2018年4月16日 (月)

明治41年の通常為替証書を買ってみた

Dsc_0038_1

 
インターネットのオークションで、明治41年の通常為替の証書が出ていた。浦幌の地名が入っており、価格も500円と手頃だったので購入してみた。
 
正式名称は「通常為替金受領証書」。 現在も郵便局で取り扱っている普通為替で、当時は逓信省であった。
 
まず証書そのものの印刷について見てみる。下部に小さくある記載によれば、「明治四十年四月印刷局製」と記されている。
 
「印刷局」とは現在の国立印刷局である。かつては大蔵省印刷局といった。私は未だにその名称に馴染みがあるのだが、それもそのはず、大蔵省印刷局の歴史は古くて、明治11年まで遡る。
 
ただ、 明治40年の印刷局はちょっと面白い時期で、それまでの大蔵省印刷局と内閣官報局が合併し、「印刷局」は「○○省印刷局」ではなく、内閣所管の単なる「印刷局」であった。工場は東京の大手町にあったとされる事から、この証書も大手町で刷ったものなのだろう。この体制が関東大震災後まで続いた。
 
 
次に、為替でお金を払い込んだ年月日と場所である。消印には「明治四十一年八月三日 十勝浦幌」とあり、本文にも「十勝國浦幌郵便局長」の印が押されている。現在の浦幌郵便局であろう。
 
明治41年の浦幌はまだ「十勝國生剛村」だった時代で、根室本線が現在の富良野線経由で旭川〜釧路間を全通した直後。当時の浦幌郵便局の場所がよくわからないが、まだ生剛村役場のあった下浦幌地区にあったかもしれないし、鉄道に併せて浦幌駅前通りに移転した直後だったかもしれない。このあたりはしっかりと史料を確認する必要がある。
 
 
一方、送金したお金を受け取る郵便局が指定されている。いわゆる「払い出し郵便局」で、証書には「下総國境局」とある。現在の「茨城境郵便局」がそれに該当する。
 
茨城境郵便局の歴史は古く、なんと明治5年、日本の郵便制度発足直後に「境郵便取扱所」として開設されている。明治36年に「境郵便電信局」から「境郵便局」と名称が変更されており、本資料はその時代のものである。場所は茨城県猿島郡境町で、境町は当時もいまも猿島郡境町で変わらない。
 
 
この境町が属する猿島郡は、茨城県の西端にあたる。東北本線の古河の辺りで、関東平野の中心地である。ここまで来ると茨城県なのかどこなのか、よくわからないのが正直なところなのだが、だからこその「境」なのであった。
 
 
この境町の東には、筑波地区がある。現在は合併して「つくば市」になっているが、かつては細かく分かれていて、明治41年当時は筑波郡上郷村(その後の上郷町→豊里町)があった。
 
この筑波郡上郷村は、浦幌町の下浦幌地区に入植して大農場を築いた土田謙吉の出身地、いわゆる入植元である。土田は明治28年に茨城県から15戸60名を浦幌へ移住させたと言われている。明治年間に浦幌と上郷村との間を往復した書簡が残っており、移住後も出身県の人々とのやりとりが続いた事であろう。
 
そう考えると、この証書で浦幌から境へお金を送った人物も、土田農場に関係した人なのかもしれない。名前も無いし、これらの状況から推察しただけの全く確証の無い話ではあるが、小さな紙片もそうした事を考えながら眺めていると、それだけで何か愛おしさのようなものを感じてくるから不思議なものである。
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年3月15日 (木)

『北方山草』第35号の発刊について

35

 
北海道の植物愛好会のひとつ北方山草会から、会誌『北方山草』第35号が発刊された。

本号の小特集は「キンポウゲ科」。
本誌のご購読は、事務局の五十嵐博さん宛にメールで申し込み、到着後、郵便局から同封の振込用紙にて、郵便振替で支払う。
 
目次などは下記のとおり。
 
申込み先(北方山草会事務局 五十嵐博)
E-mail: move-i@nifty.com
北方山草会のサイト http://hopposansokai.web.fc2.com
 
価格:2,500円+送料300円=2,800円
 
【誌名】北方山草
【巻号】第35号
【発行】北方山草会
【発行日】2018年3月11日
【ISSN】 1347-4006
【目次】

写真によせて
扉 札幌市                    梅沢  俊……3
       札幌市  本多 丘人
キンポウゲ科の咲くところ   釧路市  佐藤照雄
キンポウゲ科いろいろ     旭川市  舟橋 健……4
アネモネ属6変化       江別市  大沼弘樹……5
                 函館市  酒井 信……6
                 江別市  中川博之
 イトキンポウゲ(裏表紙)    斜里町  内田暁友……6

