し、各博物館に受け入れを検討してもらっている。
 
先日は、太平洋戦争中の1942(昭和17)年に、旧制岸和田中学校の1年生だった方が、現在の貝塚市付近で採集された標本群が出品された。内容を検討の上、状態もラベルも良いことから入手し、さっそく当該地方の博物館へ相談したところ、受け入れていただける事になった。
 
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昨日、梱包して発送したのだが、和服をしまうような箱2包みに丁寧に包まれている。種として珍しいものは無いが、時代的に有益な地域資料となるだろう。
 
幸い、植物標本はまず競り合うことが無いので、私でも購入できることが多い。が、絵はがきや古文書は、明らかに業者が、いわゆる「セドリ」目的で高価格に落札し、転売される傾向にある。地域に資料が残りにくくなった原因のひとつになっており、なんらかの対応が必要だろうが、いまのところとれる対策は無い。
 

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2019年1月13日 (日)

十勝バスの鉄道遺産ツアーを案内

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 2019年1月13日(日)、新年1回目の野外巡検は博物館事業ではなく、今日は十勝バスさん主催での鉄道遺産ツアーの案内。テーマは根室本線の運行休止区間と昨年廃止となった羽帯駅跡、そして私設博物館の十勝晴駅見学である。
 
 
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往路は落合まで貸切の十勝バスで行き、列車休止中の落合駅構内を見学。
 
 
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ここから、ふらのバスが運行する列車代行バス106便に乗り換え。根室本線滝川口の列車運行区間終点となっている東鹿越駅まで試乗する。
バスからバスへわざわざ乗り換えるわけだから、旅行の目的が理解できないと、何をやっているんだという話になるが・・・。
 
 
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途中の幾寅駅で2名の一般客を乗せ、東鹿越駅着。
 
 
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ほどなく、滝川からの9627Dが到着。
外国人旅行客の方が多数降車し、代行バス103便へ乗り継いでいかれた。
私の乗車経験によれば、列車運休以前より、富良野からトマムへ抜ける外国時旅行者の方の利用が、この区間は多かった。JR北海道の利用統計には、この辺りの実態が反映されていない気がしており、鉄道の重要性を裏付ける意味で大事な利用と考えている。
 
 
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駅構内から、かつて貨物列車が発着していた日鉄鉱業のホッパーを眺めつつ、列車2430Dへ乗り継ぐ。1駅先の金山までを試乗する。
車中から金山ダムの建設で切り替えられる前の旧線や旧鹿越駅、さらには現線の鹿越仮乗降場跡地の位置を確認した。
 
 
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あっという間に金山着。
いちど列車に乗ってしまうと、ずっと乗っていたくなるのを我慢して、1区間で降りる。
 
 
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金山駅構内には、1911(明治44)年製とされる、レンガ製の危険品庫がある。
レンガは浦幌と同じイギリス積み。
ここのレンガがどこで製造されたものなのかなどは、不勉強なことに私はまだ調査していない。
浦幌駅の危険品庫とは細部が異なるので、ホーム側、構外側からそれぞれ観察する。
 
 
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金山で、列車からツアー貸切の十勝バスに乗り換え。
折り返して国道を幾寅まで戻る。
 
 
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幾寅で昼食。
お昼御飯は、本来なら休業の「なんぷ亭」さんにお願いして店を開けてもらい、南富良野町特産のエゾシカカツカレーをいただく。「なんぷ亭」は幾寅駅の目の前にある。ぜひ多くの方にご利用いただきたい。
特別営業ありがとうございました。
 
 
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昼食後に幾寅駅(高倉健さん主演の映画「鉄道員」の幌舞駅)を見学する。
映画のセットで作った駅舎が、実際の仮駅舎より立派なため、ついにこちらが駅舎として実用化されたという珍しい事例。
 
 
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ただし、東鹿越と落合の中間にあるこの駅は、現在、列車運休中である。
列車の来ないホームは、雪に埋もれた路盤があるだけでわびしい。
しかも幾寅は南富良野町の中心駅である。
ぜひとも列車運行を再開していただきたい。
 