【小特集】
北海道のキンポウゲ類(キンポウゲ科):門田裕一……7
私の研究遍歴—キンポウゲ科の水生植物バイカモ類について:高橋英樹……13
オクトリカブトの北海道分布・その後:五十嵐博……19
クサボタン(キンポウゲ科)の北海道分布:五十嵐博……21
センニンソウ(キンポウゲ科)の北海道分布:五十嵐博……23
道内にもあったナガミノツルケマン:本多丘人……25
絶滅種ホソスゲがパソコンから発見される:藤田 玲……32
北海道における帰化植物ホソバヤハズエンドウ( マメ科) の記録:内田暁友・内田雪華……36
ハイハマボッスの新たな産地および生育環境について:山崎真実……39
イワミツバ(セリ科)の地下茎の分岐様式:佐藤広行 ほか5 名……45
カラフトモメンヅルとモメンヅル・2017 年の現状:五十嵐博……50
花めぐり湿っちめぐり2017:佐々木純一……53
マリモの和名考:蔡思薇・佐藤広行……59
阿寒摩周国立公園における西別岳の夏季の高山性植物の観察:細川音冶・佐藤広行……63
これがエダウチトクサ?:酒井 信……69
北海道大学総合博物館陸上植物標本庫(SAPS)におけるAPG 分類体系の導入方法とその経緯:
  吉中弘介・佐藤広行……70
北海道シダ植物相調査報告 3:武田千恵子……74
宮城沢川山道の植物相(予報):助野実樹郎……80
赤花型のクマノアシツメクサの記録(追加報告):小玉愛子……89

【コラム欄】
 (1)表紙の植物「キクザキイチゲ」:五十嵐 博…18
 (2)北海道大学総合博物館陸上植物標本庫(SAPS)への植物標本の寄贈の状況(報告):吉中弘介… 52
 (3)トウヒ(Picea)属の標本を落葉させずに作るには :新田紀敏… 68
花語草談室                       編集委員会……90
新刊紹介                         編集委員会……92
第36 号の原稿募集(投稿規定)    編集委員会……94
編集後記                         編集委員会……96
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年3月 4日 (日)

大津・十勝川学会について

Img_2031_1

 
大津・十勝川学会という地方史研究団体がある。昨晩、この会のFBページをつくった。
 
というのも、昨日、大津・十勝川学会の役員会が豊頃町えるむ館で行われ、会員数の減少や会誌印刷費高騰に伴う財政の悪化予測が提起されたのがきっかけである。
 
「なんとかしなくちゃね」
 
という声が出るものの、役員・会員ともに高齢化が進行し、このままでは世代交代が進まないまま行き詰まってしまう危険がある。もっとも、これは大津・十勝川学会に限らず、北方山草会などの自然史系も含めた、地方研究団体全体の問題でもある。
 
 
当会の場合、私はなぜか役員に入れられてしまっているが、そもそもが自然史系なので、地方史の専門的な内容には役に立てない。出来ることは会の運営を側面から支えることくらいなので、会誌の販路拡大と、会の情報発信に取り組むことにした。
 
さしあたり、2年前に会のホームページを作ったのだが、これは失敗。次にやりやすいのがFBのページ機能を使うことだったので、とりあえず昨晩に作製。また、会の代表メールもつくった(これまで無かった)。 → ohtsutokachigawa@gmail.com
 
今後、会誌の目次掲載や購入方法などを発信していくこととする。
 
また会誌『大津十勝川研究』に国際逐次刊行物番号ISSNを付与するため、さっそく昨日、ISSNセンターへ番号の申請をおこなった。無事に取得できたら次の16号から印刷すると共に、雑誌記事索引への登載とCiNiiなどへの目次情報の公開を実施する。
 
さらに、現在は帯広百年記念館の売店のみで販売しているが、委託販売先の拡大を実施すると共に、百年記念館売店を窓口とした郵送販売の拡大を目指す。
 
さあ、十勝の歴史に関心のある皆さん、この機会にぜひ大津・十勝川学会へご入会を。
入会希望の方は事務局のある豊頃町教育委員会へ電話か、こちらのメールアドレスまで。
 
ohtsutokachigawa@gmail.com (大津・十勝川学会代表メール)
 
 
 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«特急が止まったおかげで標本整理ができた