 
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昼食後は、旧羽帯駅跡地へ向かう。
羽帯は2018年3月に駅廃止となった。
いまは駅跡地にJR北海道が建てた駅跡地を示す看板が立つ。
ただし、今回写真を撮るひまがなかったので、上の写真は実は10日の下見の際に撮影したもの。
今日の参加者に、たまたま昨年の駅最終日に来ていた人がおり、皆で写真を見せてもらう。こういう時の盛り上がりが無意味に楽しい。
 
 
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旧羽帯駅の後は、一路、音更町へ走り、最後の見学地である私設博物館「十勝晴駅」を見学する。
 
 
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初めて来られた方が多く、皆さん、想像以上の資料密度と完成度の高いジオラマに、一様に驚いていた。
館長の穂積規さんの努力と人柄による資料収集で、ここまで成長してきた施設博物館。この博物館の存在により、失われる寸前の鉄道資料が救出された例は多い。
公立博物館ではカバーしきれない部分を補っている意味もある私設博物館の意義を車中で解説すると共に、実際の資料を観ていただいた訳だが、それにしてもこの十勝晴駅の濃密さとパワーは圧倒的である。
参加者のなかには、日頃の開館時間などを確認し、今後個人的に再来訪することを確約している方も少なくなかった。
 
これでツアーは終わり。
私は帯広駅前で下車し、17時55分発の2531D釧路行きに乗って帰宅した。
 
バスツアーによる見学会は一般的だが、私としてはどうせならば、一部区間だけでも列車を利用する行程を組みたいというこだわりがある。そこで今回は、代行バス乗り継ぎをルートに組んでみた。
もっとも、幾寅から乗車した2人の地元高校生は、満員の代行バスに驚いている様子で、ご迷惑をかけたかもしれない。その点は本当に申し訳なかったなと思う。
 
とは言え、列車を活用した巡検が私の野外巡検のテーマでもある。
新たなルートを開拓し、今後も細々と続けていきたい。
 

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2019年1月 6日 (日)

釧路厳島神社の正月の光景

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 年末の28日、仕事を終えた妻は高熱を出し、翌日、インフルエンザである事が判明。このため、今回の正月は釧路のアパートで夫婦共にゆっくりと療養生活?をして過ごしていた。
 
 妻がインフルエンザから脱し、体調も徐々に回復してきたのを見計らって、少し外の風にあたろうと市内へ出てみる。三が日ほどではないにせよ、釧路厳島神社も鳥取神社も、初詣の人々で混み合っていた。
 
 
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 キリスト者が神社仏閣へ行ってよいものかというのは、以前から議論があるが、私はあまり気にしていない。というか、仕事柄もあってむしろ積極的に神社やお寺に行く事が多い。唯一の神への信仰に揺らぎはないものの、さまざまな日本の信仰の形態に興味はあるし、それらを尊重しつつ、風俗を知り、出来れば記録していきたいと思うのは、職業柄もあるかと思うが、ぬぐい去りがたいものがある。
 獅子舞が出ていて、参詣客の頭をやさしく噛んでいた。私も噛んでもらう。
 
 
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 もちろん、偶像崇拝のような事はキリスト教とは矛盾するので、奥底の信仰心から神仏を拝むということは無い。しかし、敬意を持って参詣する事に問題は無いと考えている。「それって拝んでいるじゃん」と言われれば見た目はそうだが、異教の神に誠意を持って挨拶をするということと理解している。
 亡くなった井上神父の言葉を借りれば、神社やお寺の中にも、土着の信仰・風習を通して、私には神の働きが見えるような気がする。そうした理解は、日本でキリスト教が根を張っていく上で必要な事ではないかと思う。
 
 
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 鳥居の上にワラで編んだ宝船が吊されており、参詣者はこの下を左に右にと廻って参詣する。面白いのでやってみたが、ここで夫婦ともに注目するのは、この宝船の素材である。釧路では、注連飾りなどにカヤツリグサ科のスゲ類を使うのだが、どうもこの宝船はイネのようである。あちこちの神社や転倒で注連飾りを見かけるたび、妻はひとつひとつスゲかイネかと素材を確かめていて、その姿も面白い。
 
 
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 こちらは1人で訪れた元旦の釧路港。カトリックでは1月1日は聖母マリアの祝日である。カトリック釧路教会で元旦のミサへ行く際に立ち寄ったもの。
 停泊する漁船には見事な飾りが付けられている。2019年が始まったのだなあと実感した。
 
 

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